オール電化で割安になる深夜・夜間の時間は、全国一律ではありません。現在案内されているプランだけでも、開始時刻は21時・22時・23時などに分かれます。旧来の機器専用「深夜電力」には、23時~翌7時のほか、1時~6時という契約もあります。
だから最初に見るべきなのは、電力会社名だけでなく、契約中の正確な料金プラン名です。この記事では、九州電力と中部電力ミライズの時間帯を比較したうえで、旧来の深夜電力との違い、契約内容の調べ方、エコキュートへ生かすときの注意点まで整理します。
電気代を1円でも下げたい僕としても、夜間単価だけに飛びつかず、昼間単価や使用量を含めて判断するのが大切だと考えています。
- オール電化の深夜電力が何時から安くなるか
- 料金プラン別の夜間時間帯の違い
- 契約内容とエコキュート設定の確認方法
- 昼間単価や使用量を含めた比較の要点
オール電化の深夜電力は何時から?電力会社・料金プラン別の時間帯
結論:深夜電力の開始時刻は21時・22時・23時・1時などプランごとに違う

「深夜電力は何時から?」への答えは、契約によって異なる、です。九州電力の「電化でナイト・セレクト」と中部電力ミライズの「スマートライフプラン」では、21時~翌7時、22時~翌8時、23時~翌9時という3種類の夜間時間帯が案内されています。
一方、旧来の機器専用契約を見ると、東北電力の深夜電力A・Bは23時~翌7時、深夜電力Cは1時~6時です。中国電力では深夜電力Aが23時~翌7時、深夜電力Bが23時~翌8時、第2深夜電力が1時~6時。中部電力ミライズの低圧深夜電力は23時~翌7時、第2深夜電力は1時~6時とされています。
| 契約・プランの例 | 割安時間または通電時間 |
|---|---|
| 九州電力 電化でナイト・セレクト | 21時~翌7時/22時~翌8時/23時~翌9時 |
| 中部電力ミライズ スマートライフプラン | 21時~翌7時/22時~翌8時/23時~翌9時 |
| 東北電力 深夜電力A・B | 23時~翌7時 |
| 東北電力 深夜電力C | 1時~6時 |
| 中国電力 深夜電力A | 23時~翌7時 |
| 中国電力 深夜電力B | 23時~翌8時 |
| 中国電力 第2深夜電力 | 1時~6時 |
| 中部電力ミライズ 低圧深夜電力 | 23時~翌7時 |
| 中部電力ミライズ 第2深夜電力 | 1時~6時 |
同じ電力会社でも、末尾のA・B・Cや「第2」といった契約名の違いで時間が変わります。また、時間帯別プランの「割安な時間」と、専用機器へ電気を送る深夜契約の「通電時間」は意味も異なります。開始時刻だけを検索して機器を設定するのではなく、終了時刻と契約方式までセットで確かめましょう。
現行例を比較|九州電力と中部電力のオール電化向け夜間時間帯
九州電力の電化でナイト・セレクトは、夜間時間帯を3パターンから選ぶ料金プランです。21時開始の「セレクト21」は就寝が遅いなど夜型の家庭向け、22時開始の「セレクト22」は標準的な区分、23時開始の「セレクト23」は朝に家事をするなど朝型の家庭向けと案内されています。
中部電力ミライズのスマートライフプランにも3区分があります。標準プランは22時~翌8時、「朝とく」は23時~翌9時、「夜とく」は21時~翌7時です。日中の外出が多い家庭や、エコキュートなどの夜間蓄熱機器を使う人に勧められています。
| 生活時間の目安 | 九州電力 | 中部電力ミライズ | 夜間時間帯 |
|---|---|---|---|
| 夜の利用を早めに始めたい | 電化でナイト・セレクト21 | スマートライフプラン(夜とく) | 21時~翌7時 |
| 標準的な区分を選びたい | 電化でナイト・セレクト22 | スマートライフプラン | 22時~翌8時 |
| 朝の家事時間を含めたい | 電化でナイト・セレクト23 | スマートライフプラン(朝とく) | 23時~翌9時 |
