冬になると、暖房やホットカーペットで電気代が一気に上がり、「ペットのためとはいえ家計がつらい……」と感じるご家庭は多いと思います。そこで注目されているのが、コンセントを使わずにペット自身の体温や保温素材だけで暖かさをキープする「電気のいらない保温ベッド」です。
ホームセンターや通販サイトでは、アルミシートや厚手のクッションを組み合わせたドーム型ベッドやマットタイプの商品が多数販売されており、「電気代を抑えたい」「コードや火災が心配」という飼い主さんの強い味方になっています。カインズの「電気のいらない保温ベッド」や、ドギーマンの電気不要保温マットなどは、屋根や底面にアルミシートを入れ、長めのカーテンやボア生地で保温性を高めているのが特徴です。
この記事では、日本国内の一般家庭で犬・猫を飼っている方向けに、電気のいらない保温ベッドの仕組みや電気代の節約効果、ペット用ヒーターとの違い、安全性、そして失敗しにくい選び方・使い方までをまとめて解説します。
- 電気のいらない保温ベッドの仕組みと保温力の考え方が分かる
- ペット用ヒーターとの電気代・安全性の違いを具体的にイメージできる
- 失敗しにくいサイズ・形状・素材の選び方が分かる
- 電気暖房との併用や長く清潔に使うコツまで押さえられる
電気のいらない保温ベッドの仕組みと節約効果
- 電気を使わないのに暖かい仕組み
- ペット用ヒーターとの電気代比較
- 火災リスクが低い安全性のメリット
- 向いているペットと家庭のタイプ
この記事では、日本の一般家庭向けの電気料金を試算する目安として、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が示している「電力料金目安単価」31円/kWh(税込)を使います。
実際の1kWhあたりの単価は、契約している電力会社や料金プラン、燃料費調整額、再エネ賦課金などによって変わります。
正確な金額を知りたい場合は、お手元の検針票や電力会社のマイページで「電力量料金単価」や「1kWhあたりの単価」を確認し、この記事の計算式の31円部分を自宅の単価に置き換えて計算してください。
電気を使わないのに暖かい仕組み

電気のいらない保温ベッドは、その名前のとおりヒーターやコンセントを使わず、「ペット自身の体温」と「保温素材・形状」の力で暖かさを維持する構造になっています。
代表的な仕組みは次の三つです。
1つ目は、ドームやトンネルのような「囲まれた形状」です。ドーム型ベッドは、屋根と側面で空間を覆い、入口にカーテン状の生地を付けることで、内部の暖かい空気を逃がしにくくします。カインズの「電気のいらない保温ベッド」でも、屋根と底にアルミシートを入れ、長めのカーテンで外気やエアコンの風を遮り、体温を逃がしにくい構造になっています。
ペットが中に入って眠ることで、体から出た熱がベッド内部にとどまり、時間とともにぬくもりが溜まっていきます。
2つ目は、アルミシートや断熱材による「熱反射」と「断熱」です。アルミは放射熱(輻射熱)をよく反射する性質があり、住宅用のアルミ断熱シートでも、入ってきた放射熱を反射して熱の出入りを抑える仕組みが使われています。
ペット用保温マットでも、内部に反射熱アルミシートと空気層を組み合わせることで、床からの冷気を遮りつつ、ペットの体から出た熱を反射して戻す構造のものが多く販売されています。
3つ目は、ボア生地やポリエステルわたなどの「ふかふかした保温素材」です。ボアやフリースなどの起毛生地は、繊維の間にたくさん空気を含み、断熱材として働きます。ドギーマンの電気不要保温マットのように、保温素材・熱反射アルミ・ダウン・すべり止めなどを組み合わせた商品もあり、床からの冷えを遮りつつ、体温で温まった空気をキープできるよう工夫されています。
電気不要のホットマットには、「ペットの体温でじんわり暖かくなる」「体温で表面温度が約+5度」などと説明されている商品もあり、体温が高めの犬や猫にとっては、寝ているうちに自然とポカポカしてくる構造です。
ただし、これらはあくまで「保温ベッド」であり、電気ヒーターのように自ら高温を発生させるものではありません。部屋の温度が極端に低い(真冬の未暖房で室温が一桁台)場合、ベッドの中も十分に暖かくならない可能性があります。あくまで「部屋の暖房+ベッド」の組み合わせで、最後のひと押しをしてくれるアイテムと考えておくと、期待値のバランスが取りやすくなります。
