お得電力は怪しい?評判と実態を5つの理由から徹底解説

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「お得電力は怪しいのでは?」と検索して、この記事にたどり着いたあなたへ。そのように感じるのは、ごく自然なことです。

「お得」という言葉が大きく掲げられていると、かえってその実態や料金体系に不安を覚えてしまいますよね。

この記事では、そんなあなたの疑問を解消するため、お得電力の運営会社の信頼性から、実際の料金、そして評判の真相まで、徹底的に掘り下げて解説します。燃料費調整額や解約手数料といった、契約前に必ず知っておくべき注意点にも触れながら、お得電力が本当に「お得」で「安心」できる選択肢なのか、客観的な事実に基づいて判断できる情報をお届けします。

この記事のポイント
  • お得電力は経済産業省に登録された正規の事業者
  • 運営会社のQvouは30年以上の歴史を持つ安定企業
  • 大手電力より料金は安いが注意すべきデメリットも存在
  • 一番のリスクは「燃料費調整額」の上限がないこと
目次

「お得電力は怪しい」と言われる5つの理由と真相

  • 理由①:会社名が「お得」すぎて逆に不安になる
  • 理由②:運営会社(Qvou)が何をしているか不明
  • 理由③:「思ったより安くならない」という口コミの真相
  • 理由④:電力自由化に便乗した悪質な勧誘との混同
  • 理由⑤:比較的新しいサービスで情報が少ないから

理由①:会社名が「お得」すぎて逆に不安になる

理由①:会社名が「お得」すぎて逆に不安になる

「お得電力」という、あまりにも直接的なネーミング。これが、多くの人が「怪しい」と感じる最初のきっかけかもしれません。「うまい話には裏がある」という警戒心が働くのは当然のことです。

しかし、まず知っておくべき重要な事実は、「お得電力」はサービスブランド名であり、法的に認められた正式な事業者によって運営されているという点です。

お得電力は、電気事業法に基づき、経済産業大臣の登録を受けた正規の「小売電気事業者」です。その登録番号は「A0773」として公に認められています。これは、国が定めた基準を満たし、法令を遵守して電力販売事業を行う許可を得ていることの証明です。

つまり、サービス名から受ける印象とは別に、事業としての信頼性は国によって担保されているわけです。名前がシンプルすぎるために不安を覚えるかもしれませんが、法的な観点から見れば、他の大手電力会社と同じ土俵に立つ、正当な事業者であると言えます。

理由②:運営会社(Qvou)が何をしているか不明

理由②:運営会社(Qvou)が何をしているか不明

「お得電力」というサービス名だけでなく、その運営会社である「株式会社Qvou(キューボー)」が何をしている会社なのか、よく知らないという点も不安要素の一つでしょう。特に新電力の世界では、事業基盤の弱い会社が倒産するリスクも懸念されるため、運営会社の安定性は非常に重要です。

この点において、株式会社Qvouは多くの人が想像する「電力事業だけを行う新興企業」とは一線を画します。同社のルーツは1985年創業の保険代理店にあり、法人設立は2005年と、30年以上の長い歴史を持つ企業です。

さらに特筆すべきは、その事業の多角化です。コンビニや通販で広く知られるミネラルウォーター「のむシリカ」の製造販売事業は同社の主力事業の一つであり、その他にも太陽光発電事業、不動産事業、保険代理店事業など、複数の収益の柱を持っています。2022年11月期の売上高は120億円にのぼるなど、企業としての規模と安定性は確かなものがあります。

電力事業だけに依存していないため、電力市場の変動に対する耐性が高く、いわゆる「新電力の倒産リスク」は比較的低い、安定した経営基盤を持つ会社だと評価できます。

理由③:「思ったより安くならない」という口コミの真相

理由③:「思ったより安くならない」という口コミの真相

インターネットで評判を調べると、「お得電力に切り替えたのに、思ったほど安くならなかった」「むしろ料金が上がった気がする」といった口コミを見かけることがあります。これが「怪しい」という印象を強める一因となっていますが、これには明確な理由が存在します。この不満の根源は、多くの場合、電気料金の仕組み、特に「燃料費調整額」にあります。

お得電力の料金プランは、基本料金や電力量料金といった固定的な部分は大手電力会社より安く設定されています。しかし、毎月の請求額を大きく左右する変動要素として「燃料費調整額」があります。これは、発電に必要な燃料価格の変動を電気料金に反映させるための費用です。

かつて大手電力会社の主要プランには、この調整額に「上限」が設けられており、燃料価格が異常に高騰しても利用者の負担が青天井になるのを防ぐ役割がありました。

しかし、お得電力を含む多くの新電力は、この上限を設けていません。その結果、燃料価格が高騰する局面では、この調整額が大きく跳ね上がり、基本料金の安さを打ち消して、結果的に総支払額が予想より高くなるという事態が起こり得るのです。この仕組みを知らないと、「安くなるはずだったのに裏切られた」と感じてしまうわけです。

