エアコンを暖房にしたのに暖かい風が出ないと、故障なのか、もう少し待てばよいのか迷いますよね。運転開始直後の予熱や、途中で行われる霜取りでは、一時的に温風が出なくなることがあります。一方、設定やフィルター、室外機の周辺環境を見直しても改善しない場合は、点検・修理が必要な可能性があります。
まずは「つけた直後から出ない」「途中で止まった」「暖かい風は出るのに部屋が寒い」のどれに近いかを分けてみましょう。電気代も気になりますが、僕なら、温度を上げ続ける前に運転状態と空気の通り道を見ます。症状によって、設定温度を上げて試す場面と、霜取りの頻発を抑えるために下げて試す場面があるためです。
焦げ臭いにおいがある場合は、通常の確認手順より使用中止を優先してください。 ダイキンは、運転を停止し、電源プラグを抜くかブレーカーを切って、販売店またはメーカーへ点検・修理を依頼するよう案内しています。
- 予熱・霜取りによる一時停止と待ち時間の目安
- 暖房モード・温度・風量・省エネ設定の確認
- フィルターと室外機の空気の通り道の点検
- 機種ごとの異常表示と点検修理への判断
エアコンの暖房で暖かい風が出ない原因を症状から確認
つけた直後に風が出ないなら、まず予熱運転を確認

暖房を入れた直後は、すぐに風が出なくても故障とは限りません。冷たい風を室内へ出さないよう、先に室内機の熱交換器を暖める「予熱運転」を行うためです。吹き出し口の羽根が開いていても、まだ風を出さずに準備している場合があります。
日立の公式FAQでは、予熱が完了するまでの時間を2~3分間と案内しています。上下風向板が開いて水平になり、風が出ないのも、この予熱時の動作です。ただし、この時間や表示を、別メーカーの機種まで共通の判定基準にはできません。自宅の機種の説明書にある、暖房開始時の動作と照らし合わせましょう。
ダイキンも、冷たい風を出さないために暖めてから送風するので、すぐには風が出ないことがあると説明しています。しばらく待って暖かい風が出れば、そのまま使用できます。運転開始からの経過時間を見て、予熱後に温風へ変わるかを確かめるのが最初の判断です。
反対に、設置した直後から、予熱が終わっても暖かい風が出ない場合は、待つだけで済ませないほうがよい症状です。日立は、本体や据付状態に問題が発生している可能性があるとして、販売店または修理相談窓口への点検相談を案内しています。
途中で温風が止まるなら霜取り運転の可能性
それまで暖かい風が出ていたのに途中で止まった場合は、室外機についた霜を溶かす「霜取り運転」の可能性があります。霜が増えると室外機の空気の吸い込みが妨げられ、暖房の効率が悪くなります。一般的なエアコンは、霜を溶かすために一時的に温風の吹き出しを止め、霜取り後に暖房を再開します。
| メーカーの公式案内 | 霜取りにかかる時間 | 動作の説明 |
|---|---|---|
| ダイキンのルームエアコンFAQ | 約3~10分 | 室内機から暖かい風が出なくなり、しばらく待って温風が出れば正常 |
| パナソニックの霜取り解説 | 最長で12分程度かかることがある | ルーバーが開いたまま運転ランプが点滅し、終了後は点灯に変わって暖房を再開 |
| 日立の暖房時ランプFAQ | 霜の付き具合により5~22分間 | 暖房中は上下風向板が水平になって風が止まり、終了後に自動で暖房を再開 |
このように、待ち時間の案内には幅があります。「10分を超えたから故障」と一律には判断できません。ランプ表示も機種によって異なるため、メーカー名だけでなく、使っている機種の説明書と停止中の表示を合わせて判断してください。
霜取り中には、冷媒の流れが切り替わる「プシュー」という音や、冷媒が流れる「シャー」「ポコポコ」という音が出る場合もあります。ダイキンは、これらを霜取りに伴う音として説明しています。ただし、しばらくたっても暖房が再開しない場合は、使用しているメーカーへの問い合わせが必要です。
長時間の連続運転中に止まる場合は、自動フィルター掃除も候補です。パナソニックは、お掃除機能搭載機種では一定時間の連続運転後に運転を中断して掃除し、終了後に元の運転へ戻ると案内しています。動作条件は機種ごとに異なるので、停止をすべて霜取りと決めつけず、掃除の表示も見てください。
