除湿機が暑いのはなぜ?原因と対策、涼しく使うコツを解説

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「除湿機を使っているとなんだか部屋が暑い…」そんな経験はありませんか?梅雨や夏の湿気対策に活躍する除湿機ですが、運転中の室温上昇に悩む方も少なくないようです。

この記事では、除湿機が暑くなる主な原因をコンプレッサー式やデシカント式といったタイプ別に解説し、エアコンとの併用や扇風機の活用、効果的な置き場所など、暑さを軽減して快適に使うための具体的な対策をご紹介します。

季節に合わせた賢い選び方や、話題の冷風機能付き除湿機の注意点も深掘りしますので、ぜひ参考にしてください。

この記事のポイント
  • 除湿機が暑い原因は運転方式と排熱にある
  • エアコンや扇風機との併用で体感温度を下げられる
  • 除湿機の種類と置き方次第で暑さは軽減できる
  • 季節や目的に合った除湿機選びが重要
目次

除湿機が暑いのはなぜ?主な原因とタイプ別特徴

  • コンプレッサー式:夏向きだけど少し暑い?
  • デシカント式:冬は得意でも部屋が暑くなる理由
  • ハイブリッド式:一年中使えるけど暑さはどう?
  • ペルチェ式:コンパクトだけど暑さや効果は?
  • 【表で比較】除湿方式ごとの特徴と室温上昇の目安

コンプレッサー式:夏向きだけど少し暑い?

コンプレッサー式:夏向きだけど少し暑い?

コンプレッサー式の除湿機は、エアコンの除湿機能や冷蔵庫と同じ原理で動作します。室内の湿った空気を吸い込み、内部の冷却器で急激に冷やすことで水分を結露させ、湿気を取り除きます。

この方式は、水分を取り除いた後の乾燥した空気を排出する際に、運転時に発生した熱も一緒に放出するため、吹き出し口からは温かい風が出ます。しかし、デシカント式のようにヒーターを使わないため、室温の上昇は比較的穏やかで、一般的には2~6℃程度の上昇に留まります。

コンプレッサー式は気温が高い夏場に最も効率よく除湿能力を発揮し、消費電力が比較的少ない点が大きなメリットです。一方で、コンプレッサーを内蔵しているため、本体が大きく重くなりがちで、運転音が気になる場合があります。また、気温が低い冬場には除湿能力が低下するという弱点も持っています。

夏場の使用において多少の排熱は、高い除湿性能を発揮している証拠であり故障ではありません。扇風機などで空気を循環させれば、体感的な暑さは十分に和らげることができます。

デシカント式:冬は得意でも部屋が暑くなる理由

デシカント式:冬は得意でも部屋が暑くなる理由

デシカント式(またはゼオライト式)除湿機は、内部に組み込まれた「デシカント素子」という乾燥剤に空気中の水分を吸着させて除湿します。そして、水分を吸った素子をヒーターで加熱して乾燥させ、再生する仕組みです。このとき、水分は蒸気となって熱交換器で冷やされ、水滴となってタンクに溜まります。

デシカント式が部屋を暑くする主な原因は、この再生プロセスで使われるヒーターの熱です。ヒーターを使用するため、コンプレッサー式よりも室温が上がりやすく、特に気温が高い夏場に使うと、部屋の暑さがかなり気になることがあります。そのため、人がいない部屋での使用が推奨されることも少なくありません。

しかし、このヒーターのおかげで、気温が低い冬場でも除湿能力が落ちにくいという大きなメリットがあります。むしろ、冬は室温を少し上げてくれる効果が暖房の補助にもなり得ます。また、運転音が比較的静かで、本体が軽量・コンパクトなモデルが多いのも魅力です。ただし、ヒーターを使う分、消費電力はコンプレッサー式よりも大きくなる傾向があります。

ハイブリッド式:一年中使えるけど暑さはどう?

ハイブリッド式:一年中使えるけど暑さはどう?

ハイブリッド式除湿機は、夏に強く省エネな「コンプレッサー式」と、冬でもパワフルな「デシカント式」の両方の長所を組み合わせた高性能なタイプです。

気温が高い夏場は、消費電力が少なく室温上昇も穏やかなコンプレッサー方式で運転します。一方、気温が低くなる冬場には、除湿能力が落ちないデシカント方式に自動で切り替わります。このように、季節や室温に応じて最適な運転方法を自動で選択してくれるため、一年を通して効率的な除湿が可能です。

気になる室温上昇については、運転モードによって異なります。夏場のコンプレッサー運転時は比較的穏やかですが、冬場のデシカント運転時には、デシカント式特有のヒーターによる発熱があります。

つまり、ハイブリッド式だからといって全く熱くならないわけではありません。その最大の利点は、季節に応じて暑さや消費電力を自動で最適化してくれる賢さにあります。ただし、両方の機構を搭載しているため、本体価格が高価で、サイズも大きくなる傾向がある点は考慮が必要です。

ペルチェ式:コンパクトだけど暑さや効果は?

ペルチェ式:コンパクトだけど暑さや効果は?

