「エアコンを安く買いたい」と考えたとき、Amazonの価格はとても魅力的ですよね。
しかし、「エアコンのamazon取り付け」と検索しているあなたは、工事費込みの安さの裏で「取り付けは本当に大丈夫?」「追加料金はかからない?」といった不安も感じているのではないでしょうか。
この記事では、Amazonのエアコン取り付けサービスの全体像から、工事費込みのからくり、高額になりがちな追加料金の実態、そしてトラブルを避けるための優良な業者の見極め方まで、あなたの疑問や不安を解消するために、事実に基づいて徹底的に解説していきます。
- Amazonのエアコン取り付けは便利だが業者を選べないリスクがある
- 「標準工事」の範囲は限定的で追加料金が発生しやすい
- 高額な追加料金トラブルを避けるには事前見積もりが不可欠
- 優良業者の見極めは「詳細な見積書」と「工事保証」が鍵
Amazonでのエアコン取り付け:サービス内容と流れを徹底解説
- Amazonの公式取り付けサービスとは?
- 工事費込みエアコンの購入から設置までの流れ
- Amazonでエアコンを取り付けるメリット
- 知っておくべきデメリットと利用者の評判
Amazonの公式取り付けサービスとは?

Amazonでエアコンの取り付けを考える際、中心となるのが「となりの執事さん」といった提携サービスです。これはAmazonが直接工事を行うのではなく、全国に広がる提携工事業者と購入者を結びつける、いわば「マッチングプラットフォーム」としての役割を担っています。この仕組みにより、全国どこでも取り付けサービスを提供できる体制を整えているのです。
一部のメーカー(ダイキンや富士通ゼネラルなど)のエアコンでは、商品購入時にこの取り付けサービスを同時に申し込めます。それ以外のメーカーのエアコンを購入した場合でも、別途「取り付けサービスチケット」を購入することで、同様のサービスを利用することが可能です。
重要なのは、Amazonはあくまで仲介役であり、実際の工事品質や対応は、当日あなたの家にやってくる「地域の提携業者」次第であるという点です。この構造が、サービスの利便性と同時に、後述するデメリットや評判のばらつきを生む根本的な要因となっています。
工事費込みエアコンの購入から設置までの流れ

Amazonで「工事費込み」のエアコンを購入した場合、どのような流れで設置まで進むのでしょうか。実際の利用者の体験談を基に、具体的なステップを見ていきましょう。
- Amazonで商品を購入: まず、サイト上で「設置工事費込」と記載のあるエアコンを選び、購入手続きをします。このとき表示される配送予定日は、あくまでエアコン本体が自宅に届く日であり、工事日ではない点に注意が必要です。
- 工事業者からSMSで連絡: 購入後、エアコン本体が届く前に、担当する工事業者からスマートフォンのSMSに連絡が入ります。ここには、設置場所の状況を確認するための事前アンケート用ウェブサイトへのリンクが記載されています。
- 事前アンケートに回答: アンケートでは、室内機と室外機の設置階、配管用の穴の有無、エアコン専用コンセントの有無といった、基本的な設置環境について回答します。
- 工事日の調整: アンケート回答後、業者から電話連絡があり、内容の確認と具体的な工事日程の調整が行われます。
- エアコン本体の到着: 先に設定した配送日に、エアコンの室内機と室外機が運送会社によって届けられます。工事日まで数日空く場合は、大きな梱包材を一時的に保管するスペースが必要です。
- 設置工事の実施: 決定した日時に工事業者が訪問し、取り付け作業を行います。作業時間は通常1〜2時間程度で、設置後に試運転を行い、問題がなければ完了となります。
この流れは、設置環境が「標準工事」の範囲内であれば非常にスムーズに進みます。しかし、アンケートだけでは判断できない特殊な状況がある場合、当日現場で問題が発覚し、追加料金や工事日程の再調整につながる可能性も潜んでいます。
Amazonでエアコンを取り付けるメリット

Amazonでエアコンの取り付けまで依頼する最大のメリットは、その手軽さと、条件が合えば実現するコストパフォーマンスの高さにあります。
まず、最大の魅力は「利便性」です。家電量販店に足を運ぶ必要がなく、エアコン選びから購入、そして取り付け業者の手配まで、すべてスマートフォンやパソコン一つで完結します。特に忙しい方にとっては、時間と手間を大幅に節約できる点は大きなメリットと言えるでしょう。
次に「価格」です。「工事費込み」で販売されている6畳用のモデルなどは、5万円台から見つけることができ、これは量販店と比較しても非常に競争力のある価格設定です。自宅の設置環境が、配管用の穴がすでにあり、室外機をすぐ近くのベランダや地面に置けるといった「標準工事」の条件に完全に合致する場合、表示価格のまま、非常に安価にエアコンを導入できる可能性があります。
実際に利用した人の中には、業者とのやり取りもスムーズで、作業も手際良く、あっという間に快適な環境が手に入ったという好意的な評価も少なくありません。これらの点から、特に標準的な住環境にお住まいの方にとっては、Amazonは非常に魅力的な選択肢となり得ます。
知っておくべきデメリットと利用者の評判

