【2026年】新電力のメリット・デメリット完全ガイド|乗り換え前に知っておくべき注意点

当ページのリンクには広告が含まれています。

「電気料金を安くしたい」「新電力に乗り換えるとお得らしいけど、本当に大丈夫?」そんな疑問をお持ちではありませんか。2016年4月の電力自由化から約10年が経ち、多くの新電力会社が参入したことで、消費者の選択肢は大幅に広がりました。しかし、一方で撤退する新電力も相次いでおり、「電気難民」という言葉も生まれました。この記事では、東京電力エリアをベースに、新電力のメリット・デメリットを徹底解説し、乗り換え前に確認すべきポイントをわかりやすく紹介します。他エリアでは料金・サービスが異なる場合がありますのでご注意ください。

この記事のポイント
  • 新電力とは何か、電力自由化の仕組みを理解できる
  • 電気料金が安くなる可能性と具体的な節約のメカニズム
  • 撤退リスクや市場連動型プランなど知っておくべきデメリット
  • 失敗しない新電力の選び方と乗り換え手順
目次

新電力のメリット|電気代節約だけじゃない5つの魅力

  • 電気料金が安くなる可能性|大手より割安な料金設定の理由
  • ライフスタイルに合わせた多様な料金プラン
  • ガス・通信・ポイント還元などのセット割引
  • 環境に配慮した再エネプランを選べる

電気料金が安くなる可能性|大手より割安な料金設定の理由

新電力の最大のメリットは、電気料金が安くなる可能性があることです。多くの新電力会社は、従来の地域電力会社(旧一般電気事業者)と比較して割安な料金プランを提供しており、特に電気使用量が多い家庭ほど節約効果が大きくなる傾向があるとされています。

そもそも「新電力」とは、2016年4月に行われた「電力小売全面自由化」以降に電力市場に新規参入した小売電気事業者のことを指します。電力自由化以前は、東京電力や関西電力といった大手10電力会社からしか電気を購入することができませんでした。しかし、自由化によって一般家庭でも電力会社を自由に選べるようになったのです。

なぜ新電力は安い料金を提示できるのでしょうか。その理由の一つは、多くの新電力が自社の発電設備を持たず、日本卸電力取引所(JEPX)から電力を調達していることにあります。発電所の建設・維持にかかる莫大なコストを抑えられるため、その分を料金に反映できるとされています。また、大手電力会社のような全国展開ではなく特定エリアに集中したり、オンラインでの契約に特化したりすることで営業コストを削減している新電力も多いです。

例えば、東京電力エナジーパートナーの「従量電灯B」(2024年4月以降の料金)と比較すると、基本料金40A契約で月額1,247円、従量料金は第1段階(〜120kWh)が29.80円/kWh、第2段階(121〜300kWh)が36.40円/kWh、第3段階(301kWh〜)が40.49円/kWhとなっています。新電力の中には、この従量料金単価をより安く設定しているプランや、基本料金を0円としているプランも存在します。

ただし注意すべき点として、電気料金が安くなるかどうかは、各家庭の電気使用量やライフスタイルによって異なります。シミュレーションを行わずに「新電力は必ず安い」と思い込むのは危険です。特に電気使用量が少ない一人暮らし世帯などでは、期待したほどの節約効果が得られない場合もあるとされています。新電力を検討する際は、比較サイトなどで自分の使用状況に合ったシミュレーションを行うことをおすすめします。

ライフスタイルに合わせた多様な料金プラン

新電力の2つ目のメリットは、ライフスタイルに合わせた多様な料金プランを選べることです。電力自由化以前は、基本的に地域の電力会社が提供する限られたプランからしか選択できませんでしたが、現在では数百社を超える新電力会社が参入しており、それぞれが独自の料金プランを提供しています。

代表的な料金プランの種類としては、まず「固定単価プラン」があります。これは従来の電力会社のプランに近い形で、電力量料金の単価が固定されているため、毎月の料金が安定しやすいという特徴があります。電気使用量の多い家庭向けに、使用量が増えるほど単価が割安になるプランを提供している新電力もあります。

次に「時間帯別料金プラン」があります。これは電気を使う時間帯によって料金単価が変わるプランで、夜間の電力が割安に設定されているものが代表的です。夜型の生活をしている方や、夜間に電気を多く使う家庭には向いているとされています。オール電化住宅向けのプランとして提供されていることも多いです。

