一人暮らしのエアコン暖房電気代は1ヶ月でいくらか徹底解説

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「一人暮らしでエアコン暖房を使うと、1ヶ月の電気代はいくらくらいが普通なのだろう」「つけっぱなしにしたらいくらになるのか不安」という声はとても多いです。

総務省の家計調査をもとにした新電力比較サイトの集計では、単身世帯の電気代平均は2024年の月額が約6,756円。2019〜2021年は5,000円台でしたが、2022年以降は6,000円台後半で高止まりしていることが分かります。

同じデータを季節別に見ると、2024年1〜3月(冬)の単身世帯の電気代平均は月約7,150円で、ほかの季節より明らかに高くなっています。

この中で、暖房用エアコンが占める割合は大きく、冬の電気代のカギを握る存在と言ってよいでしょう。

本記事では、日本国内の一般家庭向け電気料金(従量電灯など)を前提に、一人暮らしの賃貸マンション・アパート(ワンルーム〜1K程度)でエアコン暖房を使うケースを想定して解説します。エアコン暖房の1ヶ月あたりの電気代の目安、1時間あたりの計算方法、つけっぱなしとの違い、電気料金の仕組み、そして具体的な節約術までを整理しました。

なお、電気料金単価や基本料金、燃料費調整額などは電力会社・料金プラン・地域によって異なります。本記事の数値はあくまで「全国平均やモデルケースにもとづく目安」として、自宅の検針票やアプリの実際の金額と照らし合わせて読んでみてください。

この記事のポイント
  • 一人暮らしの冬の電気代平均と、その中でエアコン暖房が占める金額の目安が分かる
  • エアコン暖房の1時間あたり・1ヶ月あたりの電気代を、自分のエアコンと料金プランで計算できる
  • つけっぱなし運転と、こまめに切る運転で電気代がどう変わるかイメージできる
  • 設定温度・断熱・料金プラン見直し・省エネ家電選び・生活習慣まで、具体的な節約術が分かる
目次

一人暮らしのエアコン暖房電気代

  • 1ヶ月の電気代の相場目安
  • 1時間あたり電気代の計算方法
  • つけっぱなしと間欠運転の違い
  • 冬の電気代が高くなる理由
  • エアコン暖房以外の電気代との比率

1ヶ月の電気代の相場目安

1ヶ月の電気代の相場目安

まず、一人暮らし全体の電気代の平均を押さえておきましょう。

新電力比較サイト「新電力サーチ」が、総務省家計調査の単身世帯データを整理したところ、2019〜2024年度の電気代平均月額は次のように推移しています。

  • 2019年:5,700円
  • 2020年:5,791円
  • 2021年:5,482円
  • 2022年:6,808円
  • 2023年:6,726円
  • 2024年:6,756円

2021年までは5,000円台で比較的安定していましたが、燃料価格高騰や料金改定の影響で、2022年以降は6,000円台後半まで上昇しています。

同じデータを季節別に見ると、2024年の単身世帯の電気代平均は次の通りです。

  • 冬(1〜3月):7,150円
  • 春(4〜6月):5,839円
  • 夏(7〜9月):6,771円

つまり、最近の一人暮らしでは「冬の電気代はだいたい月7,000円前後」がひとつの目安と言えます。もちろん、在宅時間が長い人やリモートワーク中心の人は、8,000〜1万円を超えるケースも珍しくありません。

では、その中でエアコン暖房はいくらくらいを占めているのでしょうか。

ドコモでんきが、資源エネルギー庁のデータをもとに整理したところ、冬の家庭の電気使用量のうちエアコンが占める割合は約32.7%となっています。

単身世帯の冬の電気代平均(約7,150円)にこの割合を掛けると、冬のエアコン(主に暖房)の電気代はおおよそ次のようになります。

  • 7,150円 × 32.7% ≒ 約2,300〜2,400円

新電力サーチの記事でも、同様の計算から「一人暮らしのエアコンの1か月の電気代は、平均で2,300円前後」という目安が示されています。

これに、在宅時間の長短や部屋の断熱性能、エアコンの性能差などを加味すると、

  • 電気代全体:冬は1ヶ月 約7,000円前後(よく使う人は8,000〜1万円超も十分あり得る)
  • そのうちエアコン暖房:1ヶ月 約2,000〜3,000円台がひとつの現実的なゾーン

