節電タップは効果ない?待機電力と節約額から考える使いどころ

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節電タップは効果ない?待機電力と節約額から考える使いどころ

「節電タップに替えても、電気代が変わらない。もしかして効果ない?」と感じるのは、無理もありません。節電タップで減らせるのは、主に使っていない機器へ流れる待機電力です。挿すだけで家電の消費電力が下がるわけではなく、スイッチを切った時間に効果が生まれます。

しかも、もともとの待機電力が小さければ、減らせる電気代もわずかです。僕なら、まず「何を何時間切れるか」を考え、その金額とタップ代を比べます。仕組みと試算、電源を切ると困る機器を順に見ていきましょう。

この記事のポイント
  • 節電タップで減らせる電力と効果が小さい条件
  • 待機電力・使用時間別の節約額と購入費の比較
  • 個別・一括スイッチとランプの選び方
  • 録画・凍結予防への影響とタップの安全確認
目次

節電タップは効果ない?仕組みと節約額でわかる理由

挿すだけでは変わらない、減らすのは使わない時間の待機電力

挿すだけでは変わらない、減らすのは使わない時間の待機電力

ここで扱うのは、スイッチで接続機器への通電を止めるタイプの節電タップです。家電は本体やリモコンで電源を切っても、待機中に電気を使う場合があります。その供給をタップ側で止め、使っていない間の消費を減らします。

一括スイッチなら接続機器をまとめて、個別スイッチなら差込口ごとにオン・オフできます。つまり、節電のきっかけになるのはタップへの交換そのものではなく、不要な通電を止める操作です。つないだままスイッチを一度も切らなければ、この仕組みによる待機電力の削減はありません。

また、家電を動かしている時間の消費電力を小さくする機能とは分けて考えましょう。「消費電力の大きい家電をつなぐほど得」とは限りません。見るべきなのは使用中のワット数ではなく、停止中にもどれだけ使い、それを何時間止められるかです。

待機電力が小さい機器や、切る時間が短い使い方では効果も小さい

節電タップの効果が小さくなる主な条件は、もともとの待機電力が小さいことと、通電を止められる時間が短いことです。すでに同じ時間だけプラグを抜いている場合も、タップに替えることで追加の削減が生まれるわけではありません。その場合の価値は、抜き差しの手間をスイッチ操作に置き換えられる点にあります。

たとえばパナソニックのビエラに関するFAQでは、最近のテレビは最低限の回路だけを通電させる工夫により、ほとんどで待機時の消費電力が0.1〜0.3W前後と説明されています。こうした小さな電力を切る場合、大きな節約額は期待しにくくなります。

ただし同じFAQには、番組表データの受信や放送のダウンロード時には、一時的に7〜30Wを消費するとの注意もあります。0.1〜0.3Wが待機中ずっと続くとは限りませんし、すべてのテレビの仕様でもありません。

家電の種類だけで判断せず、使っている機種の待機時消費電力と設定を見ることが、過大な期待を避ける近道です。

年間いくら減る?待機電力とオフにする時間で試算する

年間いくら減る?待機電力とオフにする時間で試算する

節約額の目安は、減らせる待機電力(W)÷1,000×通電を止める時間×電気料金単価で計算できます。Wはその瞬間の電力、kWhは時間を掛け合わせた電気の使用量です。

以下は、毎日16時間、年間365日、一定の待機電力を完全に止められると仮定した比較です。単価は31円/kWhと置き、タップ自身の消費電力や購入費は含めません。0.1W・1W・5Wは比較用の仮定で、特定の家電の実測値ではありません。

地域や電力会社、契約アンペアを指定した料金計算でもなく、実際の契約で適用される単価とは異なります。

止められる待機電力の合計(仮定)年間の削減電力量年間の電気代削減額
0.1W0.584kWh約18円
1W5.84kWh約181円
5W29.2kWh約905円

同じ16時間でも、止める電力によって年間の差はこれだけ変わります。0.1Wなら節電自体はできても、金額のメリットは小さめです。一方、電源を切っても支障が少ない複数の機器で合計5Wを止められるなら、同じ条件で年間約905円になります。ただし「家電を何台か集めれば5Wになる」という意味ではありません。