選ぶときは、開始が早いほど有利、終了が遅いほど有利、と単純には決められません。21時開始なら就寝前に使う電気を夜間へ寄せやすい反面、割安区分は朝7時に終わります。23時開始は夜の家事には遅いものの、朝9時まで含められます。
家族が在宅する時間、洗濯や食器洗いを行う時間、エコキュートの運転時間を重ねてみると、生活に合う区分が見えやすくなります。なお、両社の区分時刻が同じでも、料金単価や基本料金など契約全体の条件まで同一という意味ではありません。
旧来の「深夜電力」とオール電化向け時間帯別プランは仕組みが違う

名前が似ていますが、旧来の「深夜電力」と、オール電化向けの時間帯別プランは分けて考える必要があります。旧来の深夜電力は、電気温水器などの対象機器について、決められた夜間だけ電気を使う別口の契約として設けられてきました。
中国電力の深夜電力Aは、23時~翌7時に温水のため動力を使い、総入力が0.5kW以下の場合に適用されます。深夜電力Bや第2深夜電力にも、それぞれ所定の時間と適用条件があります。
これに対して時間帯別プランは、家庭の電気使用量を昼間・夜間などに分け、1つの契約内で時間帯ごとに料金を計算する仕組みです。中国電力の旧「時間帯別電灯」も、昼間と夜間の2区分で計算し、夜間を割安にする料金メニューでした。
九州電力の電化でナイト・セレクトや中部電力ミライズのスマートライフプランも、家庭で使う電気の料金単価を時間帯で分けています。
| 比較点 | 旧来の深夜電力 | 時間帯別プラン |
|---|---|---|
| 契約の考え方 | 通常の電気契約とは別口になる方式 | 1契約内で時間帯ごとに単価が変わる方式 |
| 割安料金の対象 | 契約した回線の温水器・蓄熱機器など | 夜間時間帯に家庭で使う電気 |
| 時間の意味 | 対象機器へ通電する時間 | 家庭の電気に夜間単価が適用される時間 |
| 確認すべき点 | 対象機器、契約名、通電時間、受付状況 | 各時間帯、単価、基本料金、季節・休日区分 |
検針票などに「深夜電力」と書かれているのか、「スマートライフプラン」のような時間帯別プラン名が書かれているのかで、意味は大きく変わります。「夜に安い契約」という共通点だけでひとまとめにせず、どの電気が割安になる契約なのかを確認するのが第一歩です。
深夜・早朝の電気料金が安く設定される理由
深夜電力が生まれた背景には、日中と夜間の電力需要の差があります。電気の使用量が少ない夜間へ消費を移すことで、日中の需要を分散し、1日を通した設備の利用を平準化する考え方です。夜間に熱やお湯をためられる機器は、この仕組みと組み合わせやすい存在でした。
ただし、すべての契約で夜間が安いわけではありません。あくまで、夜間を割安区分として設定したプランや、所定時間だけ通電する深夜契約に当てはまる話です。単価が一律の契約なら、同じ家電を深夜へ移しただけで時間帯単価が下がるわけではありません。
近年は、夜間需要の増加、太陽光発電による昼間の供給増加、電気料金プランの多様化などを背景に、昼夜の需給構造が変化したと説明されています。旧来の深夜電力の新規受付が縮小する一方、家全体の料金を時間帯で分けるプランが案内されるようになりました。
つまり、「深夜なら昔と同じように格安」と思い込むのは禁物です。現在の契約単価と時間帯を見て、家庭の使用実態に合うかを判断する必要があります。
オール電化の深夜電力を確認し、エコキュートへ生かす方法
検針票や契約情報で電力会社・プラン名・時間帯を確認する
自宅で安くなる時間を調べるなら、まず検針票や契約情報から、電力会社と料金プランの正式な名称を特定します。似た名称や旧プランがあるため、「オール電化契約のはず」といった記憶だけで判断しないことが大切です。
プランが分かったら、その電力会社が示す料金表で開始・終了時刻を確認します。続いて、夜間以外の時間帯、平日・休日、季節による区分も見ます。九州電力の電化でナイト・セレクトでは、昼間料金が平日と休日、春秋と夏冬で分かれています。
