「エアコンをつけると電気代がどのくらい跳ね上がるのか」——夏の冷房シーズンや冬の暖房シーズンに、毎月届く電気代の明細を見てため息をついた経験はありませんか。
エアコンの電気代は「消費電力(kW)×電気料金単価(円/kWh)×時間」というシンプルな式で計算できます。ただし、エアコンは他の家電と違い、起動直後と安定運転中で消費電力が大きく変化するため、カタログの数値だけでは正確な金額がつかみにくいのも事実です。
この記事では、6畳から18畳までの畳数別・冷房と暖房別に「1時間あたりの電気代の目安」を早見表でわかりやすく紹介します。さらに、設定温度や除湿(ドライ)モードの使い方によってどれだけ変わるか、「つけっぱなし」と「こまめに消す」はどちらがお得かという疑問にも、条件別に答えます。今日からすぐ実践できる節約術もあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。
- エアコンの電気代は「消費電力(kW)×31円/kWh×時間」で計算できる(目安単価31円/kWhは全国家庭電気製品公正取引協議会の2022年7月改定値)
- 6畳用冷房なら1時間約2〜25円が目安で、暖房は冷房より高くなりやすく外気温の影響が大きい
- 「つけっぱなし」が得になるのは30分以内の外出・猛暑日(外気温36℃以上)など条件付きで、こまめな消し入れが逆効果になるケースがある
- フィルター清掃・設定温度の適正化・サーキュレーター活用でさらに節約できる
エアコンの電気代1時間はいくら?畳数・冷暖房別の早見表
- 電気代の計算式と単位変換(W→kW)の基本
- 畳数別・冷房と暖房それぞれの1時間あたり目安金額
- 1日・1ヶ月に換算した場合のシミュレーション
- 旧型エアコンと最新モデルの電気代差(10年で年間1万3千円以上の差も)
- パナソニック(2026年モデル)の機種別実額データ
エアコンの電気代1時間の計算方法と単位の読み方

エアコンの1時間あたり電気代は「消費電力(kW)×電気料金単価(円/kWh)×使用時間(h)」で算出できます。電気料金の目安単価は31円/kWh——これは公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が2022年7月に改定した主要電力会社10社の平均単価です。
カタログや本体表示がW(ワット)表記の場合は、1,000で割ってkWに換算します。例えば500Wのエアコンなら、500÷1,000=0.5kWです。この換算を忘れると計算結果が大きくズレるので注意しましょう。
ただし、エアコンの消費電力は「定格値(例:1,600W)」と「最小〜最大の範囲(例:80W〜2,020W)」が併記されており、常時定格で動くわけではありません。エアコンは設定温度に達するまでフルパワーで運転し、達した後は消費電力を大きく絞る仕組みのため、表示消費電力から正確な電気代を計算することには限界があります。
より正確な年間電気代を把握したい場合は「期間消費電力量(kWh)×料金単価」の計算が適しています。期間消費電力量とは、冷房期間(5/23〜10/4・135日・18時間/日)と暖房期間(11/8〜4/16・160日・18時間/日)を合算した年間目安電力量で、JIS C 9612:2013に準拠した値です。カタログに掲載されているため、機種選定の比較基準として活用できます。
地域や電力会社・プランによっても単価は大きく異なります。例えば関東では29.80〜40.49円、九州では18.37〜26.97円という幅があります。目安単価31円/kWhで計算した結果はあくまで参考値として扱いましょう。

畳数別・冷房と暖房の1時間あたり電気代早見表(6畳〜18畳)

環境によって変動するため、以下はあくまで目安の範囲です。機種・年式・設置環境により大きく異なります。
冷房・暖房の1時間あたり目安(電気料金単価31円/kWh基準)
| 畳数 | 冷房の目安(円/時) | 暖房の目安(円/時) |
|---|---|---|
| 6畳 | 約10〜25 | 約15〜35 |
| 8畳 | 約12〜28 | 約18〜42 |
| 10畳 | 約14〜32 | 約22〜50 |
| 12畳 | 約18〜40 | 約28〜60 |
| 18畳 | 約28〜60 | 約40〜95 |
上記は標準断熱・平常運転での目安レンジです。パナソニック2026年モデル(Xシリーズ)の期間消費電力量から算出した冷房時1時間あたり電気代は、6畳用2.1円/h・8畳用2.4円/h・10畳用2.6円/h・14畳用3.8円/h・18畳用6.0円/hとなっており、省エネ性能の高い最新機種では上記の下限値に近い数値になる傾向があります。同社Jシリーズ(廉価モデル)では6畳2.9円/h・8畳3.2円/h・10畳3.4円/h・18畳8.3円/hで、同じ畳数でもシリーズにより差が出ます。
暖房は冷房より消費電力が高くなる傾向があります。外気温が低いほど室内との温度差が大きくなり消費電力が増えるためです。大手エアコンメーカー6社の試算(単価27円/kWh)では1時間あたりの電気代が「冷房:約2.8〜24.3円」「暖房:約2.8〜40.5円」とされており、暖房の上振れ幅が顕著です。6畳と12畳では1時間の冷房時電気代に約2倍以上の差が出ることもあります。

