エアコンの掃除で電気代は下がる?節約額の目安と手入れの判断

当ページのリンクには広告が含まれています。
エアコンの掃除で電気代は下がる?節約額の目安と手入れの判断

エアコンの掃除は、フィルターの目詰まりなどで余分に使っている電気を減らし、電気代を下げることにつながります。ただし、どの家庭でも同じ金額が安くなるわけではありません。まず取り組みたいのは、取扱説明書に沿ったフィルターの手入れと、室外機の風通しを妨げる物の片付けです。

僕が家計目線で分けて考えたいのは、日常の掃除で防げる電気のムダと、お金を払って内部の汚れを落とす必要性です。フィルター掃除の節約額を、そのまま業者のクリーニングで取り戻せる金額にはできません。公的な省エネ目安とメーカーの実験条件を見ながら、どこまで掃除するかを整理します。

この記事のポイント
  • 目詰まりの改善で期待できる節電効果
  • 年間約990円と月800円の異なる比較条件
  • 自動お掃除機能の有無による手入れの違い
  • 内部清掃と点検を依頼する判断
目次

エアコンの掃除で電気代は下がる?効果と節約額の条件

電気代が下がる理由は、目詰まりによる余分な運転を減らせること

電気代が下がる理由は、目詰まりによる余分な運転を減らせること

フィルターにホコリが付くと、エアコンは室内の空気を取り込みにくくなります。ダイキンの公式FAQでは、その結果として風量が弱まり、部屋全体が冷えにくくなると説明しています。「設定はいつもと同じなのに風が弱い」と感じるとき、フィルターの汚れは確認したい原因の一つです。

掃除による節電は、この空気の通りにくさを改善することで期待できます。ダイキンの冷房実験でも、フィルター掃除をしない状態では、消費電力がすぐに下がらず、高いまま続く時間が長くなりました。掃除は、汚れによって悪くなった運転状態を改善するための手入れと考えると分かりやすいです。

そのため、節約額を見るときは「掃除前にどれくらい汚れていたか」が大切です。目詰まりした状態と清掃後を比べた数字を、普段からきれいなエアコンにもそのまま当てはめることはできません。また、冷えにくさには室外機周辺の障害物や運転設定なども関係します。

掃除だけで、あらゆる効きの悪さを解決できるわけではありません。

年間約990円は、目詰まりした2.2kWのエアコンとの比較

資源エネルギー庁の省エネ案内は、フィルターを月に1回か2回清掃することを勧めています。掲載されている効果は、フィルターが目詰まりしているエアコン(2.2kW)と、フィルターを清掃した場合を比較して、年間31.95kWhの省エネ、約990円の節約です。

見る項目資源エネルギー庁の掲載条件・目安
手入れの頻度フィルターを月に1回か2回清掃
比較対象目詰まりしているエアコン(2.2kW)と清掃した場合
減らせる電力量年間31.95kWh
節約額年間約990円
金額換算の単価31円/kWh(税込、2022年7月の新電力料金目安単価)

ここでの約990円は、削減できる電力量を一定の単価で金額に換えた目安です。電気料金の単価は時期や地域などによって異なるため、自宅の請求額が必ず990円減るという意味ではありません。節電量の31.95kWhと、金額に直すための31円/kWhを分けて読むと、数字の意味を取り違えずに済みます。

僕なら、この金額は日常の手入れを続ける理由として受け止めます。これは家庭全体の電気代の削減額でも、有料の内部洗浄を頼んだ場合の効果でもありません。まずはフィルターを目詰まりさせないこと。その取り組みの目安として使うのが、条件に合った読み方です。

月800円の節約実験は、約3年分のホコリがある状態が出発点

月800円の節約実験は、約3年分のホコリがある状態が出発点

ダイキンが2022年8月に公表した実験では、フィルター掃除によって、電気料金が1カ月換算で800円少なくなる結果が出ています。ただし、使ったのは2006年製のエアコンと、約3年間掃除していないフィルターです。日常的に手入れしている機器の平均的な節約額を示した調査ではありません。

場所は横浜市の鉄筋コンクリート造住宅、約7畳の寝室。9時から18時までの9時間、冷房・風量自動で運転しています。掃除なしは2022年7月28日で設定25℃、掃除ありは7月30日で設定26℃でした。設定温度は当日の予想最高気温より8℃低くする条件で、電気料金は31円/kWhで換算しています。

一つの住宅で、天気や気温が近い別の日を比べた実験であり、厳密に同条件ではない点も明記されています。

実験の消費電力量は、掃除なしが2.62kWh、掃除ありが1.76kWhでした。「48.9%のムダを削減」という表現は、掃除ありを100%としたときに、掃除なしが148.9%だったことを示しています。掃除前の消費電力量が48.9%減った、と読むと基準が変わってしまいます。