と考えておくと、実態に近いイメージになります。

ただし、これはあくまで統計値と一般的なシミュレーションにもとづく「平均的な目安」です。木造で断熱性が低い部屋、北向きで日当たりが悪い部屋、在宅時間が長い方などは、同じ一人暮らしでもエアコン暖房の電気代が大きく変わります。

自分の電気代明細を見て、

  • 冬だけ極端に使用量(kWh)が増えていないか
  • 前年同月と比べてどれくらい増減しているか

を確認すると、「うちのエアコン暖房代は平均的かどうか」の感覚がつかみやすくなります。

1時間あたり電気代の計算方法

1時間あたり電気代の計算方法

自分の部屋のエアコン暖房の電気代を把握するうえで便利なのが、「1時間あたりいくらか」を計算する方法です。

電気代の基本的な計算式は、電力会社や家電メーカーの解説で共通して次のように示されています。

電気代(円)= 消費電力(kW) × 電気料金単価(円/kWh) × 使用時間(時間)

ここで使う「電気料金単価」の目安として、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が示す「新電力料金目安単価 31円/kWh(税込)」があります。ドコモでんきなど多くのサイトが、この31円/kWhを前提に家電の電気代を試算しています。

実際の単価は、契約している電力会社やプランによって変動し、おおよそ30円前後〜40円台まで幅がありますが、ざっくり計算するには31円/kWhを使うと分かりやすいでしょう。

例えば、次のような6畳用エアコンを仮定してみます。

  • 暖房時の平均消費電力:0.5kW(=500W)
  • 電気料金単価:31円/kWh

このとき1時間あたりの電気代は、

0.5kW × 31円/kWh × 1時間 = 約15.5円

です。

実際のエアコンは、起動直後は消費電力が大きく、その後は部屋が温まるにつれて消費電力が下がります。大手ガス会社のシミュレーションでは、エアコン暖房の1時間あたりの電気代は、部屋の状態などによって約3.3〜28.5円の範囲で変動し、平均すると約15.9円になると紹介されています。

このことから、一般的な一人暮らしの6畳〜8畳クラスでは、

  • エアコン暖房の1時間あたり電気代:おおよそ10〜20円前後
  • 条件によってはそれより安くも高くもなり得る

とイメージしておくと現実的です。

自分で計算するときは、次の3点を確認しましょう。

1. エアコン本体や取扱説明書に書かれている「暖房時消費電力(W)」を確認する

  • W(ワット)表記の場合は、1000で割るとkWになります(500Wなら0.5kW)。

2. 電力会社の検針票やアプリで、自分の契約プランの「1kWhあたり単価」を確認する

  • 単価は複数段階に分かれていることもあるので、おおまかな平均値で考えます。

3. 上記の式にあてはめて、1時間・1日・1ヶ月の電気代を計算する

例えば「平均0.6kW」「1日6時間」「電気料金単価31円/kWh」であれば、

0.6 × 31 × 6時間 × 30日 ≒ 3,348円

となり、「一人暮らしで暖房をそこそこ使うと、1ヶ月3,000円台半ばくらい」という感覚がつかめてきます。

つけっぱなしと間欠運転の違い

つけっぱなしと間欠運転の違い

冬になると必ず話題になるのが、「エアコンはつけっぱなしが良いのか、こまめに消したほうが良いのか」という問題です。

エアコンの電気代がもっとも大きくなるのは、設定温度まで一気に室温を上げる立ち上がり時です。エネルギー庁データを引用した解説や、新電力比較サイトの記事でも、1日に何度もスイッチを入れたり切ったりすると、そのたびに立ち上がり運転が増えて消費電力がかさむと説明されています。

一方で、24時間つけっぱなしにすると、当然ながら運転時間が長くなるので電気代が増えます。大阪ガスのシミュレーションによると、エアコン暖房の1時間あたり電気代は部屋の状態によって約3.3〜28.5円、平均約15.9円/時間という結果でした。

この平均値(約16円/時間)をもとにすると、

  • 24時間つけっぱなし

16円 × 24時間 × 30日 ≒ 11,500円/月

  • 夜だけ10時間運転(例:18〜翌4時)

16円 × 10時間 × 30日 ≒ 4,800円/月

といったイメージになります。実際には外気温や部屋の断熱性能、設定温度などで変わりますが、「稼働時間が増えれば、ほぼその分だけ電気代も増える」と考えておくと分かりやすいでしょう。

