冷房と暖房はどちらが電気代が高い?仕組みと節約の方法を解説

当ページのリンクには広告が含まれています。
冷房と暖房はどちらが電気代が高い?仕組みと節約の方法を解説

「エアコンの電気代、夏と冬はどちらが高いの?」と疑問に思っている方は多いのではないでしょうか。クールビズや節電のキャンペーンが夏に多いこともあり、冷房の方が電気代がかかるイメージを持っている方もいるかもしれません。

しかし実際には、多くの家庭で暖房の方が冷房より電気代が高くなる傾向があります。これにはエアコンのヒートポンプの仕組みと、外気温との温度差が深く関係しています。総務省統計局の家計調査によれば、1人暮らしから5人世帯まで、どの世帯でも冬の電気代は夏より高くなっています。

この記事では、冷房と暖房の電気代の違いを、仕組みから数字で確認できるよう整理しています。畳数別の電気代の目安、暖房が高くなる理由のカラクリ、そして今すぐ実践できる節約方法までまとめました。エアコンの上手な使い方を知って、毎月の電気代を抑えるヒントにしてください。

この記事のポイント
  • 暖房の方が冷房より電気代が高くなる傾向があり、外気温との温度差が大きいほど消費電力が増える
  • 期間消費電力量で比較すると、暖房の電気代は冷房の約2倍になることもある
  • 設定温度を1℃見直すだけで年間約2,500円の節約効果が期待できるとの報告がある
  • 自動運転・フィルター掃除・サーキュレーター併用など、日常の工夫で電気代を抑えやすくなる
目次

冷房と暖房の電気代はどちらが高いのか比較する

  • 暖房が冷房より高くなる理由(温度差・ヒートポンプ効率)
  • 畳数別の冷房・暖房の電気代の目安
  • 期間消費電力量で比較した冷暖房の年間電気代の差
  • 冷房・暖房・除湿モードの電気代比較

暖房が冷房より電気代が高くなる仕組み

暖房が冷房より電気代が高くなる仕組み

エアコンの電気代が夏より冬に高くなる理由は、外気温と設定温度の「差」にあります。

ダイキン工業の資料によると、夏は外気温35℃・設定温度27℃でその差は8℃ですが、冬は外気温7℃・設定温度20℃でその差は13℃にもなります。また別の事例では、夏が外気温35℃・設定温度26℃で差9℃、冬が外気温7℃・設定温度20℃で差13℃という数字も示されています。極端な例では夏が外気温35℃・設定温度28℃で差7℃、冬が外気温5℃・設定温度20℃で差15℃になるとの報告もあります。

エアコンは設定温度に到達するまでフル稼働するため、外気温と設定温度の差(熱負荷)が大きくなる冬は必然的に消費電力が大きくなります。これが「冬は電気代が高くなる」原因です。

エアコンは「ヒートポンプ」技術を使い、空気中の熱を移動させて室温を調整しています。コンプレッサーの消費電力は温度差が大きいほど多くなります。さらに、外気温が低い冬は室外から熱を取り込む効率が下がり、同じ室温に上げるためにより多くの電力が必要になるとの報告があります。気温が5℃以下になると効率が著しく下がり、消費電力が跳ね上がる傾向があるとのことです。

なお、ダイキン工業の資料には「設定温度を1℃下げると約10%の電気代の節約になる」という情報も掲載されています。温度差を小さくすることが節電の基本です。

畳数別・冷房と暖房の電気代を数字で確認する

畳数別・冷房と暖房の電気代を数字で確認する

実際に冷房と暖房の電気代がどれほど違うのか、畳数別のデータで確認してみましょう。

rakurakuserviceの試算によると、6畳用エアコン1時間あたりの電気代は冷房が約13.2円、暖房が約13.3円とほぼ同水準です。しかし、10畳用エアコンになると冷房が約16.0円、暖房が約21.4円と差が広がります。10畳用を30日・1日8時間使用した場合の1ヶ月の電気代は、冷房が約3,832円、暖房が約5,134円との試算です。