年間約990円と月800円は、期間も汚れの条件も異なる数字です。大きいほうを自宅の節約予算に入れるのではなく、長く掃除していない場合には電力消費への影響が大きくなる可能性を示す例として受け止めましょう。住宅・エアコン・気候によって結果は変わります。

エアコン掃除で電気代が下がるための手入れと依頼の判断

自動お掃除機能がなければ、フィルターは約2週間に1度が目安

日常の節電対策として始めるなら、フィルターの定期的な手入れが基本です。ダイキンの公式FAQでは、フィルター自動お掃除機能がない場合、約2週間に1度、掃除機または水洗いで手入れするよう案内しています。

資源エネルギー庁の月1〜2回という目安も踏まえ、使っている機種の取扱説明書に沿って予定を決めると取り組みやすくなります。

手入れの前には、必ず運転を停止して、電源プラグを抜くかエアコン専用ブレーカーを切ります。取り外し方や洗える部品は機種によって異なるため、説明書の「お手入れ」で対象を確かめてから作業しましょう。前面パネルも、機種によって取り付け構造が違います。

外れにくい部品を、別の機種の手順で無理に外す必要はありません。

ダイキンの案内では、日常の手入れはホコリを掃除機で吸うことや、柔らかい布で拭くことが中心です。室内機の金属部には触れず、40℃以上のお湯や硬いタワシ、消臭スプレーなどは使わないよう注意しています。汚れを強い力や薬剤で落とそうとするより、指定された方法で定期的に手入れすることが大切です。

また、掃除を楽にしようと市販の不織布フィルターを追加する方法にも注意が必要です。ダイキンは、付属のエアフィルター以外に追加すると、目詰まりに似た状態になり、風量や冷暖房の効きに影響する可能性を案内しています。節電のための手入れでは、空気の通りを妨げないことを優先したいところです。

お掃除機能付きは、フィルターとダストボックスを分けて考える

フィルター自動お掃除機能がある機種に、機能なしと同じ掃除予定をそのまま当てはめる必要はありません。ダイキンの公式FAQでは、自動掃除を「入」で使っている場合、基本的にエアフィルターの手入れは不要としています。

ただし、汚れが気になるときは取り外して洗うことができ、ホコリをためるダストボックスの手入れは必要です。

ダイキンの公式FAQでの区分手入れの考え方
フィルター自動お掃除機能なし約2週間に1度、掃除機または水洗い
機能あり・自動掃除を「入」で使用基本的にフィルターの手入れは不要。汚れが気になる場合は洗える
自動掃除でホコリを集めるダストボックスお知らせサインが出たらホコリを捨て、汚れていれば手入れ
本体内部・吹き出し口の内部自分で清掃せず、販売店やメーカーへ依頼

同社が示すダストボックスの手入れ時期は機種により3〜10年で、使用状況によって早まる場合があります。「お掃除機能付きだから何年も何もしなくてよい」と決めず、自宅の機種のサインと説明書を基準にしましょう。この年数を、他メーカーも含めたすべての機種に共通する交換・清掃周期として使うことはできません。

家計目線では、機能の名前だけで手入れを省くより、「どの部品のホコリを自動で取るのか」を押さえることが役立ちます。自動掃除が担当するフィルターと、集めたホコリをためる部分、専門的な清掃が必要な内部を分ければ、自分が行う作業も絞れます。

室外機は、内部洗浄より先に風を遮る物を片付ける

室外機は、内部洗浄より先に風を遮る物を片付ける

フィルターをきれいにしても、室外機の空気の通り道がふさがっていれば、冷房効果が弱くなることがあります。室外機は、冷房時には室内から取り除いた熱を外へ出し、暖房時には外の空気から熱を取り込みます。節電を考えるなら、まず吹出口や吸込口の周りに物がない状態を整えましょう。

先ほどのダイキン実験では、約3年分のホコリがあるフィルターに加え、台車や段ボールで室外機の風通しを遮った条件も調べています。この状態と、フィルターを掃除して障害物をなくした状態の比較では、電気料金の差が1カ月換算で1,720円になりました。

これは二つの改善を合わせた結果で、室外機の片付けだけで1,720円安くなるという意味ではありません。

この比較も横浜市の同じ住宅で、日中9時間の冷房・風量自動によるものです。障害物ありは2022年7月29日で設定25℃、障害物なしは7月30日で設定26℃、料金換算は31円/kWhでした。日や設定条件が異なるため、数字そのものより、室内側と室外側の両方で空気の流れを妨げないことが判断に役立ちます。