現実の一人暮らしでは、

  • 日中は外出が多く、夜〜朝の数時間だけ暖房
  • 在宅勤務の日だけ日中も使う

といったパターンが多いはずです。この場合の目安として、

  • 30分〜1時間程度の短時間の外出:設定温度を少し下げてつけっぱなし、または自動運転のままにする
  • 数時間以上部屋を空ける:一度電源を切るほうが有利になりやすい

という考え方が、複数の省エネ解説サイトでも紹介されています。

また、設定温度の工夫も重要です。環境省の「家庭でできる節電アクション」では、冬の暖房時の室温は20℃を目安にし、暖房の設定温度を1℃下げると約10%の消費電力削減になると示されています。

例えば、エアコン暖房だけで月4,000円かかっているとすると、理論上は設定温度を1〜2℃見直すだけで、数百円〜1,000円程度の削減余地があるということです。

ポイントを整理すると、

  • つけっぱなしが有利なのは「短時間の外出〜こまめなオンオフを避けたいとき」
  • 数時間以上使わないなら、電源を切った方が有利になりやすい
  • そもそも設定温度を20℃前後まで下げる方が、運転方式の差より電気代へのインパクトが大きい

というバランスで考えると現実的です。

冬の電気代が高くなる理由

冬の電気代が高くなる理由

冬の電気代が高くなる理由は、単に「暖房を使うから」というだけではありません。

ドコモでんきが総務省家計調査をもとにまとめたデータでは、季節別の電気代平均を比較すると、どの世帯人数でも冬(1〜3月)が最も高く、単身世帯でも冬は6,641円(2021年データ)とほかの季節より高い結果になっています。

2024年の単身世帯ではさらに7,150円まで上がっており、暖房需要と電気料金単価の上昇が同時に効いていることが分かります。

さらに、電気料金の仕組み自体も、冬の家計を圧迫しやすい構造になっています。新電力サーチによると、一般的な電気料金は次の要素で構成されています。

  • 基本料金(契約アンペア数や契約容量に応じて毎月一定額)
  • 電力量料金(使ったkWhに応じて段階的に増える従量料金)
  • 燃料費調整額(火力発電の燃料価格の変動を毎月反映)
  • 再生可能エネルギー発電促進賦課金(いわゆる再エネ賦課金)

特に近年は、再エネ賦課金の単価が上昇しており、2025年度の賦課金単価は1kWhあたり3.98円と、過去と比べて高い水準になっています。

使用量が多い家庭ほど、この賦課金が電気代に与える影響も大きくなります。

また、ここ数年は政府による「電気・ガス料金負担軽減支援事業」によって、一定期間電気料金が補助されていました。資源エネルギー庁の資料では、2025年7〜9月使用分の電気料金に対し、家庭向け(低圧)で1kWhあたり2.0〜2.4円の補助が行われたと説明されています。

この補助は2025年9月使用分で終了し、10月使用分(11月請求分)からは補助がなくなりました。省エネ関連サイトの分析では、大手電力10社のモデル家庭において、10月使用分の電気料金はおおむね500円前後の値上がりになると試算されています。

つまり、冬の電気代が高くなる背景には、

  • 暖房による使用量(kWh)の増加
  • 再エネ賦課金や燃料費調整額の単価上昇
  • 政府補助金終了による「割引の消失」

という複数の要因が重なっていると言えます。

エアコン暖房の節約を考える際には、「使用量を減らす工夫」と同時に、「料金単価そのものを下げる(料金プラン・電力会社の見直し)」という視点も欠かせません。

エアコン暖房以外の電気代との比率

エアコン暖房以外の電気代との比率

暖房の電気代を把握するには、「家全体の電気代の中で、エアコン暖房がどれくらいを占めているか」を知ることも大切です。

ドコモでんきが資源エネルギー庁の調査をもとに整理したところ、冬の一般家庭の1日あたり電気使用量は平均14.2kWhで、その内訳は次のようになっています。

  • エアコン:32.7%
  • 冷蔵庫:14.9%
  • 給湯:12.5%
  • 照明:9.3%
  • 炊事:7.9%
  • テレビ・DVD:4.2%
  • 洗濯機・乾燥機:2.2%
  • パソコン・ルーター:0.9%
  • 温水便座:0.6%
  • 待機電力:5.5%