ペルチェ式除湿機は、「ペルチェ素子」という特殊な半導体を用いて湿気を除去する方式です。この素子に電気を流すと、片面が冷却され、もう片面が熱を持つという性質を利用します。湿った空気を冷却された面に通過させて水分を結露させることで除湿します。

熱を持つ面があるため多少の排熱はありますが、コンプレッサー式やデシカント式に比べるとその発熱量は非常に少なく、部屋の温度を大きく変えるほどではありません。このタイプの最大のメリットは、コンプレッサーなどが必要ないため、本体を非常にコンパクトかつ軽量に設計できることです。また、運転音が極めて静かで、製品価格も手頃なものが多く、消費電力も小さい傾向にあります。

しかし、その手軽さと引き換えに、除湿能力は他の方式に比べて格段に低いです。そのため、クローゼットや押入れ、下駄箱、洗面所といったごく限られた狭い空間の湿気対策に用途が限定されます。リビングなどの広い部屋全体の湿度を下げる力は期待できません。もしペルチェ式で暑さを感じる場合、それは除湿機の排熱よりも、能力不足で部屋の湿度が高いままの不快感が原因かもしれません。

【表で比較】除湿方式ごとの特徴と室温上昇の目安

ここまで各除湿方式の特徴を見てきましたが、ここで改めて主な違いを表で整理してみましょう。ご自身の環境や目的に合った除湿機を選ぶ際の参考にしてください。特に「暑さ」という観点では、室温上昇の目安と得意な季節が重要なポイントになります。

除湿方式主な仕組み室温上昇の目安消費電力得意な季節メリットデメリット
コンプレッサー式空気を冷却し水分を結露させる小 (約2~6℃程度)低~中梅雨~夏除湿能力が高い(高温時)、電気代が比較的安い本体が重い、運転音大きめ、低温時に能力低下
デシカント式乾燥剤で水分を吸着しヒーターで再生中~大 (コンプレッサー式より高い)低温時も除湿能力が安定、軽量コンパクトな機種が多い電気代が高い、夏場は部屋がかなり暑くなる
ハイブリッド式コンプレッサー式とデシカント式を組み合わせ、季節に応じて切り替え運転モードによる (夏:小、冬:中~大)一年中年間を通して効率よく除湿、省エネ性に優れる場合も本体価格が高い、サイズが大きめ
ペルチェ式ペルチェ素子で冷却面を作り水分を結露極小 (ほぼ影響なし)極低特定用途のみ超小型・軽量・静音・安価除湿能力が非常に低い、広い部屋には不向き

この表からもわかるように、夏場に「暑さ」を最も感じにくいのはコンプレッサー式、またはハイブリッド式のコンプレッサー運転時と言えるでしょう。逆にデシカント式は冬には頼もしい反面、夏に使うと室温を大きく上げてしまう可能性があります。

除湿機が暑い時の解決策!涼しく使うための実践テクニック

  • エアコン併用で快適に!電気代と上手な設定方法
  • 扇風機やサーキュレーターで涼しさアップのコツ
  • 置き場所一つで大違い!除湿効果と涼しさを両立する配置
  • 【季節別】暑くなりにくい除湿機の賢い選び方
  • 冷風機能付き除湿機は本当に涼しい?購入前の注意点

エアコン併用で快適に!電気代と上手な設定方法

エアコン併用で快適に!電気代と上手な設定方法

除湿機の運転による室温上昇が気になる場合、最も効果的で快適な対策はエアコンとの併用です。エアコンで室温そのものを下げ、除湿機で湿度をピンポイントにコントロールすることで、相乗効果が生まれ、効率よく快適な室内環境を作り出せます。

特に梅雨時など、気温はさほど高くないものの湿度が高くて不快指数が高い日には、エアコンの冷房設定温度を28℃程度と少し高めにし、除湿機を併用するのがおすすめです。これにより、部屋が冷えすぎるのを防ぎつつ、ジメジメ感の原因である湿度をしっかりと下げることができます。

電気代の面では、一般的に除湿機の運転コストは、エアコンの「再熱除湿」モード(一度冷やした空気を暖め直して排出する方式)よりも安く済むことが多いです。ただし、エアコンの「弱冷房除湿」モードは省エネな場合が多く、機種によっては除湿機単体より電気代が安いこともあります。それぞれの特性を理解し、上手に使い分けるのが賢い選択です。

扇風機やサーキュレーターで涼しさアップのコツ

扇風機やサーキュレーターで涼しさアップのコツ

除湿機の排熱による暑さを和らげる手軽で効果的な方法が、扇風機やサーキュレーターの活用です。これらの機器を使って室内の空気を循環させると、人の周りに心地よい風の流れが生まれ、汗の蒸発が促進されることで体感温度が下がり、実際の室温よりも涼しく感じられます。

さらに、空気の循環は除湿機自体の効率アップにも大きく貢献します。部屋の隅や家具の裏などに溜まりがちな湿った空気を効率よく除湿機に送り込み、除湿機から出た乾いた空気を部屋全体に均一に拡散させることで、除湿ムラをなくし、運転時間を短縮する効果も期待できます。