暖房モード・設定温度・風量・省エネ機能を見直す

リモコンでは、最初に運転モードを見ます。「冷房」「ドライ」「自動」「送風」になっていたら、「暖房」へ変更して温風が出るか試しましょう。日立の「これっきり自動」や「自動」表示も自動運転の意味で、公式FAQでは停止ボタンで止めてから暖房へ切り替える方法を案内しています。
暖房モードでも、室温が設定温度に達すると、暖めすぎを防ぐために温風が止まることがあります。ダイキンは、設定温度を上げて暖かい風が出れば正常と説明しています。日立も、設定温度に近づくと風速を弱めるため、設定温度を上げて改善するか試すよう案内しています。
風量が「微」「弱」になっていると、部屋全体が暖まりにくくなります。ダイキンの案内は「自動」または「強」、日立の案内は風速「自動」です。運転モードの「自動」と風量の「自動」は、確認する項目が別です。暖房モードにしたうえで、風量の設定を見直してください。
省エネを優先する設定も、暖まり方に関係します。日立は「eco」機能の使用中には暖まりにくいと感じることがあると説明しています。ダイキンでは、電流を抑える「パワーセレクト」が有効だと暖房効果が弱くなる場合があります。
該当機能を搭載している機種では、一度解除して温風や暖まり方が変わるか試す方法があります。
ただし、霜取りがいつもより多い・長い場合は、温度を上げる確認とは別です。ダイキンは、その場合に設定温度を1~2℃下げて試すよう案内しています。暖房能力を抑えることで霜の付く量を抑え、霜取りの頻度や時間を軽減できる可能性があるためです。
温風が止まる理由を見ずに、寒いからと設定温度だけを上げ続けないようにしましょう。
暖かい風は出るのに寒いなら、風向きと部屋の空気の流れを確認
吹き出し口から暖かい風は出ているのに、足元や部屋の反対側が寒い場合は、温風を作れていない症状とは分けて考えます。暖かい空気は部屋の上部にたまりやすいため、風向きが上向きだと天井付近だけが暖まり、床付近の温度は上がりにくくなります。まずは風向きを「自動」か「下向き」へ変更しましょう。
日立によると、エアコンは天井付近の空気を吸い込み、加熱して部屋を暖めます。吸い込む空気が設定温度に達すると、自動的に運転を止める仕組みです。そのため、家具で空気の流れが遮られると、エアコン周辺だけが暖まり、部屋全体が寒いままでも運転が弱まることがあります。
室内機の吹き出し口や上部の吸い込み口を、カーテンや家具がふさいでいないか見てください。部屋の中央で暖かい風が遮られている場合も、全体が暖まりにくくなります。配置を変えられる物は移動し、難しい場合は、扇風機やサーキュレーターで暖かい空気を部屋全体へ送る方法があります。
ドアや窓が開いていないかも確認し、カーテンを閉めて外からの冷気や暖気の流出を抑えましょう。それでも、寒波や積雪で外気温が大きく下がったときは、暖まりにくい場合があります。また、日立は、部屋の広さへの対応や、窓の大きさ・向きなどによっても暖まるまでの時間が異なると説明しています。
温風が出ている場合は、こうした部屋や環境の条件も点検相談で伝えるとよいでしょう。
エアコンの暖房で暖かい風が出ないときの対処法と修理の目安
フィルターの汚れを確認し、機種の手順に沿って掃除する
設定を見直しても風が弱い場合は、エアフィルターの汚れを確認します。フィルターにホコリが付くと、室内機が空気を取り込みにくくなり、風量が弱くなるため、部屋全体が暖まりにくくなります。温度設定だけでは改善しない、空気の入り口の問題です。
掃除を始める前には、使っている機種の取り外し方を確認してください。日立のエアフィルターのお手入れ案内では、運転を止めて電源プラグを抜くかブレーカーを切り、手袋を着用する手順です。内部のファンや部品によるけが・故障を防ぐためで、暖房を止めただけの状態で掃除を進める案内ではありません。
同社は、外したエアフィルターのホコリや汚れを、掃除機やスポンジなどで強い力を加えずに取り除くよう案内しています。掃除機は吸引力を弱めに設定し、フィルターを本体に取り付けたまま吸わないことも注意点。内部の結露水を吸い込むと、掃除機の感電・ショートの原因になるためです。