省エネ性能カタログ2024年版を使ったENEOS Powerの試算では、10畳の暖房1時間あたりが約24.6円、冷房が約20円となっています。1ヶ月あたりの電気代でみると、暖房は6畳で約2,762円・10畳で約3,525円・18畳で約7,821円、冷房は6畳で約1,395円・10畳で約1,730円・18畳で約4,008円という目安が示されています。

日立「白くまくんXシリーズ」のデータ(HTB Energy調べ)では、暖房の電気代は6畳で1時間約13.3円・1ヶ月約3,200円、10畳で1時間約21.1円・1ヶ月約5,059円とされています。

中部電力カテネのデータでは、10畳用の冷房1時間あたりが約20.21円、暖房が約24.67円という数字も示されています。冷房の方が暖房より期間消費電力量で4〜5割も省エネになるとの報告もあり、年間を通して比べると両者の差は相当大きくなることがわかります。

期間消費電力量を使って年間の電気代を比べる方法

期間消費電力量を使って年間の電気代を比べる方法

エアコンの年間電気代を正確に把握したい場合は、「期間消費電力量」を使う方法が便利です。

期間消費電力量とは、1年を通してエアコンを使用した際の消費電力量の目安のことです(looop-denki調べ)。暖房期間の算出基準は11月8日〜4月16日(160日)、冷房期間は5月23日〜10月4日(135日)となっています。年間電気代の計算式は「期間消費電力量(kWh)×電気料金単価(円/kWh)」です。電気料金の目安単価は31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安)です。

カタログには「冷房期間消費電力量○○kWh」「暖房期間消費電力量○○kWh」と表示されており、これに電力単価をかけると年間電気代の目安が出ます。

具体例として、パナソニックのエオリア「CS-LX282D」を使うと、暖房の1日あたりの電気代は約105円、冷房は約47円との試算が示されています(looop-denki)。また、一般的な家庭用エアコンを例にすると冷房約200kWh・暖房約600kWh/年(電力量単価31円で年額は冷房約6,200円・暖房約18,600円が目安)との報告があります。

ENEOS Powerの試算では、期間消費電力量で計算した暖房の1日の電気代は約92.07円、冷房は約46.5円とされています。年間を通じた差は非常に大きく、暖房の期間消費電力量が冷房を大きく上回る傾向があることがわかります。

冷房・暖房・除湿モードの電気代を比較する

冷房・暖房・除湿モードの電気代を比較する

エアコンには冷房・暖房のほかに除湿モードがあります。それぞれの電気代の目安を把握しておくと、上手に使い分けができます。

tsuttarouの調べによると、6畳用エアコン1時間あたりの目安消費電力と電気代は以下の通りです。冷房は約400〜800Wで約10〜20円、弱冷房除湿型は約8〜15円、再熱除湿は約18〜30円、暖房は約500〜2,000Wで約13〜50円となっています。電気代ランクとしては暖房が最も高く(★★★)、再熱除湿が中程度(★★)、冷房・弱除湿が低め(★)とされています。

弱冷房除湿と再熱除湿の違いについては、弱冷房除湿は微弱な冷房運転で電気代は冷房より安くなる傾向がある一方、再熱除湿は一度冷やした空気を再加熱するため電気代が高くなるとのことです(looop-denki)。夏場に再熱除湿を使うと冷房よりも電気代がかかる場合があるとの報告もあります。

弱冷房除湿は温度も少し下がり除湿量は少なく、再熱除湿は温度はあまり下がらないが除湿量が多いという特徴の違いもあります。電気代を抑えたい場合は弱冷房除湿を優先し、状況に応じて再熱除湿を使い分けるのがよいとされています(TSC)。湿度55〜60%を目安にすると体感温度が下がりやすいとの報告もあります。

冷房と暖房の電気代を節約する方法

  • 設定温度の目安と節約効果
  • 自動運転の活用とつけっぱなしの判断
  • フィルター掃除と室外機まわりの管理
  • サーキュレーターや加湿器の活用

設定温度の見直しで節約する目安と効果

設定温度の見直しで節約する目安と効果

電気代の節約において最も手軽で効果的な方法のひとつが、設定温度の見直しです。

環境省が推奨する室温の目安は夏が28℃、冬が20℃です。設定温度を1℃調整するだけで年間約2,500円の節約を期待できるとの報告があります(rakurakuservice)。具体的な内訳としては、冷房の設定温度を27℃から28℃に変えると年間約940円の節約、暖房を21℃から20℃にすると年間約1,650円の節約が期待できるとのことです。