- 検針票や契約情報で、電力会社と正確なプラン名を特定する
- 料金表で夜間区分の開始時刻と終了時刻を確認する
- 昼間・休日・季節など、ほかの時間帯区分と単価を確認する
- 基本料金、燃料費調整、割引など電力量料金以外の条件を見る
- 時間帯別の使用量と照らし、現在の生活に合っているか判断する
夜間単価だけでなく、基本料金や燃料費調整の扱いも比較対象です。九州電力は、電化でナイト・セレクトには燃料費調整の上限がなく、燃料価格が高騰した場合には、上限のある従量電灯B・Cより燃料費調整額が高くなる可能性を示しています。
さらに、時間帯別の使用量も重要です。「夜間に使っているつもり」でも、実際には朝夕や日中の消費が多い場合があります。料金表と使用量を一緒に見ることで、開始時刻だけでは分からない家計への影響を捉えやすくなります。
エコキュートは割安時間内に沸き上げが終わる設定を確認する

エコキュートは、時間をかけて沸かしたお湯を貯湯タンクへため、必要なときに使う仕組みです。そのため、夜間単価が割安なプランでは、安い時間帯に翌日分のお湯を用意する使い方と相性があります。
沸き上げ時間の一般例として、23時頃から翌朝5時頃までが挙げられています。ただし、これはすべての機種に共通する固定時刻ではありません。契約の夜間区分や機器の設定によって確認すべき時間は変わるため、自宅の料金プランと個別機種の取扱説明書を照らし合わせましょう。
確認のポイントは、安い時間帯が始まってから沸き上げが動き、区分が終わるまでに必要な湯量を確保できるかです。たとえば夜間区分が21時~翌7時の契約と、23時~翌9時の契約では、同じ時刻設定が生活や料金区分に合うとは限りません。
日中にお湯が足りなくなると、自動で沸き増しする機種もあります。昼間単価が高いプランでは、その沸き増しによって料金が増える可能性があります。一方で、昼間の沸き増しを避けることだけを優先して湯量が不足しては、生活上不便です。
普段の使用量に加え、冬場などお湯を多く使う日も考え、説明書に沿って沸き上げ量や運転設定を確認してください。
エコキュートの設定項目や名称は機種によって異なります。契約プランの夜間時間帯を確認したうえで、個別機種の取扱説明書に従って設定してください。
深夜電力の新規受付終了と、現在選べるプランの見分け方
旧来の深夜電力には、新規加入を受け付けていない契約があります。東北電力では深夜電力A・Bの新規受付を2016年3月31日、深夜電力Cを2014年3月31日に終了しました。終了日までに加入していた契約者については、その後も契約を継続できると案内されています。
中国電力の深夜電力・第2深夜電力も新規受付を行っていません。既存契約者は継続できますが、転居などで契約を廃止した場合や、ほかの料金メニューへ変更した場合は再加入できないとされています。現在契約中なら、変更後に戻せると思い込まず、切り替え前に条件を確認したいところです。
中部電力ミライズでは、低圧深夜電力と「わくわくホット」の新規受付を2016年3月31日、第2深夜電力を2015年3月31日に終了しています。既存契約者は引き続き利用できると案内されています。
一方、旧来の深夜契約が受付終了でも、現在案内されている別の時間帯別プランまで選べないという意味ではありません。中部電力ミライズではスマートライフプラン、九州電力では電化でナイト・セレクトが案内されています。「深夜電力を新規契約できるか」と「夜間が割安な時間帯別プランを選べるか」は分けて調べましょう。
夜間が安くても得とは限らない|昼間単価と使用量まで比較する


夜間単価が昼間より安くても、月額全体が必ず下がるとは限りません。
中部電力ミライズのスマートライフプランでは、標準区分の料金としてナイトタイム16.52円/kWh、デイタイム38.80円/kWh、@ホームタイム28.61円/kWhが示され、使用状況によってはほかの料金メニューより高くなる場合があると注意されています。
