30アンペアでも、エアコン2台を使える場合はあります。ただし、2台という台数だけでは判断できません。エアコンの機種・運転状態に加え、冷蔵庫や電子レンジなどを同時に使ったときの合計がポイントです。
東京電力の目安では、インバータエアコン(冷房時おもに10畳用平均)は冷房5.8A・暖房6.6Aで、これらを2台分足すと30A未満です。一方、暖房の立ち上がり時などの目安20Aを2台分足すと40Aになります。これらは想定値なので、実際のアンペア数は各機器の取扱説明書などで確認してください。
僕なら、まず「2台のエアコンと何を一緒に使うか」を書き出し、30Aを維持できるか考えます。この記事では、東京電力の想定値で冷暖房の違いを計算し、使い方の見直しと契約変更を比較します。料金・手続きは東京電力エナジーパートナーの案内を例にしているため、他社の契約へそのまま当てはめないでください。
- 30アンペアでエアコン2台を使う条件
- 冷暖房・立ち上がり・他の家電を含めた試算
- ブレーカーの不具合と容量不足の切り分け
- 契約増量の基本料金と賃貸での変更手続き
30アンペアでエアコン2台を使える条件と計算の目安
2台の台数より、家全体で同時に使う合計が大切

契約アンペアは、同時に使える電気の量を表します。東京電力は、1年のうち最も電気を使う場面を想定して選ぶよう案内しています。夏の冷房だけでなく、複数の暖房機器を使う冬や、調理とほかの家電の使用が重なる夕食時も対象です。
例えば、東京電力の目安表にある冷房5.8Aのエアコンを2台使うと仮定すると、合計は11.6A。この条件だけなら30Aを下回ります。一方、冷房の立ち上がり時などの目安は1台14Aなので、2台分では28Aです。同じ「エアコン2台」でも、計算上の余裕は大きく変わります。
この数値は、東京電力が「冷房時おもに10畳用平均」として掲載しているインバータエアコンの想定値です。自宅の2台がいつもこの値で動くという意味ではありません。実際のワット数・アンペア数は取扱説明書などで確かめ、2台それぞれの値に置き換える必要があります。
冷房と暖房では、立ち上がり時の負担も違う
「夏は2台使えたから冬も大丈夫」とは限りません。東京電力の目安では、暖房は冷房より大きい値が示されています。次の表は、同じ目安値のエアコンを2台使うと仮定した計算です。ほかの家電は含めていません。
| 運転の条件 | 1台の目安 | 2台分の試算 | 30Aとの比較 |
|---|---|---|---|
| 冷房 | 5.8A | 11.6A | 数値上は下回る |
| 冷房の立ち上がり時など | 14A | 28A | 他の家電に使える余裕が小さい |
| 暖房 | 6.6A | 13.2A | 数値上は下回る |
| 暖房の立ち上がり時など | 20A | 40A | 2台分だけで上回る |
※東京電力の「冷房時おもに10畳用平均」の想定値を使用。実際の機器の最大電流や動作を保証する表ではありません。
暖房2台の立ち上がり時をこの目安で見積もると、30Aでは足りない計算になります。また、40Aへ変更しても、この条件ではエアコンだけで40Aに達します。「2台なら40Aにすれば解決」と一律に決めず、ほかの家電も含めて考える理由がここにあります。
日立も、エアコンが必要とするアンペア容量は運転内容によって変動すると説明しています。最大値が常に続くわけではありませんが、契約を選ぶときに小さい値だけを見ると、負担が増えた場面を見落とします。普段の運転と、大きな電流が必要な場面の両方を見ることが大切です。
電子レンジやドライヤーを足すと30Aに近づく

エアコン2台だけの計算で終えず、同じ時間帯に使う家電を加えましょう。東京電力の想定値には、冷蔵庫450Lクラスが2.5A、電子レンジ30Lクラスが15A、ヘアードライヤーが12Aとあります。短時間使う家電でも、同時使用の合計には入ります。
| 同時に使う組み合わせの仮定 | 合計の試算 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 冷房2台+冷蔵庫 | 14.1A | この組み合わせだけなら30A未満 |
| 冷房2台+冷蔵庫+電子レンジ | 29.1A | 照明などを加える前から30Aに近い |
| 冷房2台+冷蔵庫+ドライヤー | 26.1A | ほかの同時使用分も加算する |
| 冷房2台がともに立ち上がり時など+冷蔵庫 | 30.5A | この想定では30Aを上回る |