1日・1ヶ月の電気代シミュレーションと旧型vs最新モデルの差

具体的なシミュレーション例として、ダイキン「うるさらX Rシリーズ AN283ARS-W(10畳用)」の場合を見てみましょう。このモデルの1時間あたり電気代は17.05円で、使用時間別の電気代は下記のようになっています。
| 使用パターン | 1日あたり | 1ヶ月(30日)あたり |
|---|---|---|
| 1日8時間 | 136.4円 | 4,092円 |
| 1日12時間 | 204.6円 | 6,138円 |
| 1日24時間 | 409.2円 | 12,276円 |
8畳程度のエアコンなら年間電気代の目安は700〜800kWh×27円=約18,900〜21,600円という試算もあります。パナソニック2026年モデルで言えば、14畳Xシリーズ(CS-X406D2)の1ヶ月あたり冷房電気代が2,046円/月、Jシリーズが3,190円/月と、同じ畳数でもグレードによって差があります。
省エネ性能は機種・年式により大きく異なります。三菱電機「霧ヶ峰 FZシリーズ」18畳用で2011年モデルと2025年モデルを比較すると、年間電気代の差額は約13,485円にのぼります。旧型や目詰まりしたフィルターのある機種では、同条件でも10〜40%高くなることがあります。10年以上前の機種を使い続けている場合は、買い替えによる節電効果も検討に値するでしょう。エアコンの電気代は住宅の断熱性能や設置環境・使用条件によって変動するため、あくまで目安として扱ってください。

エアコンの電気代を左右する要因と今すぐできる節約術
- 設定温度・除湿(ドライ)モード・風量による電気代の変化
- つけっぱなし vs こまめに消す——どちらがお得か(条件別解説)
- フィルター清掃・サーキュレーター活用・電力プラン見直しの実践法
- 電気代高騰の背景(2022年以降の燃料費高騰・再エネ賦課金)と補助金情報
設定温度・除湿モードで1時間の電気代はどう変わる?

設定温度は電気代に直結する要因のひとつです。冷房時は設定温度が低いほど消費電力が上がる傾向があります。6畳用インバーター機(電気料金31円/kWh)での設定温度別の試算では、以下のような差が出ています。
| 設定温度(自動運転) | 消費電力 | 1時間の電気代 |
|---|---|---|
| 24℃ | 0.59kWh | 約18.2円 |
| 26℃ | 0.49kWh | 約15.2円 |
| 28℃ | 0.39kWh | 約12.1円 |
| 30℃ | 0.29kWh | 約9.0円 |
25℃設定と28℃設定の比較では消費電力に約15〜25%の差が出ることがあります。暖房は23℃基準で1℃上げるごとに消費電力が約7〜12%増える傾向があり、20℃と26℃では約20〜40%の差が生じる可能性があります。ただし、これらの数値は使用環境(室内外の温度・湿度・断熱性など)により変動するため、あくまで目安として参考にしてください。
除湿(ドライ)モードについては、弱冷房除湿と再熱除湿の2種類があり電気代に大きな差があります。6畳用インバーター機(31円/kWh)でのモード別1時間電気代は、冷房が約15.2円・弱冷房除湿が約12.1円・再熱除湿が約20.2円・送風が約1.6円です。再熱除湿は除湿後に空気を再加熱するため消費電力が増えます。冷房と除湿どちらが省エネになるかは室内外の環境によって変わります。「暑い」と感じる場合はまず冷房、「蒸し暑い」と感じる場合は除湿を選ぶのが基本的な考え方です。

つけっぱなし vs こまめに消す——条件別の損得を解説

「つけっぱなし」か「こまめに消す」かは、外気温・断熱性・部屋の広さ・在室時間によって変わるため、一律に判断できません。条件別の考え方を整理しておきましょう。
基本の考え方として、同じ時間使うのであれば「つけっぱなし」がお得とされています(パナソニック エアーマイスターの見解)。エアコンはインバーター技術により、設定温度まではフルパワーで運転しますが、一度部屋が涼しくなると低消費電力でキープできます。頻繁なオン・オフは起動時の最大消費電力を繰り返すことになり、逆に電力を消費する場合があります。
外出時の判断については、外気温35℃以下の場合はエアコンを消して出かけるほうが電気代の節約になることがある一方、外気温36℃以上の猛暑日はつけっぱなし運転がお得とされています。外出30分以内なら弱運転のまま維持するほうが再起動時のピーク消費を避けられる場合があります。
部屋の大きさによる傾向も異なります。6〜8畳などの小部屋は室温の復帰が速いため停止→再起動でも影響が小さく、14畳以上の大部屋は連続の微弱維持が有利になりやすいとされています。また、冬(暖房)は外気が低いほど起動時の負荷が大きくなるため、夏(冷房)と比べて判断が変わる点にも注意が必要です。
一方で、24時間連続使用はエアコン内部に水分がたまりカビが発生しやすい環境になるとのことで、1日数時間は停止させて内部を乾燥させることが推奨されています。
フィルター清掃・サーキュレーター活用・プラン見直しで節約する