Amazonのエアコン取り付けには、メリットがある一方で、事前に知っておくべき重要なデメリットも存在します。その評判は、良いものと悪いものの差が激しいのが実情です。
最大のデメリットは「工事業者を選べない」という点です。Amazonはあくまで業者との仲介役であり、どんな技術レベルや態度の業者が来るかは、連絡があるまで分かりません。これは「業者ガチャ」とも言える状況で、利用者の満足度を大きく左右します。経験豊富で丁寧な業者に当たれば幸運ですが、中には技術が未熟だったり、対応が悪かったりする業者に当たるリスクも否定できません。
この業者を選べないという点は、いくつかの具体的な問題につながります。一つは「追加料金トラブル」です。「当初聞いていた金額と違う」という悪い評判は非常に多く、標準工事の範囲外の作業が必要になった際に、高額な追加料金を請求されるケースが後を絶ちません。
また、夏の繁忙期などには「工事までの期間が長い」という問題も発生しがちです。購入してから実際に設置されるまで1ヶ月以上かかったという声も見られます。
さらに、万が一、設置後にエアコンの不調や水漏れなどのトラブルが発生した場合、その原因が「製品の初期不良」なのか「工事の施工不良」なのかによって、問い合わせ先がAmazon、販売者、工事業者と複雑になり、責任の所在が曖昧になる可能性も指摘されています。これらのリスクを理解した上で、利用を検討することが賢明です。
失敗しない!エアコン取り付けの費用と優良業者の見極め方
- 「標準工事」で含まれる内容と料金相場
- 要注意!高額になりがちな追加工事の料金一覧
- 悪質な業者を避ける!優良な取り付け業者の選び方
- よくある工事トラブル事例と解決策
「標準工事」で含まれる内容と料金相場

「工事費込み」という言葉に惹かれますが、その「工事」がどこまでを指すのかを正確に理解しておくことが、追加料金トラブルを避ける第一歩です。一般的に「標準取り付け工事」と呼ばれる基本的な作業内容は、以下の項目で構成されています。
- 室内機の設置
- 室外機の設置(地面置き、またはベランダ置き)
- 配管パイプの接続(4mまで・テープ巻き仕上げ)
- 既存の配管用の穴の使用(新規の穴あけは含まず)
- 配管内の真空引き作業
- アース線、および既存のエアコン専用コンセントへの接続
この範囲内の作業であれば、追加料金は発生しません。料金相場はエアコンの能力(対応畳数)によって異なり、おおよそ以下のようになっています。
- 3.6kWまで(〜12畳用):14,000円〜17,000円
- 4.0kW以上(14畳用〜):18,000円〜22,000円
重要なのは、室外機を壁に掛けたり、屋根に置いたりする必要がある場合や、配管を通す穴が壁にない場合、配管が4mを超える場合などは、すべて「追加工事」となり、別途費用が発生するということです。ご自身の設置環境が標準工事の範囲内かどうか、事前にしっかり確認しておきましょう。
要注意!高額になりがちな追加工事の料金一覧
標準工事の範囲を超える作業には、必ず追加料金が発生します。特に高額になりがちな項目を知っておくことで、予期せぬ出費に備えることができます。以下は、主な追加工事とその料金相場をまとめた表です。当日の請求額が妥当かどうかを判断するための参考にしてください。
工事内容 | 費用相場 | 注意点・詳細 |
室外機の特殊設置 | ||
壁掛け | 15,000円~ | 専用の金具代と作業費。壁の強度によっては設置不可の場合も。 |
屋根置き | 15,000円~ | 専用の金具代と作業費。高所作業費が加わることも。 |
天吊り | 15,000円~ | ベランダの天井などから吊るす場合。金具代と作業費。 |
二段置き | 20,000円~ | 2台の室外機を縦に重ねる場合。専用ラックと作業費。 |
配管・配線工事 | ||
配管延長(1mあたり) | 3,000円~4,000円 | 標準の4mを超える場合。ドレンホース延長も別途費用の場合あり。 |
化粧カバー(室外) | 6,000円~ | 配管を保護し、見た目を整えるカバー。2mまでの基本料金。 |
化粧カバー(室内) | 8,000円~11,000円 | 室内の配管を隠すカバー。曲がり角の部材は別途費用。 |
壁の穴あけ工事 | ||
木造・モルタル | 2,000円~4,000円 | 最も一般的な壁材。標準工事に含まれる業者も多い。 |
コンクリート(ALC含む) | 16,000円~25,000円 | 専用のドリルが必要なため高額。壁の厚みで変動。 |
タイル | 5,000円~ | 割れるリスクがあるため慎重な作業が必要。 |
電気工事 | ||
専用コンセント増設 | 12,000円~15,000円 | ブレーカーからの配線工事が必要。 |
電圧切替(100V⇔200V) | 2,000円~4,000円 | 分電盤での簡単な切り替え作業。 |
コンセント交換 | 2,000円~ | 電圧に合わせてプラグの形状を交換する作業。 |
その他 | ||
高所作業(2階→1階設置など) | 5,000円~ | 長いはしごを使う作業。3階以上はさらに高額になる。 |
隠蔽配管への接続 | 10,000円~ | 壁内に埋め込まれた配管に接続する特殊作業。要見積もり。 |
この表はあくまで目安です。業者によって料金設定は異なるため、必ず事前に見積もりを取り、総額を確認することが最も重要です。
悪質な業者を避ける!優良な取り付け業者の選び方