ペット用ヒーターとの電気代比較
電気代の観点から見ると、「ベッドそのものに電気を使うかどうか」が大きな違いになります。
電気のいらない保温ベッドは、商品自体には電気代がかかりません。電気代が発生するのは、部屋全体を暖めるエアコンや、併用して使う場合のペット用ヒーター分だけです。
一方、ペット用ホットカーペットやペットヒーターは、消費電力に応じて電気代がかかります。電気代の基本的な計算式は、家庭向けの電力会社や省エネ情報サイトでも、次のように説明されています。
- 電気代(円) = 消費電力(kW) × 使用時間(h) × 電力料金単価(円/kWh)
例えば、10W(0.01kW)のペット用ホットカーペットを、電力料金単価31円/kWhで1日8時間使用した場合の電気代は、次の通りです。
- 0.01kW × 8h × 31円 ≒ 2.48円/日
実際に、日本の比較サイトでも「ペット用ホットカーペット(消費電力10W程度)は、1日8時間使用で1日あたり2〜3円が目安」と紹介されています。
これを30日続けると、およそ75円前後になります。金額だけを見ると小さく感じますが、複数台を使ったり、1日10〜12時間つけっぱなしにしたりすると、月単位では無視できない額になります。
消費電力が大きい50Wクラスのホットマットの場合、電力料金単価27円/kWhを用いると、1時間あたりの電気代は約1.35円です(0.05kW × 1h × 27円)。この条件で8時間×30日使うと、約324円になります。
さらに、ペットヒーターの電気代をまとめたシミュレーションでは、100Wのヒーターを1日10時間、1か月使用した場合、電力料金単価27円/kWhで約930円になるという例も紹介されています。
これらと比較すると、電気のいらない保温ベッド自体の電気代は0円です。そのため、例えば次のような使い方ができれば、トータルの電気代を確実に抑えやすくなります。
- 部屋のエアコンは設定温度をやや控えめにしつつ、ベッド内でしっかり暖を取ってもらう
- 留守中はペットヒーターをオフにし、「エアコン(室温キープ)+電気不要ベッド+毛布」で対応する
なお、電気代の明細は「基本料金」「電力量料金(従量料金)」「燃料費調整額」「再エネ賦課金」などの合計で構成されています。
この記事で行う試算は、あくまで「電力量料金単価」を使った概算です。実際にどれだけ節約できるかは、契約アンペアや他の家電の使い方によっても変わるため、検針票の単価と、実際の使用時間を当てはめて計算してみることをおすすめします。
火災リスクが低い安全性のメリット
電気のいらない保温ベッドの大きな強みは、「電気トラブルによる事故リスクがほぼない」点です。
ペット用ヒーターやホットカーペットは、多くの商品で安全装置が備わっているものの、次のようなリスクはゼロにはなりません。
- コードをかじってしまい感電する
- 同じ場所に長時間接してしまい、低温やけどになる
- 機器の故障や異常発熱により火災につながる
獣医師による解説でも、ペットヒーターやホットカーペットの長時間使用により、犬や猫が低温やけどを起こすリスクが指摘されています。特に、逃げ場のない狭いケージ内での使用や、ヒーターとの直接接触が続く状態は危険とされています。
また、動物病院やペット関連サイトでは、「暖房器具やペットヒーターのコードをかじって感電する」「口の中の火傷や最悪の場合火災につながる」といった事故例への注意喚起も行われています。
これに対して、電気のいらない保温ベッドや保温マットは、アルミ保温シートとクッション、ボア生地などの組み合わせで構成されており、内部に電気部品やコードを持ちません。ペット自身がかじってしまっても、電気的な感電や発火のリスクは基本的にありません(もちろん、誤食や窒息のリスクを防ぐため、破れやほつれがないかのチェックは必要です)。
特に、シニア期のペットや持病のある子は、自分で寒さや熱さから逃げる反応が遅くなりがちです。電気ヒーターの場合、「熱くなりすぎていても動けず、低温やけどになってしまう」という心配がありますが、体温でじんわり温まるタイプなら、極端な高温になりづらく、長時間の留守番時にも安心感があります。