電気代を下げるために今日からできる対策を紹介します。
フィルター清掃はフィルターが目詰まりすると空気をうまく吸い込めなくなり、余計な電力消費につながります。2週間に1回を目安に掃除することで熱交換効率を維持でき、同じ設定温度でも消費電力の上振れを抑えられます。
室外機の管理については、前後30cm以上のスペースを確保し、直射日光が当たる場合は日除けルーバーやすだれで遮熱することで過負荷を抑制できます。室外機周りの草は刈り取り、植木鉢などを置かないようにするのがポイントです。
サーキュレーターの活用では、冷房時は上向き(天井へ)、暖房時は下向き(床へ)に使うことで室内の温度ムラが減り、設定温度を冷房+1℃・暖房−1〜2℃に抑えられる場合があります。扇風機やサーキュレーターを併用することで体感温度を調整し、冷房28℃設定でも快適に過ごしやすくなるのが省エネの基本です。
風量設定は「自動」が最も効率的になりやすい傾向があります。設定温度到達後に出力を自動で絞ることで無駄な電力消費を抑えられます。はじめから弱運転にすると、設定温度に達するまでの時間が長くなり逆に電気代がかさむことがあります。
窓の断熱対策として、遮光カーテン・二重サッシ・すきま風対策で熱損失を抑えると、エアコンの負荷を大きく下げられます。また加湿で暖房時の体感温度を上げると設定温度を下げやすくなり、暖房の消費電力を抑えられる可能性があります。
電力プランの見直しもあわせて検討に値します。エアコンの電気代は「消費電力×電気料金単価×時間」で決まるため、単価の見直しは即効性があります。時間帯別料金や季節別プランへの契約変更も選択肢のひとつです。
電気代が高騰している背景と補助金・節約プランの活用法

2023年1月〜12月の一般家庭の電気代平均は1ヶ月あたり10,222円(総務省統計局2024年2月発表データ)となっています。地域別で見ると、関東10,080円・北海道12,212円・九州8,866円・関西8,625円(30A契約・月300kWh使用時の2024年年間平均)と大きな差があります。
電気代高騰の背景には複数の要因が重なっています。コロナ禍後の燃料需要急増・ウクライナ情勢による天然ガス・石油の価格高騰・再エネ賦課金の上昇・火力発電所の廃止増加などが挙げられます。2023年6月に各電力会社が政府の承認を受けて電気代の値上げを実施した際は、燃料費高騰と円安が主因とされています。
政府はこれまで「電気・ガス価格激変緩和対策事業」として補助金を支給してきましたが、補助の終了とともに電気代が再上昇した経緯があります。2025年夏の電気代補助金については、1kWhあたり2.0〜2.4円を自動で割引する形での実施が決定しています(7月・9月が2.0円/kWh、8月が2.4円/kWh)。申請は不要で、電力会社が自動で割り引いた金額で請求する仕組みです。
2025年以降も電気代は燃料価格・為替・再エネ賦課金の動向によって変動する見込みであり、継続的な情報収集が必要な状況です。電気代の節約には電力会社・プランの見直しも有効で、過去12ヶ月の使用量と料金を一覧化し、時間帯別単価と在宅時間を照合して判断する方法が考えられます。

エアコンの電気代1時間の計算方法と節約術まとめ
この記事のまとめです。
- エアコンの電気代1時間は「消費電力(kW)×料金単価(円/kWh)×時間」で計算できる
- 全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価は31円/kWh(2022年7月改定)
- 消費電力はW表示を1,000で割ってkWに換算する(例:500W=0.5kW)
- エアコンは起動時はフルパワー、設定温度到達後は消費電力を大きく絞るため実際の電気代は変動する
- 6畳冷房の1時間あたり電気代は機種により約2〜25円が目安で、環境によって変動する
- 畳数が大きいほど必要な冷暖房能力が増し、1時間あたりの電気代も高くなる
- 暖房は冷房より消費電力が高くなりやすく、外気温が低いほどさらに増える傾向がある
- 設定温度を冷房で1℃変えると消費電力が5〜10%程度変わる傾向があり、環境によって異なる
- 除湿(ドライ)は弱冷房除湿が省エネ、再熱除湿は電気代がかかりやすい
- 「つけっぱなし」が得になるのは30分以内の外出・猛暑日(外気温36℃以上)などの条件付き
- フィルターは2週間に1回の清掃で熱交換効率を維持し消費電力の上振れを防げる
- サーキュレーターを冷房時は上向き・暖房時は下向きに使うと設定温度を緩めにできる場合がある
- 最新モデルは旧型比で省エネになっており、10年以上前の機種では年間1万円以上の差が出ることもある
- 電気代は地域・契約プランによって大きく異なり、プラン見直しが節約の即効策になる場合がある
- 省エネ性能は機種・年式により大きく異なるため、買い替え検討時は期間消費電力量(kWh)を比較基準にするのがおすすめ