ENEOS Powerの試算では、温度設定を1℃緩和すると消費電力量が冷房なら約13%、暖房なら約10%削減されると見込まれています。u-powerの情報では、設定温度を1℃上げると消費電力が約10%程度増加するとの報告もあります。

エアコンの暖房は20〜22℃の範囲で設定すると快適性と電気代の節約を両立できるとの報告があります(u-power)。冷房は28度、暖房は20度を省エネの起点として、体感に合わせて±1度で微調整するのが効率と快適さのバランスがよいとされています(lifestyle.assist-all.co.jp)。

環境省のWARM BIZでは暖房時の室温20℃を推奨しており、設定温度を下げて暖房使用時のエネルギー消費量を減らし、CO₂削減を目指しています(looop-denki)。少しの意識の積み重ねが年間の電気代に大きく影響することがわかります。

つけっぱなしとこまめなオンオフ、どちらが節約になるか

つけっぱなしとこまめなオンオフ、どちらが節約になるか

「こまめに消す方が節電になる」と思っている方は多いかもしれませんが、状況によっては逆効果になることがあります。

ダイキンの実験では、30分程度の外出なら1度オフするより「つけっぱなし」の方が電気代の節約につながる結果になりました。この理由として、こまめに入り切りした場合に何度もエアコンの運転をONにした直後に多くの電力を消費したことが挙げられています。エアコンは設定温度を維持するときよりも、運転を開始した直後の室内温度と設定温度の差が大きいときに電力を多く消費するためです。頻繁なエアコンの入り切りは消費電力量を大きくしてしまうことがあるとのことです。

目安として30分以内の外出ならつけっぱなしが節電につながるとの報告があります(HTB Energy)。1〜2時間程度の外出については外気温による判断が必要で、外気温が低いほど室内がすぐ冷えるためつけっぱなしの方がお得な場合があるとのことです(NURO光)。2時間以上外出する場合は電源を切る方が節約につながるとされています(looop-denki)。

また、在室時間が2〜3時間以上なら弱めの連続運転で室温キープが有利になりやすいとの報告もあります(lifestyle.assist-all.co.jp)。設定温度20℃の暖房と28℃の冷房の使用時間を1日1時間ずつ短くした場合、年間の電気代が約2,020円安くなるとの試算もあります(ENEOS Power)。

自動運転モードの活用でエアコンの効率を最大化する

自動運転モードの活用でエアコンの効率を最大化する

エアコンの設定で見落とされがちなのが「自動運転モード」です。実は風量を手動で「弱」にするよりも節電になる場合が多いとされています(rakurakuservice)。

自動運転モードは室内の温度や湿度に合わせて最適な運転を自動で行うため、無駄な電力消費を抑えることができます(TSC)。弱風では設定温度に達するまで時間がかかり、かえって消費電力量が増えることがあるためです。自動運転は最も電力を使う時間を短縮し、無駄な消費を抑えられるとのことです。

手動で風量を設定する場合は、弱風よりも強風の方が設定温度に早く達して効率的とされています(ダイキン工業)。微風のままだと部屋が冷えるまでの時間が長くなり、結果的に余分な電気を使うことになるためです。

AIを搭載したエアコンは人や家具の位置、部屋の間取りなどを踏まえて運転を最適化し、無駄な電力消費を抑えながら快適な室温を維持できるとのことです(ENEOS Power)。風向きも節電に影響します。暖房は下向き、冷房は水平または上向きに設定することで温度ムラを防ぎ、余分な電力消費を防げるとの情報もあります(ENEOS Power)。

フィルター掃除と室外機の管理で電気代を抑える

フィルター掃除と室外機の管理で電気代を抑える

日常的なメンテナンスも電気代の節約に大きく貢献します。中でも効果が高いとされているのが、フィルターの掃除です。

ダイキン工業の資料によると、フィルターの掃除を行うことで年間25%も電気代を節約できるとのことです。ENEOS Powerの試算では、6畳用エアコン冷房の場合、フィルター掃除で年間の電気代が約1,080円安くなるとされています。フィルターが目詰まりすると空気を吸い込む効率が下がり、より多くの電力が必要になるためです(rakurakuservice)。