※冷房は1台5.8A、立ち上がり時などは1台14Aとして計算。いずれも東京電力の想定値による例です。
29.1Aという試算を見て「30A以内だから安心」とは判断できません。この行に入れたのはエアコン・冷蔵庫・電子レンジだけで、照明やテレビなどは含めていないためです。さらに、エアコンの運転状態が変われば合計も変わります。表は、自宅で重なりやすい家電を見つけるための例として使ってください。
書き出すのが難しければ、東京電力のわが家のアンペアチェックが使えます。最も電気を使うときの家電の容量と台数を選び、一覧にない機器は追加器具として合計容量を入力する仕組みです。表示された目安のまま進めず、分かるものは自宅の機器の容量を選びましょう。
実機の容量を確認する方法と200Vエアコンの注意点
最初に、現在の契約が本当に30Aかを確かめます。契約用ブレーカーの表示や「電気ご使用量のお知らせ」などで確認できますが、スマートメーターを使っている場合は、ブレーカーから契約アンペアを確認できないことがあります。その場合は、契約先の電力会社へ問い合わせる方法があります。
次に、2台それぞれの取扱説明書などで消費電力・電流を確認します。東京電力が示す簡易的な目安は、100Vの場合、100Wで約1A、1,000Wで約10Aです。これは概算のための考え方。日立の案内では、必要な容量は運転内容で変わり、運転電流の最大値で表示するとされています。
200V機器が含まれる場合は、ここで挙げた100Vの換算例だけでは判断を完結できません。パナソニックも、エアコンなどには200V用の配線を使う機器があると説明しています。200V機の電流表示を契約アンペアへどう換算するかは、契約・設備を含めた確認が必要です。
2台の型番と仕様を用意し、契約先に必要な容量を相談してください。この記事では200V機について、単純な足し算で「30Aに収まる」とする判定は行いません。
30アンペアでエアコン2台が厳しいときの対策と契約変更
ブレーカーが落ちたら、容量不足と不具合を分けて考える
ブレーカーが落ちる原因は、電気の使いすぎだけではありません。パナソニックの説明では、契約電流を超えたときに電気を止めるアンペアブレーカー、各回路の容量超過でその回路を止める分岐ブレーカー、漏電を検知する漏電ブレーカーは役割が異なります。
契約を増やす話と、回路・機器の点検が必要な話を混同しないことが大切です。
日立は、契約アンペアを超えてメインブレーカーが落ちる場合の対策として、同時に使う電化製品を減らすことや、契約アンペアを増やすことなどを挙げています。一方、設置直後から症状が出る場合は、本体の設置や接続について、購入した販売店または設置業者へ問い合わせるよう案内しています。
専用ブレーカーの遮断や、故障・漏電が疑われる症状は点検の対象です。ダイキンは、エアコン専用ブレーカーが落ちた場合、入れ直さずOFFのまま販売店または同社へ相談するよう案内しています。
日立も、電源プラグを差し込むだけで落ちる場合や、ほかの電化製品を使っていなくてもたびたび落ちる場合は、使用を中止して販売店または修理窓口へ点検を相談するよう案内しています。
30Aを維持するか40A以上へ変えるかの判断基準


契約容量の不足が問題なら、まず検討できるのは同時使用を減らす方法です。例えば、エアコン2台を使う時間に電子レンジやドライヤーまで重ねているなら、これらを使う時間を分ける考え方があります。ただし、使い方を変えた後も、2台のエアコンと必要な家電の合計を見積もる必要があります。
反対に、別々の部屋で2台を使いながら調理もするなど、必要な同時使用を減らしにくいなら、契約増量を検討する場面です。判断基準は人数や台数だけでなく、1年で最も多く使うときの合計。40Aにするか、さらに大きい容量が必要かも、その合計をもとに決めます。
機種によっては、最大電流を制限する設定も選択肢です。日立は一部機種の「セーブ設定(アンペア切り換え)」を案内しています。ただし、最大能力が低下し、暖まるまでに時間がかかったり、外気温が低いと設定温度に届かなかったりする場合があります。電流がもともと低いときは制限されません。
30Aから40Aへ変える基本料金の差は月311.75円の例
東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bでは、30Aから40Aへ変更すると、通常の月額基本料金は311.75円増える計算です。以下は2026年9月21日に公式料金表で確認した税込額。他社・他プラン共通の料金ではありません。
| 契約アンペア | 月額基本料金・税込 | 30Aからの月額差 |
