暖房と冷房の電気代はどっちが高い?エアコン代の違いを数字で解説

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暖房と冷房の電気代はどっちが高い?エアコン代の違いを数字で解説

「エアコンの暖房と冷房、どっちの電気代が高いの?」と気になっている方は多いのではないでしょうか。

実は、暖房の方が冷房より電気代が高くなる傾向があります。冬は外気温とエアコンの設定温度の差が大きくなるため、消費電力が増えやすいためです。

たとえば10畳用エアコンの場合、省エネ性能カタログ2024年版(経済産業省)のデータを元にすると、暖房は1時間あたり約24.6円、冷房は約20円という目安があります。期間消費電力量で1ヶ月あたりの電気代を算出すると、暖房は約3,525円、冷房は約1,730円と、暖房の方がおよそ2倍高くなります。ただし、実際の電気代は設定温度・断熱性能・使用時間などの条件によって大きく変わります。

この記事では、暖房と冷房の電気代の違いを数字で比較しながら、効果的な節電方法まで詳しく解説します。エアコンの電気代を少しでも抑えたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事のポイント
  • 暖房の方が冷房より電気代が高くなる(外気温との温度差が大きいため)
  • 10畳用エアコンで暖房は1ヶ月約3,525円、冷房は約1,730円の目安(省エネ性能カタログ2024年版、期間消費電力量ベース)
  • 設定温度を1℃調整するだけで冷房約13%・暖房約10%の消費電力量削減が見込まれる
  • 自動運転・サーキュレーター併用・フィルター掃除が電気代節約の3本柱
目次

暖房と冷房の電気代はどのくらい違う?エアコンの仕組みから比較

  • 暖房が冷房より電気代が高い理由は外気温と設定温度の温度差にある
  • 畳数別の定格消費電力を見ると、大型機種ほど暖房と冷房の差が開く
  • 期間消費電力量ベースでは暖房は冷房の約2倍の電気代になる
  • 24時間つけっぱなしにした場合も暖房の方が冷房より約2倍の電気代がかかる
  • 家計調査データでは冬の電気代が夏より世帯あたり月2,000〜5,000円程度高い

暖房が冷房より電気代が高い根本的な理由

暖房が冷房より電気代が高い根本的な理由

エアコンは「ヒートポンプ」という技術を使い、空気中の熱を移動させて室温を調整する仕組みになっています。室内の熱を移動させる役割を担うのが、エアコンの心臓部である「コンプレッサー」です。このコンプレッサーの消費電力は、熱を移動させる際の温度差が大きいほど、より多くのエネルギーが必要になります。

夏の冷房では、外気温35℃に対して設定温度28℃とすると、その温度差は7℃です。一方、冬の暖房では外気温5℃に対して設定温度20℃とすると、温度差は15℃になります。この温度差の違いが消費電力の差として表れるため、冬の暖房の方が外気温と設定温度の差が大きくなり、電気代が高くなります。

また、低外気温になると室外機が凍りやすくなり、霜取り運転が入ることで一時的に暖房が止まり消費電力が増える場合もあります。冷房と暖房どちらが電気代が高いかという点では、多くの家庭で暖房の方が上振れしやすいのが実情です。エアコンは設定温度に到達するまでに多くの電力を消費するため、冬は特に起動直後の消費電力が大きくなる点も見逃せません。

畳数別・定格消費電力で見る暖房と冷房の比較

畳数別・定格消費電力で見る暖房と冷房の比較

省エネ性能カタログ2024年版(経済産業省)と電力量料金目安単価31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会)を用いて算出した、畳数別の1時間あたり電気代は以下のとおりです。

畳数 暖房消費電力 暖房(1時間) 冷房消費電力 冷房(1時間)
6畳 484W 約15円 500W 約15.5円
8畳 572W 約17.7円 577W 約17.9円
10畳 792W 約24.6円 645W 約20円
12畳 1,017W 約31.5円 1,032W 約32円
14畳 1,257W 約39円 1,107W 約34.3円

6畳と8畳では暖房と冷房の差がほとんどありませんが、10畳以上になると暖房の方が冷房より明らかに高くなっています。エアコンのサイズが大きくなるほど、冷房と暖房の電気代の差が広がる傾向があります。