2週間に1度はフィルターを水洗いするかほこりを掃除機で吸い取ることが推奨されています(ダイキン工業)。

室外機の管理も重要です。室外機の吹き出し口付近に物を置いたりカバーで覆ってふさぐと、室外機が放出した冷たい空気を吸い込んでしまい暖房の効率が落ちるとのことです(ダイキン工業)。室外機の周りに物が置かれていると熱のやりとりがうまくいかなくなるため、常に周辺をすっきりとした状態にしておくことが大切です(looop-denki)。

また、室外機に直射日光が当たると熱を捨てる効率が低下し電気を余分に使ってしまうとの報告があります。室外機から1mほど離れたところに植木を植えるなどして日陰を作るのも工夫のひとつとされています(ダイキン工業)。

サーキュレーターや加湿器の併用で節約効果を高める

サーキュレーターや加湿器の併用で節約効果を高める

エアコン単体での節電に限界を感じたら、サーキュレーターや加湿器との組み合わせを試してみるとよいでしょう。

サーキュレーターで部屋の空気を循環させると、エアコンの効果が上がるとの報告があります(rakurakuservice)。暖房時はサーキュレーターをエアコンの対角線上に置き、エアコンに向けて風を送ると部屋全体を効率的に暖められるとのことです。冷房時はサーキュレーターをエアコンに背を向けるように床へ設置し、天井や壁に向けて風を送ると効果的とされています。

サーキュレーターを天井に向けて稼働させると天井付近に溜まった温風を循環させて足元まで効率的に暖められるとの報告もあります(HTB Energy)。サーキュレーターの消費電力はエアコンよりも小さく、暖房効果を高めながら電気代を抑えられる組み合わせとされています(HTB Energy)。

加湿器の活用も効果的です。加湿器を併用して湿度を上げると体感温度が上がり、暖房の設定温度を下げても快適に過ごしやすくなるとの報告があります(rakurakuservice)。冬の適切な湿度の目安は40〜60%とされており、この範囲に保つことで設定温度を上げ下げせずに済みやすく、電気代の節約につながるとのことです(ダイキン工業)。エアコンと加湿器を併用すると湿度を適切に保ちながら体感温度を高められ、喉や肌の乾燥対策にも効果的との報告があります(HTB Energy)。

冷房と暖房どちらが電気代が高いかを把握して節約を始めるポイントまとめ

この記事のまとめです。

  • 暖房の方が冷房より電気代が高くなる傾向があるとの報告がある
  • 外気温と設定温度の差が大きいほどエアコンの消費電力が増える仕組みになっている
  • 夏は外気温と設定温度の差が約7〜9℃、冬は約13〜15℃になることが多い
  • 総務省の家計調査によると、どの世帯人数でも冬の電気代は夏より高くなっている
  • 期間消費電力量で比較すると、暖房の1日あたりの電気代は冷房の2倍以上になる例がある
  • 6畳用エアコンの暖房1ヶ月の電気代は約3,200円前後が目安とされている
  • 冷房は期間消費電力量ベースで暖房より4〜5割省エネになるとの報告がある
  • 除湿(弱冷房型)は冷房より電気代が安くなりやすく、再熱除湿は暖房並みに高くなる場合がある
  • 設定温度を1℃見直すだけで年間約2,500円の節約効果が期待できるとの報告がある
  • 環境省推奨の設定目安は夏の室温28℃、冬の室温20℃
  • ダイキンの実験では30分程度の外出ならつけっぱなしの方が節電につながる結果が出ている
  • 2時間以上の外出では電源を切る方が節約になりやすい
  • フィルター掃除を行うと年間25%の電気代節約効果があるとのことである
  • サーキュレーターの併用で温度ムラを解消し、設定温度を抑えても快適になりやすい
  • 加湿器で湿度40〜60%を保つことで体感温度が上がり、暖房の設定温度を下げやすくなる
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次