エアコン暖房を18度に下げれば、つけっぱなしでも電気代を抑えられるのでしょうか。結論は、18度という設定だけで、24時間つけっぱなしのほうが安いとは決まりません。 部屋にいる間や短い外出では運転を続ける選択肢があり、長い不在では停止も検討する、という使い分けが基本です。
よく見かける「30分程度ならつけっぱなしがお得」というダイキンの実験は、暖房24度で行ったもの。18度での電気代を測った結果ではありません。僕も家計のために設定温度を気にしたくなりますが、リモコンの数字と、実際の室温、暖房が必要な時間を分けて考えることが大切です。
- 在宅・短い外出・長い不在での運転の使い分け
- 24度設定の実験と18度運転の違い
- 24時間・1か月の電気代の計算方法と必要な消費電力量
- 室温と寒さに合わせた設定・就寝時の調整
エアコン暖房を18度でつけっぱなしにすると電気代は安い?
在宅中・短い外出・長い不在で答えが変わる

在宅中に暖房が必要なら、暖かくなるたびに切り、寒くなったら入れ直す操作は控えるのがおすすめです。ダイキンは、寒い部屋を一気に暖めるときは、暖まった部屋の温度を維持するときより多くの電気を使うと説明しています。節約のつもりの頻繁な入り切りが、かえって電気を多く使う場合があります。
| 利用場面 | 運転の考え方 | 判断するときの条件 |
|---|---|---|
| 部屋にいて暖房が必要 | 運転を続け、温度調節機能に任せる | 暑い・寒いの調整を頻繁な入り切りで行わない |
| 30分程度の短い外出 | つけっぱなしを候補にする | ダイキンの24度設定の実験では有利。18度での境目を保証するものではない |
| 数時間など長い不在 | 停止を検討する | 同社の2時間外出を含む実験では、停止したほうが消費電力量は小さい |
| 一日中暖かさを保ちたい | 電気代と室温の安定を比べる | 24時間運転が最安とは限らない |
ここで分けたいのは、短時間に何度も切ることと、暖房が不要な時間にまとめて止めることです。前者では再び暖める電力が積み重なる一方、後者では運転しない時間を確保できます。「つけっぱなし」と「こまめに消す」のどちらかに統一するより、生活の中の不在時間に合わせるほうが実験結果にも沿っています。
「30分ならお得」は24度設定での実験結果
ダイキンの冬のつけっぱなし検証では、京都市のSRC造13階建ての建物にある、階違いで同じ間取りの14.1帖の部屋を比較しています。エアコンは主に14畳用で、設定は暖房24度・風量自動。この条件では、30分間隔で入り切りするより、つけっぱなしのほうが全時間帯で消費電力量が小さくなりました。
一方、生活スケジュールに合わせて運転・停止した別の実験では、24時間つけっぱなしが12.7kWh、入り切りした場合が11.6kWhでした。こちらは2017年12月25日23時から翌26日23時までの測定で、26日の最高気温は7.8度。
停止時間は合計13時間です。長く止めれば、その後に部屋を暖め直しても、1日全体の消費電力量を抑えられる場合があると分かります。
この実験で示された電気代は、当時の換算条件である27円/kWhによる約343円と313円です。差は約30円ですが、これを今の自宅にもそのまま当てはめることはできません。料金単価だけでなく、設定温度、日照、部屋の気密性や断熱性なども異なるためです。
18度に下げた場合の差額や損得の境目は、この結果からは確定できません。
ダイキンは、つけっぱなしが有利になる時間の目安について、設定温度が低い、気密性が高い、外気温が高い場合には長くなる方向のイメージを示しています。ただし、具体的に「18度なら何分まで」という数値は示していません。30分は考え始める目安として使い、1時間や2時間まで機械的に延ばさないようにしましょう。
24時間・1か月の電気代は消費電力量から計算する

18度設定で24時間運転したときの電気代は、設定温度だけでは出せません。エアコンは部屋の状況に応じて運転の強さを変え、電気代は使用環境や電力会社との契約内容によっても変わります。計算の基本は、消費電力量(kWh)×電力料金単価(円/kWh)です。
電気代は、消費電力量と電力料金単価から見積もります。ダイキンの計算方法では、一般的な目安として31円/kWh(税込)を用いています。自宅で24時間・1か月使う場合は、それぞれの期間の消費電力量と、契約中の電力料金単価を確認して計算しましょう。
電気代の目安(円)=対象期間の消費電力量(kWh)×電力料金単価(円/kWh)
エアコンは部屋の状況に応じて能力を変えるため、電気代も変動します。18度という設定温度だけでは、24時間・1か月の電気代は決まりません。見積もりには、その設定で使ったときの消費電力量が必要です。
自宅の金額を考えるときは、カタログの消費電力を24時間ずっと使い続ける値と決めつけないことも大切です。室温が設定温度に近づいた後も、立ち上がりと同じ強さで運転し続けるわけではありません。また、31円/kWhは計算用の目安単価です。
自宅の料金を見積もる際は契約の単価に置き換え、表を家庭全体の請求額と混同しないようにしてください。
20度から18度に下げた節約額は一律ではない
暖房の設定温度を控えることには、省エネにつながる根拠があります。資源エネルギー庁の省エネ情報では、外気温6度のとき、エアコン(2.2kW)の暖房設定を21度から20度に下げ、1日9時間使う条件で、年間53.08kWhの省エネとしています。
ただし、これは21度から20度への変更例です。「20度から18度なら2倍の節約」「24時間なら使用時間に比例して節約額も増える」とは扱えません。温度を下げる方向性と、自宅で何円減るかは別の話。18度にしても、長時間の運転による電気使用量がなくなるわけではありません。
僕なら「18度を守ること」より、無理のない室温で過ごせるかを先に見ます。環境省がウォームビズで示すのは、暖房時の室温20度を目安に快適に過ごす考え方です。寒いのに設定を固定する必要はなく、室温や体調に合わせて調整するほうが、続けやすい節約になります。
エアコン暖房を18度でつけっぱなしにする前に見直したい使い方
寒いときは18度設定より実際の室温を確かめる
リモコンを18度にしたことと、自分のいる場所が快適な温度になったことは分けて考えましょう。部屋には温度のむらがあり、暖かい空気は天井付近に、冷たい空気は下のほうにたまりやすいとダイキンは説明しています。暖房が動いていても、足元だけ寒く感じることがあるのです。
環境省は、温度計と湿度計を近くに置き、室内環境を見えるようにすることを勧めています。暖房の目安とされる20度も、リモコンの設定値ではなく室温の話です。まず実際の室温を見て、部屋全体が寒いのか、足元など一部が冷えているのかを考えると、次に見直す点がはっきりします。
寒さの感じ方は人によって異なるため、18度では寒いなら設定温度を上げることも選択肢です。少し厚着をする、首・手首・足首を保温するといった工夫も、ダイキンが紹介しています。衣類で調整しても寒さが残るのに、節約額が分からないまま18度にこだわる必要はありません。
就寝時は電気代だけでなく冷え込みで決める