また、1ヶ月(8時間×30日)の電気代目安として、6畳用では冷房が約3,162円・暖房が約3,199円とほぼ同等です。一方、10畳用では冷房が約3,832円・暖房が約5,134円と、暖房の方が1,000円以上高くなります。エアコンはサイズに合った部屋で使うとき最も省エネになるよう設計されているため、部屋の畳数に合ったモデルを選ぶことが大切です。

期間消費電力量で見る暖房と冷房の1ヶ月あたり電気代

期間消費電力量で見る暖房と冷房の1ヶ月あたり電気代

定格消費電力は規定条件下における消費電力の最大値を表しており、実際の電気代とは差が出やすいことがあります。より実態に近い数値として、実際の使用環境を想定して算出された「期間消費電力量」を参考にするとよいでしょう。

省エネ性能カタログ2024年版(経済産業省)の期間消費電力量を用いた1ヶ月あたりの電気代目安は以下のとおりです。算出条件は東京モデルの外気温、暖房設定温度20℃・冷房設定温度27℃、暖房期間160日間(11月8日〜4月16日)・冷房期間135日間(5月23日〜10月4日)、6〜24時の18時間使用となっています。

畳数 暖房(1ヶ月) 冷房(1ヶ月)
6畳 2,762円 1,395円
8畳 3,106円 1,553円
10畳 3,525円 1,730円
12畳 4,938円 2,483円
14畳 5,487円 2,725円

冷房の方が暖房と比べて4〜5割省エネになっており、特筆すべきは電力量単価31円/kWhで計算した年額の目安として、冷房は約6,200円・暖房は約18,600円という数値もあります。定格消費電力の試算と比べると、1時間あたりの電気代は期間消費電力量ベースで3分の1以下まで減少することもあり、現代のエアコンが効率的に消費電力を抑えていることがわかります。

つけっぱなしにした場合の暖房・冷房電気代はどうなる?

つけっぱなしにした場合の暖房・冷房電気代はどうなる?

24時間つけっぱなしにした場合の電気代も、期間消費電力量を使って試算できます。暖房は6畳で1日あたり約122.76円、10畳で約156.65円、14畳で約243.87円です。冷房は6畳で約62円、10畳で約76.88円、14畳で約121.11円となり、いずれも暖房の方が約2倍高くなります。26畳以上の大型エアコンで暖房をつけっぱなしにすると、1日で500円以上になる場合もあります。

1ヶ月つけっぱなしにした場合の目安としては、冷房は6畳で約6,000円〜11,000円、暖房は6畳で8,000〜12,000円、広い部屋では20,000円を超える場合もあります。

短時間の外出時にエアコンを切るかどうかは悩みどころです。在室時間が2〜3時間以上なら弱めの連続運転で室温をキープする方が有利になりやすく、30分〜1時間程度の短時間外出なら切らずに控えめ運転が省エネにつながることが多いとの報告があります。理由は、冷え切った部屋を再加熱する過程で消費電力と時間がかさむためです。暖房は外気温が3℃以下の場合、30分以内の外出であればつけっぱなしの方が消費電力を抑えられます。なお、設定温度20℃の暖房と28℃の冷房の使用時間を1日1時間ずつ短くした場合、年間の電気代が約2,020円安くなるというデータもあります。

冬の電気代が夏より高い理由(家計調査データで見る)

冬の電気代が夏より高い理由(家計調査データで見る)

総務省統計局の家計調査に基づく2025年夏(7〜9月)と冬(1〜3月)の世帯別電気代比較をみると、どの世帯でも冬の方が夏より高くなっています。

世帯人数 夏の電気代 冬の電気代 差額(冬-夏)
1人世帯 6,822円 9,295円 +2,473円
2人世帯 11,403円 14,727円 +3,324円
3人世帯 12,884円 17,068円 +4,184円
4人世帯 13,531円 16,384円 +2,853円
5人世帯 14,436円 19,245円 +4,809円

冬の電気代が夏より高くなる理由は複数あります。まず、暖房費が冷房費より多くかかること。次に、日照時間の短縮により朝夕に電気をつける時間が夏より長くなること。さらに、雪などで外出頻度が少なくなり在宅時間が増えることで、テレビや暖房など電気を使う時間が増えることが挙げられます。