理由④:電力自由化に便乗した悪質な勧誘との混同

理由④:電力自由化に便乗した悪質な勧誘との混同

2016年の電力小売全面自由化以降、残念ながら、電力会社の切り替えに便乗した悪質な訪問販売や電話勧誘が全国的に問題となりました。こうした事例が報道される中で、「新電力」というだけで、強引な勧ゆいや詐欺的な商法と結びつけて警戒してしまう方も少なくありません。

まず明確にしておきたいのは、現時点で「お得電力」自体が悪質な勧誘を行っているという具体的な報告は見当たらないという点です。しかし、消費者が自衛のために正しい知識を持つことは非常に重要です。

もし勧誘を受けた際は、その場で契約を即決したり、お金を支払ったりしないようにしましょう。電気の契約で手付金などを要求されることは絶対にありません。

次に、相手の会社名、担当者名、そして「小売電気事業者登録番号」を必ず確認し、メモを取ることが重要です。少しでも「おかしいな」と感じたら、「家族と相談します」とはっきり伝え、消費者ホットライン「188」や電力・ガス取引監視等委員会などの専門機関に相談することが賢明です。お得電力に限らず、すべての電力会社を選ぶ際には、こうした冷静な判断が求められます。

理由⑤:比較的新しいサービスで情報が少ないから

理由⑤:比較的新しいサービスで情報が少ないから

お得電力が「怪しい」と感じられる背景には、サービス開始から日が浅く、大手電力会社ほどの知名度や情報量がないことも影響しています。長年、地域電力会社との契約が当たり前だった私たちにとって、聞き慣れない名前の電力会社に大切なライフラインを任せることには、本能的な抵抗感が伴います。

しかし、この「新しさ」は市場の背景を理解すると見え方が変わってきます。一般家庭向けの電力小売が完全に自由化されたのは2016年4月のことです。それ以降、様々な業種の企業が電力小売事業に参入し、現在では700社を超える「小売電気事業者」が登録されています。

つまり、お得電力も、この確立された市場の中で競争している数多くの事業者の一つに過ぎません。運営会社のQvouが2005年設立であることも踏まえれば、決して「昨日今日できた正体不明の会社」ではないのです。

電力自由化から数年が経過し、市場のルールや消費者を保護する仕組みも整備されてきています。「新しいから怪しい」と短絡的に考えるのではなく、一つの新しい選択肢として、そのサービス内容を冷静に評価することが重要です。

「お得電力は怪しい」どころかメリットも!知るべき4つの注意点

  • メリット:大手電力より基本・従量料金が安い
  • 注意点①:解約時に事務手数料3,300円がかかる
  • 注意点②:燃料費調整額に上限がなく高騰リスクあり
  • 注意点③:ガスセット割やポイント特典はない
  • 【重要】新電力の倒産リスクと停電の心配は?

メリット:大手電力より基本・従量料金が安い

メリット:大手電力より基本・従量料金が安い

お得電力の最大の魅力は、その名の通り、大手電力会社の一般的な料金プランと比較して、電気料金の基本となる部分が安く設定されている点です。具体的には、毎月固定でかかる「基本料金」と、電気の使用量に応じて課金される「電力量料金(1kWhあたりの単価)」が割安になっています。

電気は使えば使うほど、この単価の差が月々の支払額に影響してくるため、特に電気使用量の多いご家庭ほど、節約効果を実感しやすい料金体系と言えるでしょう。実際に、東北電力エリアの料金を例に比較してみましょう。

項目東北お得電力東北電力
基本料金(30A契約)1,014.54円1,046.85円
電力量料金(1kWhあたり)
〜120kWhまで24円91銭25円33銭
120kWh超〜300kWhまで35円28銭36円37銭
300kWh超40円73銭41円83銭

※上記は一例であり、最新の料金や燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金は別途加算されます。

このように、料金表の上では明確に安く設定されているのがわかります。これが、お得電力が提供する核心的な価値であり、多くの人が切り替えを検討する理由となっています。

注意点①:解約時に事務手数料3,300円がかかる

注意点①:解約時に事務手数料3,300円がかかる

料金的なメリットがある一方で、契約前に必ず把握しておくべき重要な注意点があります。その一つが、解約時に発生する手数料です。お得電力を解約する際には、理由を問わず、一律で3,300円(税込)の「解約事務手数料」がかかります。

これは、多くの人が慣れ親しんでいる大手電力会社の従来のプランにはなかった費用です。大手電力の場合、通常は解約時に手数料や違約金が発生しないため、この点は大きな違いと言えるでしょう。

一度契約して「やはり合わなかった」と短期間で再度切り替えようとすると、この3,300円が思わぬ出費となります。これは「違約金」という名称ではありませんが、消費者にとっては実質的な負担となるため、契約は慎重に検討する必要があります。「とりあえず試してみよう」と気軽に契約すると、解約時にコストがかかることを念頭に置いておきましょう。