|---|---|---|
| 30A | 935.25円 | ― |
| 40A | 1,247.00円 | +311.75円 |
| 50A | 1,558.75円 | +623.50円 |
| 60A | 1,870.50円 | +935.25円 |
※東京電力エナジーパートナー「従量電灯B」。まったく電気を使わない場合の基本料金は半額。変更月は基本料金を日割りで精算する案内があります。
40Aと30Aの差を12か月分にすると3,741円です。これは、掲載単価が変わらず、毎月電気を使用し、日割りがない場合の基本料金だけの差額。エアコン2台の運転にかかる料金まで含めた金額ではありません。
同じ従量電灯Bの中で契約アンペアを変えても、使用量に応じた電力量料金の単価は変わりません。ただし、実際の電気料金には使用量、燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金も関わります。家計では、基本料金の差と、必要な家電を同時に使えるかを比較したいところです。
賃貸の承諾・変更費用・申込方法を確認する


賃貸のアパートやマンションでは、申込み前に所有者・管理側への確認を進めましょう。東京電力は、集合住宅でアンペアを変更する際、所有者や管理人の承諾が必要な場合があると案内しています。自分の希望容量に変えられるかは、契約内容や電気設備の状況も関係します。
東京電力の案内では、変更前後が10~60Aの範囲なら、希望容量へのアンペア変更は無料です。ただし、契約内容や設備状況によって電気工事店の工事が必要となる場合、その工事費は利用者負担。「30Aから40Aなら、関連する工事もすべて無料」とは限りません。
現在アンペアブレーカーがある場合は、取り外し工事を行い、変更後はスマートメーターで契約アンペアを設定する案内です。この工事では10~15分程度停電します。すでにスマートメーターで設定している場合はアンペアブレーカーを取り付けません。
公式FAQでは、スマートメーター設置済みなら原則立ち会い不要としつつ、設備状況による例外も示しています。
現在契約中の方は、東京電力のアンペア変更FAQから契約内容変更手続きへ進めます。Webでは24時間手続きができますが、宅内設備によって利用できない場合はカスタマーセンターへの電話案内があります。Webで受け付けられないことと、変更自体ができないことは別です。
引越し先で新たに契約する場合は申込方法が異なります。東京電力のFAQでは、Webの使用開始申込みと同時にはアンペア変更を申し込めず、使用開始日以降に別途手続きするとしています。一方、電話なら使用開始と同時の変更申込みが可能です。ただし、希望日までに変更できない可能性があります。
最後に、夏だけ増やして秋に戻す前提では選ばないこと。東京電力は年間契約を基本として季節的な変更を受け付けないと案内し、FAQには契約開始後1年間は変更できない旨の記載もあります。引越し時の変更申込みについては上記の別案内があるため、契約開始直後などは自身の状況を伝えて相談しましょう。
必要な容量は、夏も冬も含めた同時使用から決めるのが基本です。
30アンペアでエアコン2台を使うための判断まとめ
この記事のまとめです。
- 30Aで2台使える場合はあるが、機種・運転状態と家全体の同時使用で判断する
- 東京電力の想定値では冷房2台は11.6A、立ち上がり時などは28A。実機の保証値ではない
- 同じ目安で暖房2台の立ち上がり時などを計算すると40Aになり、30Aを上回る
- 冷房2台・冷蔵庫・電子レンジの例は29.1Aで、照明などを含める前から30Aに近い
- 100Vの簡易換算だけで200V機の契約容量を判断せず、型番・仕様を用意して契約先へ相談する
- 専用ブレーカーの遮断や故障・漏電が疑われる症状は、契約増量だけで済ませず点検を相談する
- 容量不足なら同時使用の削減か契約増量を検討し、40A以上の選択も年間の最大使用場面を基準にする
- 日立の一部機種には最大電流を制限する設定があるが、最大能力の低下などに注意する
- 東京電力の従量電灯Bでは30Aから40Aの通常月の基本料金差は税込311.75円
- 東京電力の10~60A内の変更は無料の案内だが、設備に応じた電気工事店の工事は利用者負担
- 集合住宅では承諾が必要な場合があり、引越し時はWebと電話で変更申込みのタイミングが異なる
- 東京電力は季節的なアンペア変更を受け付けないため、夏と冬を通じた必要容量で選ぶ