さらに「市場連動型プラン」もあります。これは日本卸電力取引所(JEPX)の電力価格に連動して電気料金が変動するプランです。市場価格が安い時間帯に電気を集中的に使えば節約できる可能性がありますが、市場価格が高騰すると電気代も上がるリスクがあるため、後述するデメリットの節で詳しく解説します。

このように、新電力には様々な料金プランが用意されているため、自分のライフスタイルや電気の使い方に最も合ったプランを選ぶことで、より効果的に電気代を節約できる可能性があります。ただし、プラン選びを間違えると、かえって電気代が高くなるケースもあるため、慎重な比較検討が必要です。特に現在オール電化向けプランを利用している方は、乗り換え先でもオール電化向けのプランを選ばないと不利になる場合があるとされています。

ガス・通信・ポイント還元などのセット割引

新電力の3つ目のメリットは、ガスや通信サービスとのセット割引、ポイント還元プログラムなど、電気料金以外の付加価値が得られる点です。新電力会社の中には、電気以外のサービスと組み合わせることで追加の割引や特典を提供しているところが多くあります。

代表的なのが「電気とガスのセット割引」です。東京ガスや大阪ガスといった大手ガス会社も電力小売事業に参入しており、ガスと電気をまとめて契約することで割引が適用されるプランを提供しています。また、ENEOSでんきや出光興産といったエネルギー会社の新電力では、ガソリンスタンドでの給油時に割引が受けられる特典を用意しているケースもあります。

通信サービスとのセット割引も人気です。例えばソフトバンクやau、ドコモといった大手通信キャリアの関連会社が提供する新電力では、携帯電話やインターネット回線とセットで契約することで割引が適用されます。スマートフォンの料金と電気料金をまとめて管理できる利便性も魅力の一つです。

ポイント還元プログラムを提供している新電力も多数存在します。楽天でんきでは楽天ポイント、Vポイント(旧Tポイント)を付与するプランを提供する新電力もあります。毎月の電気料金に応じてポイントが貯まるため、普段からこれらのポイントを活用している方にはお得な選択肢となるでしょう。

その他にも、会員限定の優待サービス、駆けつけサービス(電気トラブル時の無料対応など)、使用量の見える化サービスなど、各社独自の付加価値を提供しています。電気料金単体での比較だけでなく、こうしたセット割引や特典も含めて総合的に検討することで、よりお得な選択ができる可能性があります。

環境に配慮した再エネプランを選べる

新電力の4つ目のメリットは、環境に配慮した電力プランを選択できることです。近年の環境意識の高まりを受けて、再生可能エネルギー(再エネ)を主体とした電力プランを提供する新電力が増えています。

再エネプランとは、太陽光発電、風力発電、水力発電などの再生可能エネルギー由来の電力を供給するプランのことです。CO2を排出しない(またはほとんど排出しない)電力を選ぶことで、家庭の電気使用に伴う環境負荷を低減できるとされています。企業のサステナビリティへの取り組みが注目される中、個人でも「電力の選択」という形で環境保護に貢献できる点が魅力です。

実際の仕組みとしては、新電力が再エネ発電所から電力を直接調達しているケースと、「非化石証書」と呼ばれる証書を活用して実質再エネ100%としているケースがあります。どちらの方法でも、消費者が再エネプランを選ぶことは再生可能エネルギーの普及促進につながるとされています。

ただし、再エネプランは通常のプランと比較して電気料金が若干高めに設定されていることが多いです。これは再エネ電源の調達コストや非化石証書の購入費用が反映されているためです。「環境に良い選択をしたいが、コストも気になる」という方は、どの程度の追加負担になるのかを事前にシミュレーションで確認することをおすすめします。

また、一口に「再エネプラン」と言っても、再エネ比率が100%のものから一部のみ再エネというものまで様々です。環境への配慮を重視する方は、具体的な再エネ比率や電源構成を確認した上でプランを選ぶとよいでしょう。

新電力のデメリット・注意点|乗り換え前に確認すべき5つのリスク

  • 市場連動型プランによる電気代高騰リスク
  • 撤退・倒産リスクと「電気難民」問題
  • 解約金・違約金が発生するケース
  • 新電力の選び方と乗り換え手続きの流れ
  • 総括:新電力のメリット・デメリットのまとめ

市場連動型プランによる電気代高騰リスク

新電力を検討する上で最も注意すべきデメリットの一つが、「市場連動型プラン」による電気代高騰リスクです。市場連動型プランとは、日本卸電力取引所(JEPX)の電力価格に連動して電気料金が変動するプランのことで、市場価格が安い時間帯には電気代が抑えられる一方、価格が高騰すると電気代も急激に上昇するという特徴があります。