寝るときも、18度なら一晩中つけっぱなしが正解、と一律には言えません。ダイキンの生活スケジュールの実験では、就寝や外出時に停止した運転のほうが1日全体の消費電力量は小さくなりました。ただし、停止のたびに室温は下がっています。費用の比較と、寝室の暖かさを保つ判断は分けて考える必要があります。
アイリスオーヤマの就寝時の解説では、暖房設定の目安を18〜22度とし、2〜3時間後に切れるタイマーと、起床1時間前に入るタイマーを使う方法を紹介しています。夜通しの暖房を必要としない場合には、こうした時間を区切る使い方も候補になります。
ただし、この時間設定をどの寝室にもそのまま当てはめる必要はありません。同社も、温度設定は体調や体質に合わせて調整するよう案内しています。運転を止めた後の寒さが気になるなら、電気代だけを理由に停止を優先せず、室温を見ながら運転継続も含めて考えましょう。
冬向けの保温性のある寝具やパジャマを選ぶことも、同社が挙げる工夫です。
足元の寒さは風向きと窓まわりから見直す
足元だけ寒い場合は、まず暖かい空気の届き方を見直してみましょう。ダイキンは、暖房を入れたときに風向きを下向きに設定し、床側から暖める方法を紹介しています。また、サーキュレーターなどで足元の冷たい空気と天井付近の暖かい空気を混ぜることも、温度むらの対策になります。
一方、暖めた部屋の熱を逃がしにくくする工夫も必要です。資源エネルギー庁は、暖房時に厚手で床まで届く長いカーテンを使うことを挙げています。ダイキンも、カーテンの上下にすきまができないようにすることで保温効果が高まると説明しています。
窓まわりの冷えが気になるなら、今あるカーテンの長さや覆う範囲を見直す余地があります。
ドアや窓の不要な開閉を少なくすることも省エネの工夫ですが、資源エネルギー庁は併せて適宜換気するよう注意しています。暖かさを逃がしたくないからと、換気まで省く考え方にはしないでください。風向き・空気の循環・窓まわりを整えたうえで、まだ寒ければ設定温度を調整します。
フィルターと室外機の通風も電気代に関わる


低い設定温度で使っていても、フィルターが目詰まりしていると暖房の効率を落とす原因になります。ダイキンによると、ほこりで吸い込める空気が少なくなると暖める力も小さくなり、部屋を暖めるために多くの電気が必要になります。設定温度をさらに下げる前に、お手入れの状況も見ておきたいところです。
清掃頻度の目安は、資源エネルギー庁が月1〜2回、ダイキンが2週間に1度です。ただしダイキンは、運転時間や使用環境によってお手入れ期間が異なる場合があるとしています。つけっぱなしで使う際も、この目安を参考にフィルターの汚れを確認しましょう。
室外機の前や吹き出し口付近に物を置くことも避けたい点です。ダイキンは、物やカバーで周囲をふさぐと、吐き出した冷たい空気が回り込んで再び吸い込まれ、暖房効率が落ちると説明しています。18度という設定を工夫するだけでなく、空気の通り道をふさがないことも大切です。
なお、フィルターのお手入れと、エアコン内部の洗浄は別です。資源エネルギー庁は、十分な知識がない人による内部洗浄は故障の原因になることがあると注意しています。
内部の汚れまで対処したい場合は、知識のある事業者への依頼を検討する範囲にとどめましょう。
エアコン暖房を18度でつけっぱなしにする使い方のまとめ
この記事のまとめです。
- 18度設定だけで、24時間つけっぱなしのほうが安いとは決まらない
- 在宅中に暖房が必要なら、頻繁な入り切りを控えて温度調節機能に任せる
- 30分程度ならつけっぱなしが有利という実験は暖房24度の条件
- 長い不在では停止を検討し、30分を全家庭共通の境目にしない
- 電気代は消費電力量と料金単価で計算し、18度という数字だけで見積もらない
- 21度から20度に下げる省エネ例を、18度での節約額へ単純に拡張しない
- 暖房時の室温20度を目安に、実際の室温と寒さを見て設定を調整する
- 就寝時はタイマーも候補だが、冷え込みや体調に合わせて運転継続も考える
- 足元の寒さには風向きや空気の循環、窓まわりを見直し、必要な換気は行う
- フィルターの汚れと室外機の通風を確認し、知識のないまま内部洗浄をしない