毎日16時間切れるつもりでも、実際には8時間なら、同じ電力と単価で削減額は半分です。

外出中も動作が必要な機能があるなど、切れない時間を差し引いて考えると、試算と生活のずれを小さくできます。

「家庭の約5%が待機電力」は、そのままタップの節約率ではない

家庭全体の待機電力の数字を見ると、タップひとつで電気代が大きく下がりそうに感じます。しかし、家庭全体の推計と、特定の差込口で止められる電力は別です。

資源エネルギー庁の平成24年度(2012年度)調査では、一世帯あたりの待機時消費電力量を年間228kWh、全消費電力量4,432kWhの5.1%と推計しています。これは当時の機器の保有状況や使用時間などに基づく数字で、現在のすべての家庭に当てはまる割合ではありません。

さらに同報告書は、プラグを抜いても機能への支障が少ない機器を対象に、非使用時の非通電を徹底した場合、待機時消費電力量が年間116kWhになり、元の228kWhに対して49%の削減効果が期待されるとしています。49%は家庭の全消費電力量ではなく、待機時消費電力量に対する割合です。

116kWhも削減量ではなく、対策後に残る量を指します。

この推計でも待機電力がすべてなくなるわけではなく、安全面や耐久性への留意が示されています。「家庭の約5%」をそのまま自宅の請求額に掛けて、タップの節約額と考えるのは避けましょう。

節電タップの効果がない買い方を避ける選び方と注意点

購入費とランプの消費電力を含めて、元が取れるか考える

節電のために新しく買うなら、電気代が減ることと、購入費まで取り戻せることを分けて考えたいところです。購入費を年間削減額で割れば、単純な回収年数の目安になります。

仮にタップ代を1,500円と置くと、先ほどの「1Wを毎日16時間、31円/kWhで止める」条件では、年間181.04円の削減なので回収まで約8.3年です。合計5Wなら年間905.2円で、約1.7年になります。1,500円は比較用の仮定で、特定商品の価格ではありません。

単価や使用時間が変わらず、故障や買い替えもないとした単純計算です。

約8.3年という結果は、その年数まで同じタップを使うよう勧めるものではありません。タップは消耗品であり、劣化や異常があれば交換が必要です。節約額が小さい場合には、電気代だけで購入費を回収しようとすると時間がかかる、という判断材料にしてください。

もうひとつ気になるのが、スイッチのランプです。ランプが点灯するタイプは、ランプ自体も微量の電力を使います。待機電力を減らすために導入しても、スイッチを入れっぱなしなら、削減できずにランプ分の消費が加わる場合があります。

ただし、ランプ付きなら必ず損になるわけではありません。差し引きで得になるかは、機器側で削減した電力量と、タップ側で増えた電力量の関係で決まります。ランプの消費電力を全製品共通の値として決めつけることはできません。

サンワダイレクトでは、光らないエコスイッチを採用した節電タップも案内されています。ランプの消費が気になるなら、こうした構造も選択肢です。ただし、光らないスイッチという説明だけで、表示機能などを含む製品全体の消費電力がゼロとまでは判断しないようにしましょう。

個別・一括スイッチは、電源を切るタイミングで選ぶ

個別・一括スイッチは、電源を切るタイミングで選ぶ

スイッチの数が多いほど、自動的に節約額が増えるわけではありません。大切なのは、必要な機器を残しながら、不要な通電を止められることです。サンワサプライは、一度にオン・オフする機能と、各差込口でオン・オフする機能を分けて説明しています。

スイッチの方式向いている使い方判断の分かれ目
一括スイッチ接続機器を同じタイミングでまとめて切るすべての機器を非通電にして支障がないか
個別スイッチ使用する機器だけ通電させる通電を残す機器と切る機器を分けたいか

たとえば、使い終わる時間が異なる機器を一括で切ろうとすると、ひとつを残すために全部オンのままになりがちです。個別スイッチなら、その機器への通電を残しながら、ほかを切る使い方ができます。一方、全部を同時に切ってよい組み合わせなら、一括スイッチで目的を果たせます。

僕なら、口数を決める前に「通電を残すもの」と「使わない間は切れるもの」を分けます。そのうえで、プラグの抜き差しを負担に感じる場所にタップを使うか考えます。節電タップのわかりやすい利点は、待機電力を切る操作を続けやすくすることです。