2020年末から2021年初頭にかけて発生した電力卸売価格の急騰は、市場連動型プランのリスクを顕著に示した出来事でした。厳冬による電力需要の増加とLNG(液化天然ガス)不足が重なり、JEPXの電力価格は一時的に通常の10倍以上に高騰しました。この時期、市場連動型プランを契約していた家庭では、通常月数千円だった電気代が数万円になったという報告も相次ぎました。

また、2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降も、世界的なエネルギー価格の高騰が続いており、卸電力市場の価格も不安定な状態が続いています。こうした背景から、市場連動型プランは「両刃の剣」とも言われており、電力市場の動向を常にチェックできる方や、市場価格が安い時間帯に電気使用を集中させるなどの工夫ができる方に向いているとされています。

市場連動型プランを検討する際は、過去の市場価格の推移を確認し、最悪の場合どの程度の電気代になるかをシミュレーションしておくことが重要です。安定した電気代を求める方は、固定単価プランを選択するほうが安心でしょう。なお、東京電力の従量電灯Bのような規制料金プランには「燃料費調整額の上限」が設定されていますが、新電力の多くや大手電力の自由料金プランには上限がない場合が多いため、この点も比較の際に確認することをおすすめします。

撤退・倒産リスクと「電気難民」問題

新電力のもう一つの大きなデメリットが、撤退・倒産リスクです。電力自由化以降、多くの企業が新電力事業に参入しましたが、経営状況の悪化により事業から撤退する会社も相次いでいます。帝国データバンクの調査によると、2021年4月時点で登録されていた新電力706社のうち、2024年3月時点では累計119社が撤退・倒産・廃業しており、これは2022年3月の17社から約7倍に増加しています。また、新規契約の受付を停止した事業者も累計69社に上っており、事業を縮小・停止した新電力は合計で約188社(約26.6%)に達しています。

新電力が撤退・倒産する主な原因としては、卸電力市場(JEPX)の価格高騰があります。自社の発電設備を持たない新電力は、市場から電力を調達しています。市場価格が高騰すると調達コストが大幅に上昇し、消費者への販売価格を上回る「逆ザヤ」状態に陥ることがあります。また、ロシア・ウクライナ情勢に伴う世界的なエネルギー価格の高騰も、新電力の経営を圧迫する要因となりました。

契約している新電力が撤退・倒産した場合、いわゆる「電気難民」となる可能性があります。ここでいう「電気難民」とは、最終保障供給契約(大手電力会社による一時的な供給)に移行した件数を指します。2022年10月には約4万5,871件に達しましたが、2024年3月時点では5,912件まで減少しています。たとえ契約中の新電力が倒産しても、電気が突然止まることはありません。日本には「最終保障供給制度」があり、大手電力会社が一時的に電力供給を引き継ぐ仕組みが整っています。ただし、最終保障供給の契約期間内に新しい電力会社と契約を結ばないと、最終的には供給が停止される可能性があるため、速やかに契約先を確保することが重要です。

撤退リスクを避けるためには、新電力選びの際に運営会社の安定性を確認することが重要です。資本金、設立年数、グループ会社の有無、過去の業績などをチェックし、経営基盤が安定している企業を選ぶことをおすすめします。大手電力会社の関連企業や、他分野の大手企業(ガス会社、通信会社、石油会社など)が母体となっている新電力は、比較的安心感が高いとされています。

解約金・違約金が発生するケース

新電力に乗り換える際に確認すべき3つ目のポイントが、解約金・違約金の有無です。一部の新電力では契約期間が定められており、その期間内に解約すると違約金が発生する場合があります。せっかく電気代を節約できても、解約時に多額の違約金を支払うことになっては本末転倒です。

契約期間の設定は新電力によって様々です。1年契約、2年契約、3年契約などがあり、契約期間内に解約すると数千円から1万円程度の違約金が発生するケースがあります。中には、期間内解約で使用した月数分の割引を返還しなければならないという条件を設けている会社もあります。

一方で、解約金・違約金が一切かからない新電力も多数存在します。乗り換えのハードルを下げるために「解約金0円」を売りにしている新電力も増えています。初めて新電力を試してみたいという方は、まず解約金なしのプランから始めるのも一つの選択肢です。

