電気代の値上げがどのくらいになるかは、比べる月・契約プラン・使用量で変わります。2026年9月16日時点で公表されている東京電力の10月分は、関東エリアの従量電灯B・30A・月260kWhのモデルで、9月分より432円高い8,275円です。
国の支援を反映した金額で、再エネ賦課金と消費税等相当額を含みます。
家計への影響をつかむには、「補助が減る分」「燃料費調整が変わる分」「再エネ賦課金の年度差」を分けるのが近道です。僕なら、まず明細の使用量を手元に置きます。この記事では一般家庭向けの低圧契約を中心に、直近の実例から自宅の負担を見積もる方法まで整理します。
- 東京電力の条件付きモデルで前月比432円増
- 補助縮小と再エネ賦課金の年度差の区別
- 月200〜500kWhの使用量別試算
- 明細と料金プランの比較ポイント
電気代の値上げはどのくらい?2026年秋の金額と適用時期
東京電力の10月分は月260kWhのモデルで432円増

直近の具体例として、東京電力エナジーパートナーが8月28日に公表した10月分を見てみましょう。関東エリアの従量電灯B・30A、使用量が両月とも260kWhという条件では、支払額は次のように変わります。
実際の家庭で使用量が増減した場合の請求額を予測した表ではなく、同じ使用量で料金の変化を比べるモデルです。
| 比較項目 | 2026年9月分 | 2026年10月分 | 前月との差 |
|---|---|---|---|
| 国の支援を反映する前 | 9,013円 | 9,185円 | 172円増 |
| 国の値引き額 | 1,170円 | 910円 | 260円縮小 |
| 国の支援を反映した支払額 | 7,843円 | 8,275円 | 432円増 |
※関東エリア、従量電灯B・30A、月260kWh。再エネ賦課金1,086円、消費税等相当額を含みます。
この432円の増加には、支援前の料金が上がった分と、値引きが減った分の両方が含まれます。「補助が260円減るから、請求も260円だけ増える」とは限らないわけです。支援反映後の燃料費調整単価は、1kWhあたりマイナス10.96円からマイナス9.30円へ変わります。
マイナス表示が続いていても、差し引かれる額が小さくなるため負担は増えます。
一方、この432円を全国共通の値上げ額として使うことはできません。燃料費調整の計算は電力会社の燃料構成などで異なり、契約条件も影響します。たとえば中部電力ミライズの公表モデルも30A・260kWhですが、口座振替初回引落とし割引後という条件です。
会社の公表額を見るときは、金額と一緒にモデルの脚注まで読むと、自宅との違いがわかります。
補助は8月使用分から9月使用分へ1kWhあたり1円縮小
2026年夏の国の電気料金支援は、7月から9月の使用分が対象です。一般家庭などの低圧契約では8月使用分の値引きが最も大きく、9月使用分では1kWhあたり1円少なくなります。使用量が同じなら、この縮小だけで月300kWhの家庭は300円、月500kWhなら500円の負担増となる計算です。
| 対象となる使用分 | 検針分の表記 | 低圧の値引き単価 |
|---|---|---|
| 2026年7月使用分 | 8月検針分 | 3.50円/kWh |
| 2026年8月使用分 | 9月検針分 | 4.50円/kWh |
| 2026年9月使用分 | 10月検針分 | 3.50円/kWh |
ここで間違えやすいのが「使用分」と「料金の月分」です。東京電力の資料では、9月分料金が8月使用分、10月分料金が9月使用分に対応します。また、制度上の7月使用分は、原則として7月中の検針日から8月中の検針日までの使用を指します。
必ずしも暦の7月1日から31日ではありません。補助がいつ減るかを明細と照らすときは、対象の使用期間を合わせてください。
この支援を受けるために、電気を使う側が申請する必要はありません。制度を利用する事業者が毎月の料金から値引きします。東京電力では通常、燃料費調整単価に値引きが含まれるため、「補助金」という独立した項目だけを探すと見落とすことがあります。
なお、同社の再エネおあずかりプランでは請求金額から値引く扱いです。適用の有無は、契約先の案内と明細の計算方法を対応させて読みます。
再エネ賦課金の年度差は月400kWhで80円増

2026年度の再エネ賦課金は1kWhあたり4.18円です。2025年度の3.98円から0.20円上がりました。適用されるのは2026年5月検針分から2027年4月検針分まで。月400kWhを使う場合、前年度単価との差は月80円、毎月同じ使用量なら12か月で960円です。
ここでは、賦課金の総額と、前年から増えた額を分けることが大切です。経済産業省が示す月400kWhのモデルでは、2026年度の賦課金そのものは月1,672円、年20,064円です。この年20,064円が丸ごと新しく増えるわけではありません。
すでに前年度も賦課金を負担しており、同じ使用量で比べた追加負担が年960円となります。