一方で、保温ベッドも布製品である以上、
- 中材やアルミシートをかじって誤飲しないか
- 湿った状態が続いてカビやニオイの原因になっていないか
など、日常的なチェックは欠かせません。「電気を使わないから絶対安心」と過信せず、定期的な点検と買い替えはセットで考えておきましょう。
向いているペットと家庭のタイプ

電気のいらない保温ベッドは万能ではありませんが、特にメリットを感じやすいペットと家庭にはいくつかの傾向があります。
まず、室内飼いの猫や小型犬とは相性が良いケースが多いです。ドーム型やトンネル型のベッドは、「囲まれていると落ち着く」タイプの子に人気で、カインズのようなドーム型ベッドでも、屋根と底面のアルミシートとカーテン付き入口で、底冷えを抑えつつ安心感を高める構造が採用されています。
また、獣医師による解説では、犬や猫の快適な室温はおおよそ20〜25℃前後が目安とされており、小型犬や短頭種、シニア犬は寒さに弱い傾向があるとされています。
こうしたペットにとって、床の冷えを抑え、体温を逃がしにくい保温ベッドは、冬場の体調管理に役立つアイテムになりやすいと言えます。
一方で、超大型犬や、体全体を伸ばして眠ることが多い子は、一般的なドーム型ベッドでは入りきらない場合があります。その場合は、
- 日中は「部屋の暖房+大きめの保温マット」
- 特に冷え込む夜間だけ、低出力のペットヒーターをマットの下に敷いて併用
といった使い分けが現実的です。
家庭側の条件としては、次のような悩みがあるご家庭で、電気のいらない保温ベッドのメリットが特に大きくなります。
- 電気代の高騰を少しでも抑えたい
- 長時間の留守番が多く、電気ヒーターをつけっぱなしにしたくない
- コンセントが少なく、コードをあまり増やしたくない
- ペットがコードをかじってしまう癖がある
逆に、築年数が古く断熱性が極端に低い住宅や、真冬の室温が一桁台まで下がってしまう環境では、保温ベッドだけに頼るのは危険です。部屋全体の断熱・暖房も併せて見直しつつ、「エアコンやストーブで室温をある程度キープ+保温ベッドで底冷えを防ぐ」という組み合わせで考えることが大切です。
電気のいらない保温ベッドの選び方と使い方
- サイズと形状の選び方のポイント
- 素材と保温構造とお手入れのしやすさ
- エアコンなど電気暖房との併用術
- 長く清潔に使うための注意点
ここからは、実際に購入する場面をイメージしながら、「どれを選び、どう使えば失敗しにくいか」を具体的に見ていきます。
サイズと形状の選び方のポイント

まず大切なのは、ペットの体格に合ったサイズと、その子の性格に合った形状を選ぶことです。
市販の電気不要保温ベッドは、「幅36cm×奥行60cm×高さ25cm」のように、外寸が明記されています。ドーム型の場合は、内寸や入口の幅・高さが別途記載されていることも多いので、普段ペットが丸まって寝ているときの大きさを測り、
- 丸まった状態で一回り余裕がある
- 寝返りを打てる
- 入口からスムーズに出入りできる
といったポイントを満たすサイズを選ぶのが基本です。
形状は、大きく分けて次のタイプがあります。
- すっぽり入れるドーム型・トンネル型
- 上に乗って使うマット型
- ドームとマットが一体になった2WAY型
目安としては、
- 狭い場所や暗いところが好きで、段ボールや紙袋に入りたがる子
→ ドーム型・トンネル型が向いている
- 体を伸ばして寝ることが多い、暑がり気味の子
→ マット型や入口が大きく開いたハウス型が向いている
というイメージで選ぶと、実際に使ってくれる可能性が高くなります。
多頭飼いの場合は、「1匹につき1つ」を基本にしつつ、兄弟や仲良しペアでくっついて眠るのが好きな場合は、少し大きめサイズを1つ用意して様子を見るのも一つの方法です。その際は、誰か1匹が独占してしまわないか、入口で押し合いにならないかも観察しましょう。
子犬・子猫やシニアのペットでは、入口の高さやステップにも注意が必要です。段差が高すぎると出入りのたびに負担になったり、足をひねったりする危険があるため、できれば実寸を確認し、段差が大きい場合は前に薄いマットやタオルを敷いてスロープ代わりにしてあげると安心です。