過去3年度の全世帯月平均でも、2024年度は夏10,013円・冬13,445円、2023年度は夏8,390円・冬10,974円、2022年度は夏9,764円・冬14,646円と、一貫して冬の電気代の方が高くなっています。

暖房と冷房の電気代を安くする節電・節約方法

  • 設定温度は暖房20℃・冷房28℃が環境省の推奨値で節電の起点になる
  • 自動運転モードの活用で無駄な消費電力を抑えられる
  • サーキュレーターと断熱対策でエアコンの負担を減らせる
  • フィルター掃除(2週間に1回)で25%の節電効果が期待できる
  • 室外機周りの整理と日陰確保が冷暖房効率の向上につながる

設定温度と自動運転の使い方で電気代を減らす

設定温度と自動運転の使い方で電気代を減らす

設定温度は環境省が推奨する暖房20℃・冷房28℃を目安にすることで、快適さを保ちながら電気代を抑えることができます。設定温度を1℃緩和すると消費電力量が冷房なら約13%・暖房なら約10%削減されると見込まれています。たとえば冷房を27℃から28℃に変更すると年間約940円、暖房を21℃から20℃に変更すると年間約1,650円の節約を期待でき、合計で年間約2,500円程度の節約になるとの報告があります。

運転モードは自動運転を積極的に活用しましょう。風量を「弱」にするよりも自動運転モードを活用する方が節電になることが多いです。弱風だと設定温度に達するまで時間がかかり、かえって消費電力量が増えてしまいます。自動運転モードは最も電力を使う時間を短縮し、無駄な消費を抑えられます。

省エネ・エコ運転などの省エネ機能も積極的に活用しましょう。最近のAI搭載モデルは人や家具の位置、部屋の間取りなどを踏まえて運転を最適化できます。風向きについては、暖房は「下向き」、冷房は「水平」もしくは「上向き」に設定すると空気を効率的に循環させることができます。起動直後はカーテンを閉め、サーキュレーターで天井の暖気を足元へ送ると立ち上げの電力を抑えられるとの情報もあります。

サーキュレーター・断熱対策でエアコンの負担を減らす

サーキュレーター・断熱対策でエアコンの負担を減らす

サーキュレーターの活用は、暖房・冷房どちらの効率向上にも効果があります。冷房時はサーキュレーターをエアコンに背を向けるように床へ設置し、天井や壁に向けて風を送ると効果的との報告があります。暖房時はエアコンの対角線上にサーキュレーターを置き、エアコンに向けて風を送ると部屋全体を効率的に暖められます。サーキュレーターを使えば空気のムラがなくなり、設定温度を控えめにしても快適に過ごせるため、電気代の節約につながります。

断熱対策も重要な節電手段です。窓はガラス一枚のため熱が外へ逃げやすく、冷気を室内に取り入れてしまうため、断熱シートやカーテンで工夫することが大切です。具体的には、窓に断熱シートや遮熱ロールスクリーンを設置する、厚手カーテンを床まで垂らして漏気を遮断する、サッシとドアのすき間をテープで封止するといった対策が有効です。床にラグや断熱マットを敷くと体感温度が上がり、暖房設定を1度低くできることもあります。

加湿も冬の節電に役立ちます。加湿で相対湿度40〜60%に保つことで、同じ室温でも暖かく感じやすくなり、節約につながるとの報告があります。断熱と気密が弱いと暖房の消費電力が増え、同じ体感温度に達するまでの時間も長くなるため、住環境の改善は継続的な節約効果が期待できます。

フィルター掃除と室外機のメンテナンス

フィルター掃除と室外機のメンテナンス

フィルターが目詰まりすると空気を吸い込む効率が下がり、より多くの電力が必要になります。フィルターは2週間に1度は掃除することが推奨されており、フィルターを掃除すれば目詰まりした状態と比べて25%の節電が期待できます。6畳用エアコン冷房の場合、フィルター掃除で年間の電気代が約1,080円安くなるというデータがあります。