再エネ賦課金単価は全国一律で、毎年度決まります。したがって、同じ使用量の従量制契約なら、電力会社を変えるだけでこの単価差をなくすことはできません。契約を見直すときは、基本料金や電力量料金、調整額など、プランによって異なる部分を比較することになります。
また、2026年9月分と10月分は同じ年度単価の適用期間です。先ほどの東京電力の前月比432円に、再エネ賦課金の年度差をもう一度足す必要はありません。「去年より増えた分」と「先月より増えた分」を同じ足し算に入れないことが、家計の見積もりをずらさないポイントです。
補助終了後の負担は、値引きがなくなる場合の試算で備える
2026年9月16日時点の公式案内で示されている支援期間は、9月使用分までです。その先の家計を考えるなら、まず「9月使用分の3.50円/kWhの値引きがなくなった場合」を別枠で見積もると整理できます。
月300kWhなら1,050円、月400kWhなら1,400円が、値引きの消失だけによる負担増の目安です。
ただし、これは使用量とそれ以外の料金条件を固定した仮定です。「次の請求が必ず1,400円上がる」という予告ではありません。燃料費調整単価も毎月変わるため、支援の変化だけでは最終的な支払額を決められません。
家計簿には「値引きがなくなる影響」として置き、契約先が対象月の単価を公表した段階で見積もりを更新する使い方が向いています。
燃料価格のニュースと電気料金の動きにも時間差があります。規制料金の燃料費調整では、各月の3〜5か月前の貿易統計価格を使います。東京電力の2026年10月分も、5〜7月の燃料価格を基にしたものです。直近で原油価格が動いたからといって、すぐ翌月の電気代が同じ方向・同じ割合で変わるとはいえません。
将来の金額は、公表済みの単価と仮定の試算を区別して扱いましょう。
電気代の値上げで家計はどのくらい変わる?試算と見直し方
月200〜500kWhの影響を、比較する条件ごとに計算する
自宅への影響は、1kWhあたりの単価差に使用量を掛けると概算できます。人数のイメージで当てはめるより、検針票やアプリに載る実際のkWhを使うほうが、自宅の計算条件に合います。次の表は使用量を固定し、それぞれの変化を単独で計算したものです。
| 月の使用量 | 補助縮小だけの増加額:8月→9月使用分 | 再エネ賦課金の増加額:2025→2026年度 | 3.50円の補助がなくなる場合の増加額 |
|---|---|---|---|
| 200kWh | 200円 | 40円 | 700円 |
| 300kWh | 300円 | 60円 | 1,050円 |
| 400kWh | 400円 | 80円 | 1,400円 |
| 500kWh | 500円 | 100円 | 1,750円 |
※一般家庭などの低圧・従量制を想定。各列は比較時期と条件が異なるため、合計しません。補助終了の列は、他の条件を固定した仮定の試算です。
東京電力の関東エリアで公表された9月分から10月分への変化を計算する場合は、支援反映後の燃料費調整単価の差、1.66円/kWhを使います。月300kWhなら498円、月400kWhなら664円の増加が概算です。この1.66円には補助縮小の1円が含まれているため、表の補助縮小額を追加しません。
この方法で出せるのは、同じ使用量で単価が変わった影響です。実際の請求では使用量や契約条件、端数処理も関係します。東京電力以外の契約や関東エリア以外に1.66円を流用せず、契約先・対象プランの前月と当月の単価を入れてください。大切なのは、何の差額を計算した数字かを見失わないことです。
値上がりの理由は、料金改定・毎月の調整・使用量を分けて見る


電気代が高くなったとき、すべてを「電力会社が単価を値上げした」と捉えると、見直す場所を間違えやすくなります。一般的な電気料金は、基本料金、使用量に応じた電力量料金、再エネ賦課金で構成され、電力量料金には燃料費調整が反映されます。
基本料金や電力量料金単価を改定する話と、毎月の燃料費調整による変動は分けて考えます。
燃料費調整は、原油・LNG・石炭の輸入価格の変化を電気料金へ反映する仕組みです。計算に使う円建ての価格には為替も反映されます。また、燃料の構成比などを加味するため、同じ燃料ニュースが出ても、各社の調整単価は一律ではありません。
直近の請求を理解したい場合は、ニュースの見出しより、契約先が公表する対象月の調整単価が直接の手がかりになります。
検索で見かける2023年6月の値上げ情報にも、時点の区別が必要です。当時の大手7社の規制料金改定と、2026年秋の毎月の変動は別の話です。古い改定率を今月の請求額に掛けても、今回の増加額にはなりません。さらに、単価が変わらなくても使用量が増えれば、使用量に応じた料金は増えます。
「単価の変化」と「使った量の変化」の両方を見れば、料金面を調べるべきか、使用状況を振り返るべきかが整理できます。
明細は使用量、調整単価、賦課金、契約条件の順に比較する