また、注意が必要なのは「キャンペーン適用時の条件」です。新規契約時に特典として割引やポイント付与を受けた場合、一定期間内に解約すると特典分の返還を求められることがあります。キャンペーンの適用条件は細かい字で書かれていることも多いため、契約前に必ず約款や重要事項説明書を確認することをおすすめします。

現在契約中の電力会社から新電力に乗り換える場合も、同様に現在の契約に解約金の条件がないか確認しましょう。特に、オール電化向けプランや法人契約の場合は、契約期間の縛りがあるケースが比較的多いとされています。乗り換えを検討する際は、解約金がかからないタイミング(契約更新月など)を狙うのも賢い方法です。

新電力の選び方と乗り換え手続きの流れ

ここまで新電力のメリット・デメリットを解説してきましたが、実際に新電力への乗り換えを検討する方のために、選び方のポイントと手続きの流れを説明します。失敗しない新電力選びには、いくつかの重要なチェックポイントがあります。

まず、新電力を選ぶ際のポイントは以下の通りです。第一に、現在の電気使用状況を把握することが重要です。契約アンペア数、毎月の電気使用量(kWh)、現在の料金プラン名を確認しましょう。これらの情報は検針票やWeb明細で確認できます。第二に、複数の新電力会社の料金プランをシミュレーションして比較することです。「価格.com」や「エネチェンジ」などの比較サイトを活用すると、手軽に複数のプランを比較できます。

第三に、料金以外の要素も考慮することです。ガスやスマートフォンとのセット割引があるか、ポイント還元があるか、解約金の有無、運営会社の信頼性(経営基盤の安定性)などを総合的に判断しましょう。第四に、市場連動型プランかどうかを確認することです。価格変動リスクを避けたい場合は固定単価プランを選ぶことをおすすめします。

新電力への乗り換え手続きは非常に簡単で、多くの場合オンラインで完結します。手順としては、まず乗り換え先の新電力会社のWebサイトから申し込みを行います。その際に必要な情報は「お客様番号」と「供給地点特定番号」(22桁)で、いずれも検針票に記載されています。申し込み手続き自体は約10〜15分程度で完了することが多いです。

嬉しいことに、現在契約中の電力会社への解約連絡は、新しい電力会社が代行してくれるのが一般的です。つまり、消費者側で特別な手続きをする必要はほとんどありません。スマートメーターが既に設置されている場合は最短約4日で切り替えが完了するとされています。スマートメーターが未設置の場合は交換工事が必要ですが、交換費用は原則無料で、約2週間程度で切り替えが完了します。なお、電力会社の切り替えに伴う停電は基本的に発生しません。

総括:新電力のメリット・デメリットのまとめ

新電力にはメリットとデメリットの両面があります。乗り換えを検討する際は、自分のライフスタイルや電気使用量に合っているかを十分に比較検討し、リスクも理解した上で判断することが大切です。

  • 新電力とは2016年4月の電力自由化以降に参入した電力小売事業者のこと
  • 多くの新電力は大手電力会社より割安な料金プランを提供しているとされる
  • 電気使用量が多い家庭ほど節約効果が大きくなる傾向がある
  • ライフスタイルに合わせた多様な料金プラン(固定単価、時間帯別、市場連動型など)から選べる
  • ガス・通信・ガソリンなどとのセット割引を提供する新電力が多い
  • ポイント還元プログラムで楽天ポイントやVポイント(旧Tポイント)が貯まるプランもある
  • 再生可能エネルギー主体の環境配慮型プランを選択できる
  • 市場連動型プランは電力市場の価格高騰時に電気代が急増するリスクがある
  • 撤退・倒産リスクが存在し、2024年3月時点で累計119社が撤退・倒産している
  • 契約中の新電力が倒産しても最終保障供給制度により電気が突然止まることはない(ただし速やかな契約先確保が必要)
  • 一部の新電力では契約期間内の解約に違約金が発生する場合がある
  • 乗り換え手続きはオンラインで約10〜15分程度で完了することが多い
  • 現在の電力会社への解約連絡は新電力が代行してくれるのが一般的
  • スマートメーター設置済みなら最短約4日で切り替え完了
  • 新電力選びでは料金だけでなく運営会社の信頼性も確認することが重要

※この記事の情報は2026年1月時点のものを基にしています。電気料金や各種サービスは変更される場合があります。また、東京電力エリアをベースに解説しており、他エリアでは料金・サービスが異なる場合があります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次