日立の案内では、汚れがひどいときは中性洗剤で洗い、よくすすいで室内で陰干しし、十分に乾かします。直射日光はフィルターの劣化や破れにつながる場合があります。乾燥後は機種の手順に沿って元に戻し、フィルターを外したまま運転しないでください。内部にホコリが入り、故障の原因になります。
自動掃除機能があっても、汚れの確認は必要です。日立は、自動フィルター掃除搭載機種でも、数シーズン使うと汚れが取れなくなることがあると説明しています。非搭載機種は、フィルターサインがあればその表示時、サインがなければ2週間に1回程度がお手入れの目安。機能の有無で扱いが異なります。
なお、日立のフィルター掃除機能搭載機種では、お手入れ後に電源を入れると掃除運転が始まり、クリーンランプが点灯します。その場合はランプが消えるまで待ちます。掃除後すぐに暖房へ戻らないときも、まずこの動作を確認してください。
室外機の周りの物や積雪を確認する


室外機の周囲がふさがれていると、熱交換が正常にできなくなり、暖房能力が低下します。ゴミ袋や掃除道具などが空気の通り道をふさいでいないか確認しましょう。前面だけを見るのではなく、吸い込み側も含めて周辺の物を片付けることが大切です。
暖房中の室外機は、屋外の空気から熱を取り込み、冷たい空気を吹き出しています。吸い込み口がふさがると十分な空気を取り込めず、吹き出し口がふさがると、出した冷たい空気を再び吸い込んでしまう場合があります。ダイキンは、こうした状態が暖房停止や電気代の上昇につながることもあると説明しています。
積雪で吸い込み口や吹き出し口がふさがっている場合は、周囲の雪を取り除く必要があります。ダイキンの大雪時の対処案内では、エアコン専用ブレーカーをオフにしてから除雪し、終わったらオンに戻してリモコンで再運転する手順です。室外機の上の雪も、落下して空気の通り道をふさぐ可能性があります。
同案内では、雪を除く際に吹き出し口・吸い込み口の前を30cm空けるよう示しています。一般的に前面が吹き出し口、側面と背面が吸い込み口です。ただし、これは除雪時の案内としての寸法。設置に必要な空間は、使っている機種の条件を確認してください。
室外機の内部に雪や氷が入り、ファンが回らなくなっている場合は、周りの雪を除くだけの対処とは異なります。ダイキンは、運転を停止し、日中に気温が上がって内部の雪や氷が自然解凍されるのを待つよう案内しています。
凍りついた室外機へ熱湯や水を大量にかけると、底にたまった水が凍って膨張し、ファンや内部部品を損傷させる恐れがあります。
毎冬、風や雪の影響を受ける場所なら、設置条件について相談する方法もあります。日立は風雪ガードや防雪フードを案内していますが、取り付け可能な部品はエアコンの型式によって異なります。適合する部品を相談窓口で確認し、除雪などの対処後も正常に運転しない、異音がする場合はメーカーへ問い合わせてください。
本体のリセットはメーカーの案内に沿って行う
ダイキンは、暖まらないときの対処として、フィルターのお手入れや室外機周辺の障害物除去とともに、本体のリセットを案内しています。次の手順は、同社のルームエアコン公式FAQにある方法です。別メーカーの機種に、そのまま共通の手順として当てはめないでください。
- エアコンの運転を停止する
- 電源プラグを抜くか、エアコン専用のブレーカーをオフにして約1分待つ
- 電源プラグを挿し直すか、専用ブレーカーをオンにする
- エアコンをもう一度運転する
ブレーカーで操作する場合は、エアコン専用のものを使います。メインブレーカーを切ると、家全体の電源が切れてしまいます。専用ブレーカーの場所が分からないときは、設置業者・工務店・電気店・管理会社などに確認するよう、ダイキンは案内しています。
リセット後も、温風を出す準備のためにすぐには風が出ないことがあります。しばらく待って暖かい風が出れば、そのまま使用できます。一度改善しても時間がたつとまた暖まらなくなる、運転ランプが点滅して運転しない、といった場合は、不具合の可能性があります。
なお、焦げ臭いにおいがある場合は、リセットして再運転する手順へ進めません。ダイキンの案内に沿って電源を切り、点検・修理を依頼してください。
改善しないとき・異常表示が続くときは点検修理へ