家庭での室外機の掃除について、ダイキンは表面を拭き、手で取れる葉や枝などを除く程度で十分としています。見た目の汚れから、すぐ内部洗浄が必要だと考える必要はありません。また、目の細かい室外機カバーは風を通しにくくなるため勧めていません。汚れを防ぐ工夫で、かえって風を遮らないようにしましょう。

業者の内部クリーニングは、節電額だけで元が取れると考えない

内部の汚れが気になる場合は、知識のある事業者へ相談する理由があります。資源エネルギー庁は、長時間使用したエアコンでは内部にホコリなどがたまり、性能が低下することがあると説明しています。

内部の汚れを取ることで性能が回復し、省エネになる可能性があるほか、空気の清潔性やにおいの面でも快適さにつながるとしています。

ただし、ここでの省エネ効果は「可能性」です。フィルター掃除で示された年間約990円や、特定条件での月800円を、内部クリーニングの節約額として使うことはできません。僕なら依頼の判断は、内部の汚れやにおいなどの困りごとと、提示された作業内容・費用を合わせて考えます。

電気代の差だけで費用を回収できると見込んで申し込むのは避けたいところです。

費用を抑えるためでも、内部の洗浄を自己流で行うことは勧められません。ダイキンの公式FAQは、本体内部のアルミフィンや吹き出し口の内部を利用者が清掃することを禁止し、市販の洗浄スプレーも使わないよう案内しています。誤った洗浄では水漏れや電気部品の故障、最悪の場合は発煙・発火につながるおそれがあります。

吹き出し口から棒を差し込んで送風ファンのホコリを取る方法も避けましょう。ダイキンは、ファンが停止中でも破損するリスクを警告しています。内部の汚れが気になる段階では、掃除の範囲を奥へ広げるより、販売店やメーカーへ相談するほうが適切です。

掃除後も変化がないときは、料金の条件と冷房の効きを分けて見る

掃除後も変化がないときは、料金の条件と冷房の効きを分けて見る

掃除しても電気代の変化が分かりにくい場合は、まず「何円下がったか」と「エアコンがきちんと冷えるか」を分けて考えましょう。省エネ目安は一定の単価による換算で、実際の料金単価は時期や地域などで異なります。また、メーカーの実験も住宅・機器・気候によって結果が変わるとしています。

金額の変化だけでは、掃除の効果を切り分けられません。

一方、掃除後も冷えにくいなら、フィルター以外の原因を見る必要があります。ダイキンの冷えない場合の公式FAQでは、室内機の吹出口・吸込口が家具やカーテンでふさがっていないか、運転モードや温度・風量・風向が適切かなどを案内しています。

風量が「微」「弱」の場合は「自動」か「強」、風向が下向きの場合は「自動」か「水平」で試すという案内もあります。

運転ランプが点滅する、時間がたつと再び冷えなくなるといった症状は、不具合の可能性があります。案内に沿った確認でも改善しない場合、同社は販売店またはメーカーへの点検・修理依頼を勧めています。冷えない原因を汚れと決めつけて、クリーニングだけを繰り返す判断は避けましょう。

自分でできるフィルターの手入れと障害物の片付けを行い、内部の汚れは専門家へ、改善しない冷房の不調は点検へ。この順番で考えると、掃除で対応できることと、それ以上の相談が必要なことを分けられます。電気代を下げたいときほど、まず目の前の状態に合う手入れを選ぶことが大切です。

エアコン掃除で電気代は下がる?条件と手入れのまとめ

この記事のまとめです。

  • フィルターの目詰まりを改善すると、余分な電力消費を減らせる可能性がある
  • 年間約990円は、目詰まりした2.2kWのエアコンと清掃後を比較した省エネ目安
  • 約990円の換算単価は31円/kWhで、自宅の節約額を保証する数字ではない
  • 月800円は、約3年分のホコリがある古いエアコンを使った特定条件の冷房実験
  • 自動お掃除機能がない場合、ダイキンは約2週間に1度のフィルター掃除を案内
  • 手入れ前は運転停止と電源遮断を行い、機種の説明書に従う
  • 自動お掃除機能付きでもダストボックスの手入れは必要で、時期は機種や使用状況による
  • 室外機は空気の通り道を確保し、家庭では表面や手で取れるゴミの掃除が基本
  • 内部クリーニングは省エネになる可能性があるが、節電だけで費用を回収できるとは限らない
  • 内部への洗浄スプレーや棒を使う掃除は避け、冷房の不調が続く場合は点検・修理へつなぐ
参考にした情報
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次