つまり、冬の一人暮らしの電気代が7,000〜8,000円だとすると、その3割前後、ざっくり2,000〜3,000円程度がエアコン暖房というイメージです。残りは冷蔵庫・給湯・照明・テレビ・キッチン家電・洗濯・待機電力などが積み重なったものになります。

暖房機器同士を比較したシミュレーションとしては、電力会社系のコラムで次のような例が紹介されています。

  • エアコン(定格1,000W)を1日8時間、30円/kWhで1ヶ月使うと約7,200円
  • オイルヒーター(1,500W)なら同条件で約10,800円
  • 電気ストーブ(800W)なら約5,760円

ヒートポンプ方式のエアコンは、同じ暖かさを得るなら電気ストーブやオイルヒーターよりも電気代が安くなる傾向があることが分かります。

したがって、

  • 暖房の中心をエアコンにして
  • こたつ・電気ストーブ・電気カーペットなどは「長時間つけっぱなし」にしない

という方針にするだけでも、「エアコンの電気代は多少増えるが、トータルの暖房費は抑えられる」ケースが少なくありません。

エアコン暖房は電気代の中で大きな割合を占めますが、同時に「他の暖房機器と比べると効率が良い」という面もあるため、家全体の使い方のバランスを考えることが大切です。

一人暮らしのエアコン暖房電気代節約術

  • 設定温度と運転モードの工夫
  • 窓・床の断熱とサーキュレーター
  • 電気料金プランの見直し方
  • 省エネ性能の高いエアコン選び
  • 1ヶ月の電気代を抑える生活習慣

設定温度と運転モードの工夫

設定温度と運転モードの工夫

エアコン暖房の電気代を一番シンプルに下げる方法は、「設定温度」と「運転モード」を見直すことです。

環境省の節電キャンペーンでは、冬の暖房時の室温は20℃を目安にし、暖房の設定温度を1℃下げると約10%の消費電力削減になると紹介されています。

ドコモでんきの節電解説でも、暖房使用時には室温20℃を目安とし、設定温度を下げることや使用時間を短くすることが節電につながると説明されています。

この目安をエアコン暖房代に当てはめると、

  • 暖房代が月4,000円なら、設定温度を1℃下げると理論上400円程度の削減効果
  • 2℃下げられれば、条件が同じなら約800円前後の削減が期待できる

というイメージになります(実際の削減額は外気温や部屋の条件によって変動します)。

運転モードについては、多くのメーカーや省エネ解説サイトが「自動運転」を推奨しています。新電力サーチの解説では、

  • こまめなオンオフは起動時の電力が増えて逆効果になりやすい
  • 自動運転で一気に設定温度まで上げ、その後弱い運転に切り替える方がトータルの消費電力が少なくなる

と説明されています。

実際に節約を意識するなら、次のような使い方が現実的です。

  • リモコンのモードは「自動」または「暖房」+「自動風量」を基本にする
  • 設定温度はまず20〜21℃前後を目安にし、寒ければ服装やひざ掛けで調整する
  • 就寝前・外出前に「切タイマー」や「入タイマー」を活用し、無駄な運転時間を減らす
  • 立ち上がり後に必要以上に設定温度を上げ下げしない(こまめな変更は電力増の原因になりやすい)

体感として「厚手の部屋着と靴下、ひざ掛けを使えばちょうど良い」くらいを目指すと、無理な我慢をせずに電気代を抑えやすくなります。

窓・床の断熱とサーキュレーター

窓・床の断熱とサーキュレーター

設定温度を見直しても、部屋の断熱性能が低いと暖かい空気がどんどん逃げてしまい、エアコンはフル稼働になってしまいます。

資源エネルギー庁の省エネ情報では、エアコン暖房の省エネの工夫として、次のようなポイントが挙げられています。

  • ドア・窓の開閉は少なくする
  • 厚手のカーテンを使い、床まで届く長さにする
  • 窓に断熱シートやプチプチなどを貼る
  • 扇風機やサーキュレーターで暖かい空気を循環させる
  • 室外機の周りに物を置かない(吹出口をふさがない)

一人暮らしの賃貸でも、比較的低コストでできる対策が多いです。具体的には、

  • 窓:断熱シート・プチプチ・厚手カーテンで冷気の侵入を抑える
  • 床:ラグやカーペットで床からの冷えを減らす
  • 空気循環:サーキュレーターや扇風機で天井付近の暖かい空気を足元に送る