素材と保温構造とお手入れのしやすさ

次にチェックしたいのが、表地・中材・裏地・保温シートといった素材構成と、お手入れのしやすさです。
多くの電気不要保温マットでは、
- 表地:ボアやフランネルなどのポリエステル生地
- 中材:ポリエステルわた
- 裏地:滑り止め付きのポリエステル生地
- 内部:アルミや発泡ウレタンなどを組み合わせた保温・断熱シート
といった構造が採用されています。
このように、アルミシートで体からの放射熱を反射しつつ、空気を含んだ繊維層で断熱することで、床からの冷気を遮りながら体温由来の熱を溜める仕組みになっています。
選ぶ際には、次のポイントを意識すると実用性が上がります。
- カバーが外せて洗えるか
- 毛やヨダレ、粗相がついても洗濯しやすく、衛生的に使える
- 本体ごと手洗い・洗濯機洗いできるか
- 商品ごとに「手洗い可」「洗濯機可」などの表示があるので必ず確認する
- 滑り止め加工の有無
- フローリングの上でもズレにくく、元気な子が飛び乗っても安心
ドギーマンなどの保温マットには、「すべり止め」「抗菌・防臭」「静電気防止」「熱反射アルミ」「遠赤外線」など、複数の機能を組み合わせた商品もあります。
冬場はどうしても使用時間が長くなるため、毛が絡みにくい・静電気でホコリを寄せにくい・ニオイが残りにくいといった機能は、結果的に掃除の手間削減と快適性の向上につながります。
一方で、あまりにも厚手で保温性の高い素材は、毛量が多い犬種や、暑がりの子には向かない場合もあります。例えば、エアコンをしっかり効かせた部屋で、極厚のベッド+毛布+服を重ねてしまうと、今度は「暑すぎる」という問題が起きやすくなります。
購入前に、
- 今使っているお気に入りの毛布やクッションの厚み
- よく寝ている場所(フローリング・カーペット・ソファなど)
- そのときのペットの様子(丸まるか、伸びるか、すぐ移動するか)
を思い出しながら、「少しだけグレードアップする」イメージで厚さや素材を選ぶと失敗が減ります。
エアコンなど電気暖房との併用術

電気のいらない保温ベッドは、単体で使うだけでなく、エアコンや他の暖房器具との「併用」がとても重要です。
エアコンの電気代は、消費電力量(kWh)と電力料金単価(円/kWh)から計算できますが、電気代の解説サイトでは、エアコンの設定温度を1℃緩和することで、暖房時の消費電力量を約10%削減できるという試算も紹介されています。
つまり、
- ペットが保温ベッドや保温マットを使っている前提で
- 室温はペットにとって快適な20〜25℃前後を保ちつつ
- エアコンの設定温度を1〜2℃下げる
といった調整ができれば、エアコン単体でしっかり暖めるよりも、トータルの電気代削減が期待できます。
具体的な使い方のイメージは次の通りです。
- 日中、在宅している時間帯
- 室温20〜22℃を目安にエアコンを使用
- ペットには保温ベッドや保温マットを用意し、「寒ければ自分で入る」逃げ場をつくる
- 夜間や早朝の冷え込む時間帯
- エアコンの設定温度を少し上げるか、時間帯限定でペットヒーターを併用
- ペットヒーターは中〜弱設定にし、マットの下に断熱シートを敷いて熱を逃がさない工夫をする
- 留守番時
- 室温が一桁台に下がらないように、エアコンで最低限の室温をキープ
- ペットヒーター類は基本オフにし、「エアコン+電気不要ベッド+毛布」で対応する
ペット用ヒーターを併用する場合は、「常にMAXでつけっぱなし」ではなく、
- 寒波の日だけ・特に冷える時間帯だけオンにする
- タイマー機能があれば活用する
- ペットが自由に移動できるよう、必ず逃げ場を用意する
といった工夫をすると、低温やけどや過度な乾燥を防ぎながら電気代も抑えやすくなります。
住んでいる地域の気候、住宅の断熱性、ペットの年齢や体質によって「ちょうどいい」組み合わせは変わるため、室温計と電気代の明細、そしてペットの様子を見比べながら、少しずつ調整していくのが現実的です。
長く清潔に使うための注意点

保温ベッドは冬のあいだほぼ毎日使うアイテムなので、「どれだけ長く清潔に使えるか」も重要なポイントです。
購入時には、まず「洗濯表示」をしっかり確認しましょう。多くの電気不要保温マットは、