また、フィルター掃除前後での消費電力を比較すると、掃除前より掃除後の方が約20%も電力消費が減少したとの報告もあります。掃除方法はシンプルで、取り外したフィルターを掃除機で吸い取るか、水洗いして陰干しするだけで十分です。

室外機のメンテナンスも見逃せないポイントです。室外機の周りに物が置かれていたり、カバーで覆ってしまったりすると、放出した熱・冷気を再び吸い込んでしまいます。室外機周囲はきちんと片付け、風通しを良くすることが大切です。直射日光が当たる場所に設置されている場合、冷房の運転効率が下がるため、吹出口を塞がないよう1mほど離れた場所に植木を置くなどして日陰を作ると効果的です。冬は霜付き防止のため、室外機の下に水はけの良いマットを敷くと安定運転に寄与するとの報告があります。

冷房・暖房の使い方で迷いがちなQ&A

冷房・暖房の使い方で迷いがちなQ&A

Q. 冷房と除湿、どちらが電気代が安い?

冷房は室内の熱を外へ逃がして室温を下げることが目的、除湿は湿度を下げることが目的と、両者には違いがあります。弱冷房除湿は消費電力が控えめな分、除湿量も少なめです。再熱除湿は消費電力が大きいものの、除湿量が多く快適さを維持しやすい特徴があります。どちらの方式を採用しているかは機種によって異なります。

Q. 暖房と冷房の設定温度の目安は?

環境省の推奨は暖房が20℃、冷房が28℃です。エアコンをよく使っている世帯を対象とした環境省の調査によると、暖房の設定温度を20℃に設定している世帯が最多で、冷房では28℃が全体の約3割で最多となっています。設定温度を1度変えるだけで電気代は約10%変動するとの報告もあります。

Q. 200Vのエアコンは100Vより電気代が高い?

エアコンの電気代は200Vでも100Vでも変わりません。電圧(V)は出力に関係しますが、消費電力には影響を与えないためです。なお、200Vのエアコンはサイズの大きいモデルに多く見られ、サイズが大きいと消費電力も大きくなるため電気代が高いイメージを持たれやすいです。

Q. 最新エアコンと古いエアコンで電気代は変わる?

10年前の機種と比べると最新エアコンは約15%省エネです。電気料金の節約だけが目的であればすぐの買い替えは必須ではありませんが、古いエアコンを使い続けている場合は省エネラベルを確認しながら検討するとよいでしょう。電気代の計算式は「消費電力(kW)× 使用時間(h)× 電気料金単価(円/kWh)」で、2024年の目安単価は1kWhあたり31円(公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会「新電力料金目安単価」)です。

暖房と冷房の電気代を比較して節電するためのまとめ

この記事のまとめです。

  • 暖房の方が冷房より電気代が高くなる(外気温と設定温度の差が冬の方が大きいため)
  • 10畳用エアコンで期間消費電力量ベースの1ヶ月電気代は暖房約3,525円・冷房約1,730円(省エネ性能カタログ2024年版)
  • 設定温度の目安は暖房20℃・冷房28℃(環境省推奨)
  • 設定温度を1℃調整することで冷房約13%・暖房約10%の消費電力量削減が見込まれる
  • 自動運転モードを活用すると手動弱運転より効率的な場合が多い
  • サーキュレーター併用で暖気・冷気を部屋全体に循環させ、設定温度を控えめにできる
  • フィルターの掃除(2週間に1回の目安)で25%の節電効果が期待できるというデータがある
  • 室外機の周りは風通しを確保し、物を置かないこと
  • 窓の断熱シートやカーテンで熱の出入りを減らすと暖房の負担が減る
  • 短時間の外出はつけっぱなしが有利な場合もある(暖房は外気温3℃以下で30分以内が目安)
  • 総務省家計調査では冬の電気代は夏より世帯によって月2,000〜5,000円程度高い
  • 期間消費電力量は定格消費電力より実態に近く、比較の際は期間消費電力量を参考にすること
  • 電気代の計算式:消費電力(kW)× 使用時間(h)× 電力料金単価(円/kWh)
  • 2024年の電力量料金目安単価は31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会)
  • 古いエアコンは最新機種より消費電力が高い傾向があり、省エネラベルを確認して比較検討することが大切
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