といった工夫を組み合わせると、同じ設定温度でも体感温度がかなり変わります。

また、湿度の管理も重要です。暖房をつけると空気が乾燥し、同じ温度でも寒く感じやすくなります。環境省の節電アクションでは、加湿器の活用や部屋干し、湯たんぽなどと組み合わせてエアコン利用を減らす工夫も紹介されています。

結果として、

  • 室温20℃前後
  • 湿度40〜60%程度
  • 足元が冷えない環境

を作ることができれば、設定温度をあまり上げなくても快適に過ごせる時間が増えます。これはそのまま、「エアコンの運転時間」と「消費電力」を抑えることにつながります。

電気料金プランの見直し方

電気料金プランの見直し方

エアコン暖房の電気代を1ヶ月あたり1,000円単位で下げたい場合、「料金単価そのものを下げる」という発想も欠かせません。

新電力サーチの解説を整理すると、家庭向けの電気料金は大きく分けて次の要素で構成されています。

  • 基本料金(または最低料金)
  • 電力量料金(従量料金)
  • 燃料費調整額
  • 再エネ賦課金

ここ数年は、燃料価格の変動や再エネ賦課金の単価引き上げにより、同じだけ電気を使っていても「単価そのもの」が上がる方向に動いています。

一方で、電力自由化以降は、大手電力会社の従量電灯プラン以外にも、ガス会社・通信会社・新電力など多くの事業者が家庭向け電気料金プランを提供しており、会社やプランによって単価や料金構成が大きく異なります。

一人暮らしでプランを見直す際のポイントは、次のとおりです。

1. 現在の契約種別とプラン名を確認する

  • 例:従量電灯A、B、C/新電力の自由料金プラン など

2. 過去12ヶ月分の使用量(kWh)を確認し、「月300kWh前後なのか」「それを大きく超えるのか」を把握する

3. 電力会社や比較サイトのシミュレーターで、「自分の使用量」での年間料金を複数社比較する

4. 冬場の暖房に合わせて、基本料金と従量料金のバランスが合っているプランを選ぶ

5. 市場連動型など料金変動の大きいプランに入っていないかも確認する

電力会社を切り替えたり、同じ会社内でプランを変更するだけで、年数千円〜1万円以上電気代が安くなるケースもあります。

エアコンの使い方だけでなく、「そもそもの単価」を見直すことも、冬の電気代対策として押さえておきたいポイントです。

省エネ性能の高いエアコン選び

省エネ性能の高いエアコン選び

これからエアコンを買い替える予定がある人にとっては、「どのエアコンを選ぶか」が暖房の電気代に大きく影響します。

エアコンの省エネ性能を見る指標として重要なのが「APF(通年エネルギー消費効率)」と「統一省エネラベル」です。資源エネルギー庁の資料では、APFは「一定条件で1年間エアコンを使用したときの、必要な冷暖房能力の総和を年間の消費電力量で割った値」であり、この数値が大きいほど省エネ性能が高いと説明されています。

家電量販店やカタログでは、次のような情報が表示されています。

  • 統一省エネラベルの★の数(多いほど省エネ)
  • APFの数値(大きいほど省エネ)
  • 年間の目安電気料金(一定の使用条件と電気代単価を前提とした試算値)

これらを比較することで、「購入価格は少し高くても、ランニングコストが安いエアコン」を選びやすくなります。

一人暮らし向けに選ぶ際は、特に次の点を意識すると良いでしょう。

  • 部屋の広さに合った能力の機種を選ぶ(6畳なら2.2kWクラスが目安)
  • 同じ能力・価格帯なら、APFの高い機種を優先する
  • 自動運転・省エネモード・人感センサー・不在時自動オフなどの省エネ機能の有無を確認する

また、古いエアコンを使い続ける場合でも、フィルター掃除や室外機まわりの整理などのメンテナンスで消費電力を抑えられます。環境省の節電アクションでは、フィルター掃除をすると冷房時で約4%、暖房時で約6%の消費電力削減効果があるとしています。