- カバーのみ洗濯機可、本体は手洗い
- 本体丸洗い可だが、ネット使用・弱水流のみ推奨
- 中のアルミシート部分は洗えないため、カバーのみ洗浄
といった注意書きがあります。無理に高温洗浄や乾燥機にかけると、中の保温シートがよれたり割れたりして、保温力の低下や変形につながるおそれがあります。
日常のお手入れとしては、次のような習慣をつけると衛生的です。
- 毎日〜数日に一度は、コロコロやブラシで抜け毛を取り除く
- 湿った部分や粗相の跡がないか確認し、あればすぐに洗浄・乾燥する
- 噛み癖のある子の場合、中材やアルミシートが出てきていないかを定期的にチェックする
使用年数が長くなると、
- 中わたがぺたんこになり、床の硬さや冷たさを感じやすくなる
- アルミシートが折れたり破れたりして、カサカサ音がしなくなる
- 表地の毛羽立ちや毛玉が増え、汚れが落ちにくくなる
といった変化が出てきます。
「床の冷たさが伝わりそう」「洗ってもニオイやシミが残る」「中のシートが割れてゴワゴワする」と感じ始めたら、買い替えのサインと考えてよいでしょう。商品や使用環境にもよりますが、冬シーズンを1〜2年しっかり使い切る消耗品と考えておくと、衛生面でも安心です。
シーズンオフの収納時には、
- 取扱説明書に従い、カバーや本体をしっかり洗う
- 完全に乾かしてから、風通しの良い場所で保管する
- 保温シート入りのタイプは、強く折り曲げず、できるだけふんわり畳む
といった点を意識すると、次のシーズンも快適に使いやすくなります。
総括:電気のいらない保温ベッドでペットの快適さと電気代のバランスを取る
- 電気のいらない保温ベッドは、ペットの体温と保温素材・形状を活用する「保温用の寝具」であり、ヒーターのように自ら高温を発生させるものではない
- ドーム型構造やカーテン付き入口は、ベッド内部に暖かい空気をため、ペットから放出された熱が逃げにくい環境をつくる
- 底面や屋根に入ったアルミ保温シートは、体からの放射熱を反射しつつ床からの冷えを抑える役割を担う
- ポリエステルわたやボア生地など、空気を含む素材は断熱層として働き、じんわり暖かさをキープしやすくする
- ベッド自体の電気代はゼロであり、エアコンやペットヒーターの設定温度や稼働時間を見直すことで、トータルの電気代を下げやすい
- ペット用ホットカーペット(10W程度)は、1日8時間使用で1日あたり2〜3円が目安とされており、積み重なると月単位では無視できない額になる
- 100Wクラスのペットヒーターを1日10時間、1か月使用すると約700〜1,000円程度になる試算もあり、複数台・長時間使用では負担が大きくなる
- 電気部品やコードを持たない保温ベッドは、感電や電気起因の火災リスクが大幅に低く、留守番が多い家庭やシニア・持病のあるペットにも安心感をもたらす
- 猫や小型犬、短頭種、小型・シニアの犬など、寒さに弱い傾向のあるペットとは特に相性が良く、ドーム型やトンネル型が人気になりやすい
- サイズ選びでは、普段の寝姿に対して一回り余裕がある内寸と、子犬・シニアでも出入りしやすい入口の高さ・幅を確認することが重要
- 素材面では、カバーの着脱や丸洗いの可否、滑り止め、抗菌防臭、静電気防止など、お手入れと快適性に関わる機能もチェックポイントになる
- エアコンやペットヒーターと併用する際は、保温ベッドの存在を前提に、設定温度や稼働時間を1〜2℃・数時間単位で見直すと電気代節約につながりやすい
- 住宅の断熱性が低い場合や室温が一桁台になる環境では、保温ベッドだけに頼らず、室温管理や断熱対策も合わせて検討する必要がある
- 使用を重ねて中材のヘタリや保温シートの劣化が見られたら、1〜2シーズンを目安に買い替えを検討するのが衛生面・保温性の両面で安心
- 自宅の気候条件、電気料金プラン、ペットの年齢や体質(寒がり・暑がり)を踏まえ、「電気のいらない保温ベッド」と「エアコンやペットヒーター」の最適な組み合わせを探ることが、電気代と快適さを両立する鍵になる
電気のいらない保温ベッドは、「電気暖房をやめてしまうためのもの」ではなく、「電気暖房を上手に減らすための相棒」と考えると活用しやすくなります。ペットの様子と電気代の明細の両方を見ながら、自宅に合ったバランスを見つけていきましょう。