設定、フィルター、空気の通り道を見直しても改善しない場合は、販売店やメーカーへ点検・修理を依頼する段階です。日立は、セルフ故障診断に対応する機種では、修理依頼前に診断を行い、その結果を伝えることを推奨しています。診断への対応を確認し、表示された結果を相談時に伝えましょう。
ランプの点滅は、どのランプかが判断の分かれ目です。日立では、運転ランプが点灯と減光を繰り返す場合は予熱や霜取りの表示ですが、タイマー・みはり・除湿ランプのいずれかが点滅している場合は、点検・修理が必要な状態として案内しています。単に「点滅している」と伝えるより、ランプ名と状態を伝えてください。
日立の暖房時のランプ点滅FAQでは、25分以上たっても運転ランプの点滅が止まらない、または予熱・霜とりランプの点灯が消えない場合は、正常に動作していない可能性があるとして点検相談を案内しています。この25分は日立の案内にある条件で、すべてのエアコン共通の故障判定ではありません。
また日立は、予熱終了後に「暖房32℃・風速自動」にしても暖風が出ず、室外機のファンが回らない場合を、点検・修理が必要な症状に挙げています。これは症状を確認するための設定条件です。日常の暖房温度として32℃を勧めるものではなく、この確認でも温風が出ない場合は点検相談へ進みます。
寒波のときは、機種の使用可能な外気温範囲も関係します。日立は、使用可能な範囲を超えると、製品保護のため運転しない場合があると説明しています。その範囲は製品ごとに異なるため、説明書で確認が必要です。
設定を直しても温風が戻らないときは、停止したタイミング、経過時間、ランプや診断結果、積雪の有無を伝え、機種に合う点検を相談しましょう。
エアコンの暖房で暖かい風が出ないときの確認と対処まとめ
この記事のまとめです。
- 暖房開始直後は予熱で風が出ないことがあり、日立の案内は2~3分間。時間と表示は使っている機種で確認する
- 途中で温風が止まる場合は霜取りの可能性。所要時間はメーカーの案内に差があり、一律の時間で故障と判断しない
- 運転モードを暖房にし、設定温度と風量を見直す。設定温度に達したことによる停止なら、温度を上げて温風が出るか試す
- 省エネ機能や電流制限で暖まりにくい場合もある。霜取りが多い・長い場合は、ダイキンでは設定温度を1~2℃下げて試す案内
- 温風は出るのに足元が寒い場合は、風向きを自動か下向きにし、家具などによる空気の流れの妨げを見直す
- フィルターのホコリは風量低下の原因。機種の手順に沿って運転を停止し、電源プラグを抜くかブレーカーを切ってからお手入れする。中性洗剤で洗った場合は、よくすすいで室内で陰干しして十分に乾かす。お手入れ後はフィルターを正しく戻す。
- 自動フィルター掃除搭載機種も汚れの確認が必要。お手入れの目安や電源投入後の掃除動作は機種の条件に従う
- 室外機の周りの物や雪で吸い込み口・吹き出し口をふさがない。室外機内部に雪や氷が入りファンが回らない場合は、運転を停止した状態で日中の気温が上がり自然解凍されるのを待つ。凍りついた室外機に熱湯や水を大量にかけない。
- リセットはメーカーの手順で実施し、ブレーカーは専用のものを使う。焦げ臭い場合は再運転せず、運転を停止して電源プラグを抜くかブレーカーを切り、購入した販売店またはメーカーに点検・修理を依頼する。
- 改善しない場合や異常表示が続く場合は点検修理へ。ランプ名・経過時間・対応機種のセルフ故障診断結果を伝える
参考にした情報
- 暖まらない、暖かい風がでない(ルームエアコン) – よくあるご質問
- エアコンの暖房運転で、暖かい風が出ないときは – エアコン – Panasonic
- 暖房運転しても、部屋が暖まりません。:日立の家電品
- 冬の暖房時、エアコンが勝手に止まる原因は? 霜取り運転について解説 | エアコン | Panasonic
- エアフィルターのお手入れ方法を知りたいです。:日立の家電品
- 大雪の困りごとと解決法 | 空気の困りごとラボ | ダイキン工業株式会社
- 大雪、積雪、寒波のときの症状(ルームエアコン) – よくあるご質問
- 暖房運転時、運転ランプが点滅します。:日立の家電品
- こげ臭いにおいがする(ルームエアコン) – よくあるご質問