  • 月に1〜2回フィルターを掃除する
  • 室外機の前に物を置かない・雪や落ち葉をどかす

といった基本的なケアをするだけでも、ムダな電力を減らす効果が期待できます。

1ヶ月の電気代を抑える生活習慣

1ヶ月の電気代を抑える生活習慣

最後に、エアコンそのもの以外の「生活習慣」の工夫で、1ヶ月あたりの暖房電気代を抑える方法を整理しておきます。

環境省の「家庭でできる節電アクション」では、エアコン以外にも、

  • こまめなスイッチオフ
  • 待機電力の削減
  • 冷蔵庫・照明・テレビなどの使い方の見直し

といった、家庭全体での節電ポイントが挙げられています。エアコン暖房だけに注目するのではなく、家全体の使い方を見直すことで、トータルの電気代を大きく減らせる可能性があります。

一人暮らしの場合、特に効果的なのは次のような習慣です。

  • 在宅時間に合わせて「暖房が必要な時間帯」をはっきり決める
  • 使っていない部屋・スペースは暖めない(ドアやふすまで区切る)
  • 帰宅前の「入タイマー」を活用し、帰ってすぐ快適な温度にしておく
  • 就寝時はエアコンを切タイマーにし、布団・毛布・湯たんぽなどで補う
  • 部屋着・靴下・ひざ掛け・レッグウォーマーなど、衣服での保温を積極的に活用する
  • パソコンやゲーム機、電気ポットなどの待機電力をできる範囲でカットする

環境省の情報では、

  • 日が落ちる前にカーテンを閉めて室内の保温を高める
  • 身体が温まる食材を取り入れる(根菜や生姜など)
  • 軽い運動で血行を良くする

といった「ながら温活」の工夫も、暖房器具への依存を減らすのに役立つとされています。

こうした生活習慣の見直しは、エアコン暖房だけでなく、ガスや灯油など他のエネルギーも含めた「光熱費全体」の削減につながります。

総括:一人暮らしのエアコン暖房電気代1ヶ月の要点

  • 単身世帯の電気代平均は、2024年時点で月約6,756円となっており、2022年以降は6,000円台後半で推移している
  • 季節別では冬(1〜3月)の単身世帯電気代平均が約7,150円で、冬の電気代はおおむね月7,000円前後が目安と言える
  • 冬の電気代のうち、エアコン暖房(主にエアコン)が占める割合は約3割で、一人暮らしでは月2,000〜3,000円台になるケースが多い
  • エアコン暖房の電気代は「消費電力(kW)×電気料金単価(円/kWh)×時間」で計算でき、自分のエアコンとプランで1時間・1ヶ月の電気代を算出できる
  • 家電の電気代試算では、目安単価31円/kWhがよく使われており、一人暮らしの簡易計算にも使いやすい
  • 一般的な6〜8畳用エアコン暖房では、1時間あたり10〜20円前後が目安で、平均すると約16円/時間というシミュレーションもある
  • 冬の電気代が高いのは、暖房で使用量が増えることに加え、燃料費調整額や再エネ賦課金の単価上昇、政府補助終了などで単価自体が上がっているためでもある
  • 家庭の冬の電力消費の中でエアコンは約32.7%を占める主要な家電であり、同時に他の電気暖房機器より効率が良いという特徴もある
  • エアコンを中心に暖房しつつ、電気ストーブやオイルヒーターを長時間使いすぎない方が、トータルの電気代を抑えやすい
  • 設定温度を1℃下げると暖房の消費電力を約10%削減できるとされており、20℃前後を目安に服装で調整することが省エネの基本になる
  • 自動運転モードと適切な設定温度の組み合わせ、短時間外出時のつけっぱなし、長時間不在時の電源オフといったメリハリ運転が電気代を抑えるコツである
  • 窓や床の断熱、サーキュレーターでの空気循環、加湿などで体感温度を上げれば、同じ設定温度でも快適さを維持しやすくなる
  • 電気料金プランや電力会社の見直しにより、同じ使用量でも年間で数千〜1万円規模の節約が見込める場合がある
  • エアコンを買い替える際は、APFや統一省エネラベルを確認し、省エネ性能の高い機種を選ぶことで、長期的な電気代削減につながる
  • フィルター掃除や室外機まわりの整理などのメンテナンス、服装・タイマー・待機電力削減など生活習慣の工夫を組み合わせることで、一人暮らしの暖房費を無理なく着実に抑えられる

一人暮らしのエアコン暖房電気代は、「我慢」だけで減らす必要はありません。電気代の仕組みと1ヶ月の相場を理解し、エアコンの使い方・部屋の環境・料金プラン・生活習慣を少しずつ整えていけば、快適さを保ちながら、冬の電気代を着実にコントロールしていくことができます。

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