録画や凍結予防など、通電を残す必要がある機器に注意

家電の画面や運転が止まっていても、電源供給を切ってよいとは限りません。待機中の電力が、使いたい機能を支えている場合があるからです。

パナソニックのビエラのFAQは、プラグを抜くこと自体について「問題ありません」としたうえで、長時間抜くと番組表データや時刻情報をダウンロードできなくなるため、リモコンで電源をオフにすることを勧めています。

さらに録画機能内蔵テレビやUSB-HDD録画対応テレビでは、録画中に抜くと録画が中断され、HDDの故障の原因になることがあると警告しています。電源供給がなければ、予約時刻になっても録画は始まりません。

この注意は、節電タップでテレビへの通電を止める判断にも関わります。予約録画を使うテレビを「見ていないから」と毎晩まとめて切る運用は避け、メーカーの案内に沿って通電を残す考え方が必要です。節約額だけでなく、残したい機能を先に決めましょう。

給湯器も、待機電力があるからという理由だけで電源を切る対象にしてはいけません。リンナイの凍結予防の案内では、電源プラグが抜けていると凍結予防用のヒータ・ポンプが作動しないと説明しています。リモコンの「運転」スイッチを切ることと、機器への電源供給を止めることは別です。

なお、通電していればすべての寒さで凍結を防げるわけでもありません。同社は、極端な低温や風のある場合、停電時などには別の対策が必要としています。

給湯器は日常の節電目的で安易に電源を遮断せず、使用機種の凍結予防の案内に従ってください。

切る候補にするのは、取扱説明書などで、非使用時に電源供給を止めても必要な機能や安全面に支障がないと判断できる機器です。「待機電力が多い家電ランキング」を、そのまま電源を切る優先順位にするのは適切ではありません。

差込口の数より最大容量と劣化を優先する

差込口の数より最大容量と劣化を優先する

節電用でも、電源タップの容量を超えて使ってよいわけではありません。サンワサプライは、接続する家電の消費電力の合計がタップの最大容量を超えると、発熱・発火のおそれがあると注意しています。差込口が空いていても、それだけで機器を追加できるとは判断できません。

ここでは、節約額を考えるときとは見る数字が変わります。節約額は待機時の電力で考えますが、容量は機器を使用するときの消費電力を含めて判断します。普段は小さな待機電力でも、使用時の電力まで小さいとは限らないためです。タップに表示された最大容量と、接続機器の仕様を照らし合わせましょう。

  • コードを束ねたまま使わず、家具の下敷きにしない
  • プラグをしっかり差し、ホコリや水に注意する
  • 本体やコードのひび割れ、焦げ、差込口のゆるみを放置しない
  • コードやプラグが熱くなる場合、そのまま使い続けない

同社は1年に1回の点検と、異常がある場合の買い替えを案内しています。また、5年以上使っているタップは傷みや劣化の可能性があるとしています。これは「5年までは安全」という保証ではありません。

まだ使えるタップを節電だけのために買い替えるなら、見込める削減額との比較が大切です。一方、傷んだタップの交換は、購入費の回収とは分けて考える必要があります。効果の大きさを見極めながら、必要な通電と安全を保てる使い方を選びたいですね。

節電タップは効果ない?使う条件と選び方のまとめ

この記事のまとめです。

  • 節電タップは、スイッチを切って不要な待機電力を減らす道具。挿すだけでは削減できない
  • 待機電力が小さい機器や、通電を止める時間が短い使い方では節約額も小さい
  • 1Wを毎日16時間、365日止める仮定では、31円/kWhで年間約181円の削減。タップ自身の消費電力と購入費は別
  • 2012年度調査の待機電力5.1%は当時の家庭全体の推計で、節電タップの節約率ではない
  • 購入費1,500円、1Wを毎日16時間遮断、31円/kWhの仮定では単純回収に約8.3年。長期使用の推奨ではない
  • ランプ付きタップはランプも電力を消費するが、差し引きの効果は削減電力量との関係で決まる
  • 同時に切れる機器には一括スイッチ、通電を残す機器と分けたい場合には個別スイッチが選択肢
  • ビエラのFAQではリモコンでの電源オフを推奨。録画中や予約録画に必要な通電を止めないことが大切
  • リンナイの案内では、電源プラグが抜けると凍結予防のヒータ・ポンプが作動しない。給湯器を安易に節電の遮断対象にしない
  • 接続機器の使用時の消費電力と最大容量を照合し、劣化や異常があれば回収年数に関係なく対応する
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