家計の見直しは、当月と比較したい月の明細を並べるところから始められます。先月からの変化を知りたいなら前月分、昨年との違いを知りたいなら前年同月分を使い、まず使用期間とkWhを見ます。支払額だけの比較では、使用量が増えたのか、単価が変わったのかを切り分けられません。
| 見る項目 | 比べる内容 | 判断に使うポイント |
|---|---|---|
| 使用期間・使用量 | どの期間に何kWh使ったか | 料金単価以外の変化をつかむ |
| 燃料費調整単価 | 当月と比較月の単価、支援の反映方法 | 補助縮小を二重に加算しない |
| 再エネ賦課金 | 適用年度の単価と使用量 | 賦課金総額と年度差を分ける |
| 契約プラン・基本料金など | 同じ契約条件で比べているか | 料金改定や契約変更の影響を区別する |
使用量がほぼ同じなのに高くなっている場合は、調整単価、支援額、料金改定の案内へ進みます。使用量も増えている場合は、その影響と単価の変化が重なっている可能性があります。僕なら、まず料金が増えた理由をここまで分けてから、家電の使い方や契約の見直しを考えます。
増加の中身がわからないまま買い替えや契約変更を決めるより、自宅で比較すべき条件がはっきりします。
料金プランは調整額の上限と割引終了後まで比べる


契約を見直すなら、基本料金や「1kWhあたり○円」だけで判断せず、調整額を含めた計算方法を比べます。規制料金の燃料費調整には、燃料価格の上昇分を反映する範囲に上限があります。一方、自由料金にはその上限がないものが多く、市場価格の変動を料金へ反映するプランもあります。
なお、燃料費調整の上限は、毎月の請求総額に上限があるという意味ではありません。
比較するときは、同じエリア・使用量・契約容量などの条件をそろえ、基本料金、電力量料金、燃料費や市場価格に関する調整の仕組みを一式で見ます。
キャンペーンがある場合は割引額だけでなく対象期間も必要です。
資源エネルギー庁も、契約期間、料金の算定方法、割引の期間、期間内解約の制約、解約手数料などを契約前の確認項目に挙げています。
特に、夜間に多く使う家庭やオール電化の家庭は、今の時間帯別の条件を残して比べたいところです。資源エネルギー庁は、セット割をきっかけに変更した結果、以前より割高になり、元のプランにも再加入できなかった相談例を紹介しています。
これはすべての変更で起きる話ではありませんが、現在のプランへ戻れるかも判断材料になります。
目先の値上がりに対してできる第一歩は、自宅の使用量で差額を出すことです。そのうえで、契約変更後の条件と今の条件を比べ、割引が終わった後や解約時まで納得できる候補を選びます。
「今月はいくら増えるか」と「変更すると自宅ではどうなるか」を分けると、値上げのニュースに急かされず、家計に合った判断がしやすくなります。
電気代の値上げはどのくらいかのまとめ
この記事のまとめです。
- 東京電力の2026年10月分は、関東エリア・従量電灯B・30A・月260kWhのモデルで前月比432円増の8,275円
- 同モデルの増加は、支援前の料金172円増と値引き260円縮小によるもの
- 低圧の支援は8月使用分4.50円/kWhから9月使用分3.50円/kWhへ縮小
- 使用分と料金の月分は異なり、東京電力の10月分料金は9月使用分に対応
- 制度を利用する事業者が値引きするため、利用者による支援の申請は不要
- 再エネ賦課金は2026年5月検針分から4.18円/kWhで、前年度との差は0.20円/kWh
- 月400kWhなら賦課金の年度差は月80円、毎月同じ使用量なら年960円
- 3.50円/kWhの支援がなくなる場合、月400kWhでは他の条件を固定して月1,400円増の試算
- 前月差と年度差は合計せず、支援反映後の調整単価に補助縮小額を二重加算しない
- 契約見直しでは使用量をそろえ、調整の仕組み、割引期間、解約条件まで比較
参考にした情報
- 2026年7月、8月及び9月使用分の電気・ガス料金支援の実施に伴い、電気・都市ガス料金の値引きを行うことができる特例認可・承認を行いました(METI/経済産業省)
- 燃料費調整のお知らせ(2026年10月分)
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金 | 再生可能エネルギーからの電力購入/固定価格買取(FIT)制度の買取 | 電気 | 九州電力(個人のお客さま)
- 再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します(METI/経済産業省)
- 2026年10月分電気料金の燃料費調整について|プレスリリース|中部電力ミライズ
- 燃料費調整制度について|資源エネルギー庁
- 電気料金の改定について(2023年6月実施)|資源エネルギー庁
- 260828j0601.pdf
- 電気・都市ガスをご利用するみなさまへ|電気・ガス料金支援|経済産業省 資源エネルギー庁
- 電力・ガス自由化 切替え契約時は、ココに注意!|エネこれ|資源エネルギー庁