特に洗濯物の部屋干しをする際には、除湿機とサーキュレーターの併用が絶大な効果を発揮します。洗濯物に直接風を当てることで乾燥時間を大幅に短縮でき、生乾きの嫌な臭いを防ぐことにも繋がります。暑さ対策と効率アップの一石二鳥のテクニックとして、ぜひ試してみてください。

置き場所一つで大違い!除湿効果と涼しさを両立する配置

置き場所一つで大違い!除湿効果と涼しさを両立する配置

除湿機の効果を最大限に引き出し、同時に暑さを感じにくくするためには、置き場所の工夫が非常に重要です。

部屋全体の除湿を効率的に行うためには、できるだけ部屋の中央に置くのが理想とされています。中央への設置が難しい場合でも、空気の通り道を確保するため、壁や家具からは少なくとも30cm程度離して設置しましょう。吸気口や排気口を塞いでしまうと、性能低下や故障の原因になります。また、湿気は空気より重く床付近に溜まりやすいため、除湿機は台の上などではなく床に直接置くのが基本です。

除湿機の排気口からは温かい風が出ることが多いので、ソファやデスクなど、人が長時間過ごす場所に直接風が当たらないように向きを調整することも大切です。扇風機などを併用してこの温風を部屋の上方や人のいない方向へ逃がし、空気を循環させると暑さを感じにくくなります。運転中は外部からの湿気の侵入を防ぐため、窓やドアは基本的に閉め切るようにしましょう。

【季節別】暑くなりにくい除湿機の賢い選び方

【季節別】暑くなりにくい除湿機の賢い選び方

除湿機から出る熱による暑さを根本的に解決したいのであれば、使用する季節や目的に合ったタイプを選ぶことが最も重要です。

梅雨時から夏にかけての気温が高い時期に主に使いたいのであれば、コンプレッサー式の除湿機が断然おすすめです。このタイプは高温環境で高い除湿能力を発揮し、ヒーターを使わないためデシカント式に比べて室温の上昇が少なく、暑さを感じにくいのが大きな特徴です。

逆に、冬場の結露対策や、気温の低い場所での部屋干しが主な目的なら、デシカント式が適しています。デシカント式はヒーターを使うため室温が上がりますが、冬場はその暖かさがむしろ暖房の補助としてメリットになることもあります。

春や秋など気温が変動しやすい季節を含め、一年を通して使いたい場合は、ハイブリッド式が最適です。夏はコンプレッサー方式で室温上昇を抑え、冬はデシカント方式でパワフルに除湿するというように、環境に応じて最適な運転を自動で選択してくれます。暑さが苦手な方は、夏場にデシカント式を選ぶのは避けた方が賢明です。

冷風機能付き除湿機は本当に涼しい?購入前の注意点

冷風機能付き除湿機は本当に涼しい?購入前の注意点

最近、冷たい風が出る「冷風機能」を搭載した除湿機が人気を集めていますが、購入前にはいくつか知っておくべき重要な注意点があります。

これらの製品の多くはコンプレッサー式の除湿機で、除湿された空気の一部を冷たい風として前方に送ることができます。お風呂上がりやキッチンでの調理中など、一時的に局所的に涼みたい場合には「スポットクーラー」のように使えて非常に便利です。

しかし、最も注意すべきは、これらの製品はエアコンのように部屋全体を冷やす能力は全くないという点です。冷たい風が前方から出る一方で、本体の背面や側面からは、機械の運転熱を含んだ「排熱」が放出されます。閉め切った部屋でこの排熱を処理せずに運転を続けると、放出される熱量のほうが大きいため、かえって室温全体が上昇してしまいます。

そのため、多くの機種では排熱を室外に逃がすためのダクトが付属しており、これを使って窓などから熱い空気を外に捨てる必要があります。購入前には、この排熱処理の手間や、ダクトを設置できる環境があるかを必ず確認しましょう。

総括:除湿機で暑い?

この記事のまとめです。

  • 除湿機が暑い主な原因は運転時の排熱である
  • コンプレッサー式は夏向きで比較的室温上昇は少ない
  • デシカント式はヒーターを使うため冬向きだが部屋が暑くなりやすい
  • ハイブリッド式は季節に応じて運転を切り替え暑さを調整する
  • ペルチェ式は小型だが除湿力は低く部屋全体には不向きだ
  • 室温上昇はコンプレッサー式で2~6℃、デシカント式はそれ以上が目安だ
  • エアコンとの併用は温度と湿度を快適に保つ効果的な対策だ
  • エアコンの設定温度を高めにし除湿機で湿度を下げると快適かつ省エネになる
  • 扇風機やサーキュレーターは体感温度を下げ排熱を分散させる
  • 除湿機の置き場所は壁から離し床に直接置くと効率が良い
  • 洗濯物乾燥時は衣類に風を当て湿気を効率よく除去する
  • 除湿運転中は窓を閉め切り外からの湿気侵入を防ぐことが基本だ
  • 冷風機能付き除湿機は排熱処理をしないと部屋が逆に暑くなることがある
  • 季節や部屋の広さ、目的に合った除湿方式を選ぶことが最も重要だ
  • 定期的なフィルター掃除やタンク清掃で性能を維持する
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