注意点②:燃料費調整額に上限がなく高騰リスクあり

注意点②:燃料費調整額に上限がなく高騰リスクあり

これが、お得電力を契約する上で最も重要な注意点です。前述の通り、お得電力の料金プランには「燃料費調整額」の上限がありません。これは、単なる注意点というより、契約の性質を左右する「最大のリスク」と理解すべきです。

「燃料費調整制度」とは、火力発電の燃料となる原油・石炭・LNG(液化天然ガス)の価格変動を電気料金に反映させる仕組みです。大手電力会社の従来の「規制料金プラン」では、この調整額に上限が設けられており、燃料価格がどんなに高騰しても、利用者の負担が一定ラインを超えることはありませんでした。いわば、家計を守るための安全装置です。

しかし、お得電力ではこの安全装置がありません。つまり、世界情勢の悪化などで燃料価格が急騰した場合、そのコスト上昇分がダイレクトに、そして際限なく電気料金に上乗せされる可能性があります。「基本料金が安い」というメリットも、この燃料費調整額の高騰によって、たやすく吹き飛んでしまう危険性をはらんでいるのです。「思ったより安くならない」という口コミの多くは、この仕組みに起因しています。安い基本料金というリターンを取る代わりに、燃料価格高騰という大きなリスクを個人で引き受ける契約モデルである、という本質を理解することが不可欠です。

注意点③:ガスセット割やポイント特典はない

注意点③:ガスセット割やポイント特典はない

現代の電力市場では、料金の安さだけでなく、付加価値による競争も激化しています。その代表例が、都市ガスとの「セット割引」や、提携するサービスの「ポイント還元」です。多くの新電力や大手電力会社の自由料金プランでは、ガスと電気をまとめることで月々の料金が割引になったり、通信系のポイントが貯まったりといった特典が用意されています。

しかし、お得電力には、こうしたガスとのセット割引や、特定のポイントが貯まるようなプログラムは提供されていません。サービス内容は非常にシンプルで、純粋に電気の供給のみに特化しています。

したがって、光熱費の支払いを一つにまとめて管理したい方や、日々の支払いで効率的にポイントを貯めたい(ポイ活をしたい)方にとっては、物足りなく感じるかもしれません。もしあなたがこうした付加サービスを重視する場合、他の電力会社の方がライフスタイルに合っている可能性があります。お得電力は、あくまで電気料金そのものの安さを追求する、割り切った選択肢と考えるのが良いでしょう。

【重要】新電力の倒産リスクと停電の心配は?

新電力への切り替えを検討する際に、多くの人が抱く根本的な不安が二つあります。「停電しやすくなるのではないか?」という品質への懸念と、「もし会社が倒産したら電気が止まるのではないか?」という供給の安定性への懸念です。これらは、お得電力に限らず、すべての新電力に共通する疑問ですが、心配は不要です。

まず、停電のリスクについて。電力会社の切り替えによって、停電が起きやすくなることは一切ありません。なぜなら、私たちが使う電気は、どの電力会社と契約しても、結局は地域の大手電力会社が管理する同じ送配電網(電線や電柱)を通って家庭に届けられるからです。電気を運ぶインフラは全く変わらないため、電気の品質や安定性もこれまでと何ら変わりません。

次に、倒産のリスクです。万が一、契約している新電力会社が倒産や事業撤退に追い込まれたとしても、突然あなたの家の電気が止まることはありません。その場合、「最終保障供給」というセーフティネット制度が発動し、地域の大手電力会社が一時的に電力供給を引き継ぎます。その間に、あなたは落ち着いて次の契約先を探すことができるのです。このように、ライフラインが途絶えることのないよう、国の制度によって利用者は保護されています。

総括:お得電力は怪しい?

この記事のまとめです。

  • お得電力は国に登録された正規の小売電気事業者である
  • 運営元のQvouは創業30年超の多様な事業を持つ企業だ
  • 「怪しい」という評判は新しさや料金体系への誤解が主な原因
  • 大手電力会社の従量電灯プランより基本料金・電力量料金が安く設定されている
  • 電気の使用量が多い家庭ほど料金的なメリットは出やすい
  • 一方で解約時には3,300円の事務手数料が発生する
  • 最大の注意点は燃料費調整額に上限がないことだ
  • 燃料価格が高騰すると電気代が大幅に上がるリスクを伴う
  • ガスとのセット割引やポイント還元などの付加サービスはない
  • 電力会社の切り替えで停電しやすくなることはない
  • 万が一倒産しても電気の供給が止まることはない
  • 料金の安さを取るか、価格変動リスクの低さを取るかのトレードオフである
  • 契約前に自身のライフスタイルとリスク許容度を考えることが重要だ
  • 悪質な訪問販売とは無関係であり、冷静な判断が求められる
  • 公式サイトの料金シミュレーション活用が不可欠だ
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