Amazon経由であれ、自分で探す場合であれ、安心して任せられる優良な業者を見極めることが、エアコン取り付けを成功させる最大の鍵です。以下の5つのポイントを必ずチェックしましょう。
- 詳細な見積書を提示するか: 「工事一式」といった大雑把な見積もりではなく、どの作業にいくらかかるのかを項目ごとに細かく記載した見積書を提出してくれる業者は信頼できます。これは、料金体系が明確である証拠です。
- 必要な資格を保有しているか: エアコンの取り付けには「第二種電気工事士」などの国家資格が必要な作業が含まれる場合があります。業者のウェブサイトなどで資格保有者が在籍しているかを確認しましょう。技術力の高さをアピールしている業者は、隠蔽配管などの難易度の高い工事への対応を明記していることも多いです。
- 工事保証があるか: 製品自体のメーカー保証とは別に、取り付け工事に対する「工事保証」を提供しているかを確認してください。最低でも1年以上の保証があるのが一般的です。保証がない業者に依頼し、後日施工不良による水漏れなどが発生した場合、修理費用が自己負担になってしまいます。
- 豊富な実績と良い口コミがあるか: 会社のウェブサイトに、具体的な施工事例(写真付きなど)が数多く掲載されているかを確認しましょう。地域に根ざして長年営業している業者は、それだけ信頼されている証拠です。また、第三者のサイトでの口コミ評価も重要な判断材料になります。
- 事前の打ち合わせが丁寧か: 問い合わせや見積もりの段階で、こちらの状況をしっかりとヒアリングし、専門用語を使わずに分かりやすく説明してくれる業者は信頼できます。こちらの質問に曖昧に答えたり、契約を急かしたりする業者は注意が必要です。
これらのポイントを総合的に判断し、価格の安さだけで選ばないことが、悪質な業者を避け、満足のいく結果を得るための鉄則です。
よくある工事トラブル事例と解決策

どんなに気をつけていても、エアコンの取り付け工事にはトラブルがつきものです。ここでは、代表的なトラブル事例とその原因、そして万が一の際の解決策を知っておきましょう。
- トラブル1:エアコンからの水漏れ原因の多くは、室内機から発生した結露水を屋外に排出する「ドレンホース」の施工不良です。ホースの勾配が適切でなかったり、途中で折れ曲がっていたりすると、水が逆流して室内機から漏れ出してしまいます。
- トラブル2:エアコンが冷えない・暖まらない(ガス漏れ)室内機と室外機をつなぐ冷媒配管の接続ミスが主な原因です。接続部分の加工(フレア加工)が不十分だと、そこから冷媒ガスが漏れ出し、エアコンの能力が著しく低下します。
- トラブル3:想定外の高額な追加料金請求これは最も多い金銭トラブルです。事前に詳細な見積もりを取らず、「標準工事で収まるだろう」と安易に考えていた結果、当日現場で次々と追加工事を指摘され、高額な請求に至るケースです。
- トラブル4:雑な工事と家屋の損傷配管が不自然に曲がりくねっていたり、壁紙を傷つけられたり、室内を汚されたりといった、作業員の技術力やマナーに起因するトラブルです。
【トラブル発生時の解決策】
まず、①施工した業者にすぐに連絡しましょう。保証期間内であれば、まともな業者なら無償で手直しに来てくれます。その際、トラブルの状況を写真や動画で記録しておくことが重要です。
もし業者が非を認めない、あるいは連絡がつかないなど、対応に問題がある場合は、②「消費者ホットライン(電話番号:188)」に相談してください。専門の相談員が、今後の対応について無料でアドバイスをしてくれます。いきなり弁護士に相談する前に、まずはこの公的な窓口を利用するのが賢明です。
総括:エアコンはamazonの取り付けでOK?
この記事のまとめです。
- Amazonでのエアコン購入は手軽だが取り付けは別問題である
- 取り付けはAmazonではなく提携業者が行う
- 工事担当業者は原則として選べない
- 良い業者に当たるかは運の要素が強い
- 「工事費込み」は「標準工事」の料金である
- 標準工事の範囲は配管4mまで、同一階設置など条件が厳しい
- 設置環境によっては高額な追加料金が発生する
- 特にコンクリートの穴あけや高所作業は高額になりがちだ
- 追加料金トラブルを避けるには詳細な事前見積もりが最重要
- 業者選びは価格だけでなく技術力と信頼性で判断すべきだ
- 「電気工事士」資格の有無は信頼性の一つの指標となる
- 工事後のトラブルに備え「工事保証」の有無を必ず確認すること
- 水漏れやガス漏れは典型的な施工不良である
- 業者との交渉が難航した際は「消費者ホットライン188」へ相談する
- 最終的な満足度は、どの業者に依頼するかで決まる