日中の在宅時間が長い家庭や、調理・冷暖房などの使用を昼間から動かしにくい家庭では、安い夜間単価より昼間の使用量の影響が大きくなる可能性があります。反対に、夜間蓄熱機器を使い、夜間へ無理なく負荷を移せる家庭なら、時間帯別料金を生かしやすくなります。
四国電力の時間帯別eプランは、新規受付を2025年3月31日に終了し、既存契約者は継続利用できます。夜間区分は23時~翌7時です。
2026年4月の検針日以降の使用分から料金を見直し、2026年5月分以降の燃料費調整反映前単価は、夜間が27.74円/kWh、昼間が使用量区分に応じて32.05円、39.33円、40.99円/kWhとなっています。
この例からも、過去の「深夜は安い」という印象ではなく、現在適用される単価を見る必要が分かります。同プランは燃料費調整の上限を廃止しており、燃料価格が高騰した際には、従量電灯A・Bなどの規制料金プランのほうが割安になる場合があると案内しています。
- 夜間だけでなく、朝夕・昼間の単価と使用量を比べる
- 基本料金と契約容量の決まり方を確認する
- 燃料費調整の上限の有無や毎月の調整額を見る
- 平日・休日、春秋・夏冬などの区分を確認する
- 洗濯や食器洗いを移すなら、契約プランの割安な時間帯を確認して行う
最終的には、現在の請求額と時間帯別使用量を基準に候補プランを試算するのが現実的です。夜間の開始時刻を知ることは入口ですが、家計への答えは「何時から安いか」だけでは決まりません。
まず正確なプラン名と夜間の開始・終了時刻を確認し、次にエコキュートの沸き上げがその範囲に合っているかを見る。そのうえで、昼間単価、基本料金、燃料費調整、家庭の使用量まで比較してください。この順で整理すれば、夜間料金のメリットを生かせる契約かを判断しやすくなります。
オール電化の深夜電力は何時から?夜間時間帯と料金プランのまとめ
この記事のまとめです。
- オール電化で割安になる夜間時間帯は全国一律ではなく、開始時刻は21時・22時・23時など料金プランによって異なります。旧来の深夜電力には1時開始の契約もあります。
- 九州電力の電化でナイト・セレクトと中部電力ミライズのスマートライフプランには、21時~翌7時、22時~翌8時、23時~翌9時の区分があります。ただし、区分時刻が同じでも料金条件まで同一ではありません。
- 夜間時間帯は、開始が早いほど必ず有利とは限りません。就寝前や朝の家事、家族の在宅時間、エコキュートの運転時間に合う区分を選ぶことが大切です。
- 旧来の深夜電力は温水器などの対象機器へ所定時間だけ通電する別口契約で、時間帯別プランは家庭の電気を1契約内で時間帯別に計算する仕組みです。割安料金が適用される対象を区別して確認しましょう。
- 夜間料金は、需要の少ない時間へ電気使用を移し、設備利用を平準化する考え方から設けられてきました。ただし、単価が一律の契約では、家電を深夜に使うだけで料金単価が下がるわけではありません。
- 自宅の深夜電力が何時からかを調べるには、検針票や契約情報で電力会社と正式な料金プラン名を特定し、料金表で開始・終了時刻を確認します。昼間・休日・季節の区分も併せて見る必要があります。
- エコキュートは、契約の割安時間内に必要な湯量を確保できるかを確認します。設定項目や名称は機種ごとに異なるため、料金プランと個別機種の取扱説明書を照らし合わせてください。
- 日中の自動沸き増しは、昼間単価が高い料金プランでは料金増につながる可能性があります。一方で、湯切れを避けるため、普段の使用量や冬場などの増加も考慮して設定する必要があります。
- 東北・中国・中部の旧来の深夜電力には、新規受付を終了した契約があります。既存契約を変更・廃止すると再加入できない場合があるため、切り替え前の条件確認が重要です。
- 夜間単価が安くても、月額全体が必ず下がるとは限りません。現在の請求額と時間帯別使用量を基に、昼間単価、基本料金、燃料費調整、割引などを含めて候補プランを比較しましょう。








